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すっかり春めいてきました。猫が一緒にうとうとしがちですが、桜も満開までもう少しでしょうか。昨日は板橋を歩いていて石神井川の桜がだいぶ開いておりました。今日は神田川を観てきましたが、あとほんの少しというところですね。
さて今回の本はアーナルデュル・インドリダソンの「悪い男」。インドリダソンはエーレンデュル捜査官シリーズを書くアイスランドの巨星。北欧はマイ・シューヴァル&ペール・ヴァールーのマルティンベックシリーズを産んだスウェーデンではヘニング・マンケルやGW・ペーションがいる。ノルウェーのヨ・ネズボ、そしてアイスランドのインドリダソンなどが人気だ。北欧の警察小説の特徴は静かな捜査と人間ドラマの味わいにある。日本の警察小説は派手な捜査や捕り物が好きで、犯人逮捕のカタルシスに注力しているきらいがある。北欧の警察小説はもっとゆっくりと展開し、それでもじわじわとドキドキが始まり止まらなくなる。
柳沢由実子の翻訳の上手さもあるでしょうね。マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールーからドロシー・ギルマン、ヘニング・マンケル、インドリダソンと北欧の名作は昔から彼女の翻訳が一番です。
さてこの話。レイキャヴィクのバーで男が女性に声をかけるところから始まる。男は女性の酒に錠剤を入れて酔わせ、自宅に連れて帰ろうとする。翌日、アパートで喉を切り裂かれた若い男の死体が発見される。男のポケットにはレイプドラッグがあり、どうやらレイプ魔のようだ。現場にはスパイスの香りが残る一枚のスカーフ。エーレンデュル捜査官は休暇を取ったきり行方がわからない。捜査にあたるのは同僚のエリンボルグ。彼女は自分の家族の問題に悩みながら徐々に犯人を追い詰めていく。
インドリダソンは相変わらず上手い。レイプ魔の非道なやり口、しかしレイプ魔の口の中からもレイプドラッグが見つかった。そしてそのレイプ魔を殺したのは被害女性なのか、それは誰なのか、それとも別の人間なのか。ならば動機は…。
面白いですねえ。あんまり語るとネタバレになっちゃうので書けないが、事件に関わる様々な立場の様々な人がそれぞれの怒りや哀しみを抱えて生きている。そっちが解決するわけではない。複数の事件が絡み、主たる事件は解決するが他の事件ははっきりしないまま話は終わる。また別の作品に繋がるのだろうか。










