昨日熊本に、文化庁の仕事で、
マンガのデータベース作成などをしている、
専門家の方が来られて、
その方との懇親会が行われた。

 

僕はクママンのアーカイブ事業の、
一応「責任者」ということになっているので、
近くの席で色々とお話を聞かせていただいたのだが、
大変博学な方で、とはいっても、マンガの知識に限る「博学」で、
こんなことを知っていたところでこれといって役には立たないし、
飲み会の席で熱く語られても、周りの人はポカンとして、
場合によって敬遠されかねない、「オタク」な知識である。

 

しかし僕にとっては、何よりも大切で重要な知識、
尊敬に値する「知の巨人」であった。

 

例えば国会図書館は
現代日本のありとあらゆる出版物を可能な限り網羅している図書館だが、
国会議員の立法行為を補佐する目的で作られた建物なので、
国会議事堂の近くにあり、
地下通路で国会議事堂とつながっているらしい。

 

そして議事堂の近くに議事堂より高い建物を建てると
議員を狙撃するために使われたりする恐れがあるので、
日々増え続ける蔵書を収蔵するために、
どんどん地下に向かって増築されていて、
現在は地下9階くらいまであり、
各階にはサッカーコートくらいの広さの巨大な収蔵棚があって、
ありとあらゆる出版物が収蔵されている、
それを管理する職員も数百人いるそうである。

 

そんな中でマンガは、
大雑把に「娯楽」というジャンルに分類されており、
そのコーナーには例えば「SMスナイパー」のような、
えげつないエロ本も収蔵されているそうである。

 

マンガをあまりお上品な、
お行儀の良いものと分類されるのも、
正当な評価ではないと思うが、
エログロ雑誌と同じ扱いでは、
マンガに関る仕事をしていても、
あまり尊敬されないのも無理はない。

 

でも元々僕は、人から一目置かれるとか、
社会的に尊敬されるとかいうこととは、
別の領域で生きていきたいと
熱望しているところの者ですので、
それはそれで居心地のいい場所ではあります。

 

図版は僕のヒーロー山野一さんの、
「四丁目の夕日」の中の、
息子を東大に入れるために、
夜も寝ないで残業していた印刷屋の社長が、
明方に足元がフラつき、
輪転機に巻き込まれて
グッチャングッチャンになってしまった絵。

 

 

あと山野さんがいかに鬼畜なマンガ家かということを

如実に物語っているカット

 

2日連続の巨大倉庫での作業。

 

昨日に続いて、

また懐かしマンガを発掘しました。

 

今日はちょっと忙しく、

あまりたくさん掘り出せませんでしたが、

まず最初は「魔太郎がくる!!」です。

 

 

昨日「エコエコアザラク」を見つけて、

ぜひ魔太郎も紹介したいなと思っていました。

 

主人公浦見魔太郎はいじめられっ子。

しかし我慢の限界が来たら、

悪の貴公子となり恨みを晴らす。

決め言葉は「こ・の・う・らみ・

は・ら・さ・で・お・く・べ・き・か」

 

ところが事実は小説よりも奇なりで、

読者から寄せられる実際のいじめ体験の方が、

より壮絶で悲惨だったため、

作者の藤子・A・不二雄も、

気軽な気持ちで対応できなくなり、

後の再版ではたくさんの話が改定されたそうです。

 

この初版は雑誌掲載当時のままで

収録されているわけですが、

もちろんゆっくり読んでいるひまはなかった。

 

2作目は「うわさの姫子」

僕はあまり熱心に読んでいませんでしたが、

妹が夢中になっていたのを覚えています。

小学館の「小学五年生」と

「小学六年生」に連載されていました。

 

 

今日最後の作品は

大島弓子の「いちご物語」です。

 

高校生の頃「綿の国星」を読んで、

大島弓子さんのファンになり、

そこから遡ってこの作品にもたどり着きました。

 

「いちご物語」は1975年に

「少女コミック」に連載された作品。

 

「綿の国星」の第一話が書かれたのは1978年。

 

この作品が僕と大島弓子さんの

出会いだとずっと思っていましたが、

実は僕と大島弓子さんの本当の出会いは、

1976年に書かれた、

「きゃべつちょうちょ」という作品だったのです。

 

当時僕は10歳。

近所のゴミ捨て場で拾った雑誌の束の一冊に、

「きゃべつちょうちょ」が載っていたのです。

 

他のマンガ作品とは違う、

何か独特の雰囲気を感じていました。

 

後に大島弓子さんの作品を追いかけていて、

「きゃべつちょうちょ」に再会し、

ああ、あの時の不思議な雰囲気のマンガは

大島弓子さんの作品だったんだなと納得したのです。

 

優れた作品というのは

特に何の予備知識もなく出会っても、

それなりのインパクトを与えてくれるんだと、

あらためて感心したものです。

 

ゴミ捨て場で拾ってまで、

しかも少女マンガまでを読むなんて、

当時の僕のマンガに対する貪欲さが、

この出会いを引き寄せたんだと思います。

 

今日は巨大倉庫の方で作業だったので、

レアなマンガが次々に見つかりました。

 

 

まず最初は「男おいどん」です。

僕にとって松本零士といえば、
ヤマトでも999でもハーロックでもなくて、
これなんです。

 

まだ爆発的に売れる前の、

悶々とした感じがいいですね。

 

 

そして次に見つけたのは

古谷三敏の「ダメおやじ」です。


これは、ショボいお父さんが

家族からひたすらいじめられるマンガです。

 

そのイジメられ方はものすごく、

読んでいて胸が痛くなったものです。
今なら絶対に問題になるような内容のマンガです。

 

古谷三敏さんって、今では「レモンハート」みたいな、

ほのぼのしたマンガを書いているのに。


実は古谷三敏さんって
手塚治虫のアシスタントだったんですよ。

 

 

次は横山光輝の「バビル2世」です。
こちらも前にご紹介した「いなかっぺ大将」と同じく、

マンガよりアニメの方がお馴染みですね。

ごっつええ感じのパロディコントも良かった。

 

 

そしてこちらは一峰大二さんの作品がふたつ、

このころはテレビ番組をマンガ化するのが流行りで、

一峰大二さんは色々な作品を手掛けていました。

他にもイナズマンとかウルトラセブンとか。

 

泉昌之のウルトラマンパロディは

発禁処分になりましたが、

こちらはきっちりタイアップしているので、

今でも再版されています。

 

珍しいのはスペクトルマンのマンガです。

僕はテレビ番組を毎週見ていた。

 

一峰大二さんのアシスタントには、

後に「はだしのゲン」を書いた中沢啓二さんがいました。

 

 

この作品には本当に戦慄しました。

今の僕がオカルト好きになるきっかけになった作品です。

 

僕にとってつのだじろうといえば、
「恐怖新聞」でも
「うしろの百太郎」でもなく、
この作品だったんです。

 

 

こちらは「サラリーマン金太郎」の
題名の元になった作品。
作者はトキワ荘のテラさん。

 

 

「エコエコアザラク」発見。

「恐怖新聞」の鬼形礼に続いて学校に降臨し、

黒魔術ブームを巻き起こした黒井ミサ15歳。

絵がオドロオドロしくて良かった。

 

 

小学校低学年の頃、
夢中になって読んでいた白戸三平の「サスケ」

ちょうどこの頃、

島根県の松江に引っ越して、

学校で同級生に「サスケ」の2巻を貸したら、

その子の弟が家でカバーをビリビリに破き、

お詫びにその子のお父さんが蚕をくれた。

 

東京から島根に引っ越したばかりだったので、

ある意味カルチャーショックだった。

田舎の子って家で蚕を飼ったりしてるんだなって。

 

僕が読んでいたのは講談社コミックス版だったが、
写真は集英社のコンパクト・コミックス版。

 

サスケは元々は光文社の「少年」で連載されていたが、

講談社(光文社とは親子のような関係)からもコミックスが出ているし、

集英社(小学館とはグループ企業)からもコミックスが出ているし、

小学館文庫からもコミックスが出ている、

日本の出版界をほぼ制覇したようなものだ。

 

「僕たちがやりました」終わりましたね。

 

多少原作とは変わっていましたが、
おおむね原作の意図したものは
伝わっていたと思います。

 

最後、主人公が、
罪の意識にさいなまれながらも、
それでも「生きなきゃ」と
歩き始めて終わるラストは、
あれはあれで良かったと思います。

 

多少演出面で不合理な点はありましたが、
それでも「原作を冒涜している」
という程ではなかったと思います。

 

毎週放送時間に合わせて視聴するというのは、
ちょっとつらいこともありましたが、
普通は録画して見るのですね。

 

テレビ番組なんて、
ましてテレビドラマなんて、
録画してまで見るものではないと、
思っていましたが
「なるほど、そうなのか」
と、「目から鱗」的な気持ちになりました。

 

今日の懐かしマンガ、

第1弾は「ブラック商会変奇郎」
明らかにAさんの作風だが、
まだ名義は藤子不二雄のままですね。

 

 

第2弾は川崎のぼるの「いなかっぺ大将」
こちらはアニメでお馴染みですね。
今はなき虫プロ商事の虫コミックス作品です。

川崎のぼるさんは、

今は熊本にお住まいとのことです。

 

 

第3弾は
エロの伝道師、永井豪の
「キューティーハニー」です。


服がビリビリに裂けて変身するのが
たまりませんでしたね。


さすがに1巻しか見つからなかったので、
「パンジーちゃん」と並べて撮りました。


こちらは若木書房から出版されていた、
激レア本、昭和44年発行と書いてあります。

若木書房というのは、

つげ義春の貸本マンガなんかを出していた、

老舗の出版社です。

 

 

第4弾は梶原一騎原作の
「愛と誠」です。
作画のながやす巧さんは
熊本出身の方だそうです。

 

 

第5弾は山上たつひこの「がきデカ」です。
説明の必要はない、
大ヒットお下劣ギャグマンガですね。

 

でもこの作品を書く前、

山上たつひこは「光る風」という、

暗くて救いのない作品をマガジンに書いていました。

この作品は挫折した学生運動に対する、

レクイエムのような作品だったそうです。

 

その反動がアナーキーなギャグマンガ、

「がきデカ」に昇華したのですね。

 

 

第6弾は
柳沢きみおの「月とスッポン」です。
最近では「只野課長」など、

アダルトエロマンガが多い柳沢きみおですが、
この頃は初々しかったですね。

 

「奥田民生になりたいボーイ
出会う男すべて狂わせるガール」

公開初日に見て来ました。

 

熊本のTOHOシネマはませんというところで、

20時40分からの最終上映を見ました。


台風が近づいていることもあって、
お客さんは4~5人くらいでした。

 

もしかしたらこれは、

映画のプロモーション活動の一貫なのかもしれませんが、

水原希子さんの「ザ・プレミアム・モルツ」のCM動画に対して、
ヘイトなコメントが多く投稿されているというネットの記事がありました。

 

これを読んで何がなんでも水原希子を応援しなければ、

と義憤にかられて初日に見に行ったわけです。

 

水原さんは、お父さんがアメリカ人、
お母さんが在日韓国人のハーフで、
以前から誹謗中傷するようなコメントはあったそうですが、
今回はサントリーの公式ツィッターに、
「エセ日本人がCMしてるから買いません」
「反日モデルをつかうとは、やるねサントリー」
「なんだ?偽日本人か。ビールが不味くなる!」
などのコメントが投稿されたということでした。

 

結果映画はどうだったかというと、
すごく良かったです。予想以上でした。

渋谷直角はやってくれるだろうと思ってはいましたが、
ここまでやってくれるとは思っていませんでした。

 

そして水原希子、
ニセ日本人と言われようが、
いけすかないと嫌われようが、
そして、同性から激しく嫌われかねないこの役を、
よくぞやってくれました。

あらためて好きになりました。

 

そしてネットで韓国人と叩かれている、
新井浩文もいい演技をしていました。

 

そのまま帰り道にTSUTAYAに寄って、
原作マンガの単行本も買いました。
ものすごくテンションが上がっていたのです。

 

原作を読んだ感じでは、

渋谷直角が意図していた方向性とは、

ちょっと違う感じに仕上がっていたような印象でしたが、

映画の脚本は、より深く、

ファンタジックになっていると感じました。

 

この映画、おすすめですよ。

 

最近マンガを整理して分類する仕事をしているのですが、

ここがその仕事をする倉庫です。

 

広大な倉庫で、

写真はそのほんの一部。

 

この倉庫のあちこちに
なかなかお目にかかれないような
貴重なマンガが隠れています。

 

折りをみてレアマンガをご紹介する予定です。

 

ところで今日はこの倉庫とは

別の場所での作業でした。

 

相棒と手分けして

主に少年マンガを分類しました。

 

 

こちらの書庫にはあまりレアなマンガはないのですが、

かろうじて見つけたのがこの「サイボーグ009」

 

 

小学生の頃に島村ジョーに

胸をときめかせたのを思い出します。

 

 

もうひとつ見つけたマンガが「俺の空」。

週刊プレイボーイに連載されていました。

 

当時僕は中学生で、

「ものすごくエロいマンガがある」と、

同級生の間でうわさになっていたのを覚えています。

今読んだらそんなでもないんですけどね。

 

主人公安田一平の初体験の相手は
色っぽい担任の先生という、
中学生にとっての憧れのシチュエーション。

 

古本屋さんがつけた100円という値札が哀しいですね。

 

今では文化遺産となっている、

このようなマンガの本たちを整理分類して、

マンガ図書館を作るお仕事の手伝いをしています。

最近人気爆発の竹内涼真だが、
僕が彼を知ったのは、

古屋兎丸のマンガが原作の
「帝一の國」という映画だった。

 

この映画の中で、
大鷹弾という役を演じていたのだが、
元々原作マンガの中で、
大鷹弾のキャラクター設定が
とても良かったので、
大鷹弾は誰が演るのかと、
楽しみにしていた。

 

こちらが原作の大鷹弾

 

 

でも竹内涼真という人は、
まったく知らなかったし、
大鷹弾のワイルドなキャラクターとは、
少しイメージの違う、
優男過ぎる俳優だなと思っていた。

 

これが映画「帝一の國」の竹内涼真

 

 

ところがその後、
瞬く間にブレイクである。
やはりスター性はもっていたんだなと思った。

 

この竹内涼真、
なかなか霊感が強いらしい。
そういうところも僕の好みだ。

 

今更ですが、

「BECK」のアニメと実写映画を見ました。

原作に思い入れが強過ぎて

なかなか見ることができなかったのです。

 

アニメと実写映画の一番の違いは、

主人公コユキが歌うシーンで、

アニメではコユキのボーカルが、

音で流れますが、

実写映画では流れないところです。

 

原作マンガには、

当然音はないので、

実写映画のほうが、

原作のイメージに近いと思います。

 

コユキはすごく魅力的な声の持ち主という設定ですが、

その声を実際に聞かせてしまうと、

読者の想像にゆだねられていた、

コユキの声が限定されてしまい、

原作の魅力が半減されます。

 

映画でコユキの声が消されていたのは、

原作者のハロルド作石の意向らしく、

やはりハロルド作石も

コユキの声を聞くことができないことこそが、

この作品の大きな魅力のひとつだと、

思っていたのだと思います。

 

実写版「BECK」の出演者は

とても豪華で、BECKのメンバーは、

コユキが佐藤健、

ギターの竜介が水嶋ヒロ、

ベースの平が向井理、

ボーカルの千葉が桐谷健太、

ドラムのサクが中村蒼、

竜介の妹の真帆が忽那汐里、

コユキの師匠の齋藤さんがカンニング竹山です。

中村蒼という人だけよく知らなかったのですが、

ネットで調べると福岡市出身ということでした。

 

そして監督は堤幸彦、

すごいメンバーです。

ちなみに脚本の大石哲也さんという人は、

北九州出身で、大学は福岡大学で、

僕が大学生の頃、

同じNHK福岡放送局で、

カメアシのアルバイトをしていたことがあります。

 

原作の「BECK」は34巻までありますが、

映画は10巻までのストーリーを映画化しています。

アニメもほぼ同じです。

 

なので映画のストーリーが終わったあとも、

BECKは海外ツアーに行ったり、

コユキと千葉が仲たがいしたり、

色々と展開があります。

 

このあたり、少し冗長になったり、

同じようなストーリー設定が繰り返されたり、

引き延ばし過ぎのような感じもありますが、

前半の野外フェスまでの展開は、

アニメ版で見ても、

実写版で見ても、

とてもいいストーリーだと思います。

 

今、合志マンガミュージアムというところで、

在庫整理の仕事をしているのですが、

昨日、マンガの片付け作業中、
スタッフが「お宝」を発見しました。

 

「瞳ダイアリー」の4巻、
この作品は80年代の終盤、
「月刊少年ジャンプ」で連載され、
単行本は一時一冊1万円以上で
取り引きされていたという、
幻のカルト作品だそうです。

 

そういう作品のご多聞にもれず、
中身をパラパラ見たら、
ただのえげつないエロマンガでした。