Crier cries... -13ページ目

Crier cries...

誰にもいえない、心の叫び。

付き合う前のあのひとは、何にも捕われず自由で、楽しそうで、輝いて見えた。


あたしは、そんなあのひとへの想いが憧れなのか、「好き」なのか分からずに、


出会ってから数ヶ月の時間を過ごした。


ただ会って話せるだけで幸せな日々。


時々、あたし以外の誰かとはしゃいでいる姿に胸が痛くなったりもして。


それは、もしこの先もう一度付き合うことになっても、


もう戻らない時間。


あの頃も、もちろん付き合った時間も、すべては特別なものだ。


大切で愛しい記憶。


たとえいつか他の誰かを好きになったとしても。

付き合っている頃は、小さなワガママがなかなか言えなかった。


「彼女」の言葉にはどうしたって強制力がある気がして。


言ってくれた方が嬉しいんだよ、って何度も教えてくれたけど、


仕方なく何かをしてもらうことが怖かった。


付き合っていないいまのあたしは、あの頃より遥かにワガママ。


嫌なことは「なんでそんなことしないといけないの?」って言ってもらえると思うから、


ついつい色んなことを言ってしまう。


付き合っていない方が素直なあたしを見せられるなんて、皮肉な話だけど。

ちょっとした不注意による怪我で、大切な時間を奪われたことがある。


楽しいことをいっぱい計画していたのに、すべて掻き消えて。


頑張って目指していたものも、この手から零れ落ちてしまった。


二度と得られない時間を失ったあたしは、


どうしようもなく哀しくて、悔しくて・・・泣いた。


何かを失うのなんて、ほんの一瞬。


そのことを思い知ったあたしだから、いまは言いたい。


無茶をしないで。


自分を大切にして。


あたしみたいな思いを、どうかしないで。


目の前のことに一生懸命になったあのひとに、


どう言ったらそんなあたしの思いを伝えることができるのだろう。

会いたいと、喉まで出掛かった言葉を必死で飲み込んだ。


ダメなんだ。


会いたいって言って、それに応えてくれることに安心を見出そうとしてしまう。


その繰り返しで、あたしはどんどん弱くなってしまったんだ。


ましてやいまは付き合っていない相手。


だから、会いたいって言うのをガマンした。


そうして今日一日、あたしはあたしの時間を過ごすことができた。


こんなことでちょっと成長した?とか思うこと自体、おかしいのかもしれないけど。


そんな小さい積み重ねくらいしか、いまのあたしにできることはないから。

もう12年目の付き合いになる友人たちと、いまでも会う。


季節に一度とはいえ変わらずに10人ものメンバーが集まるのは、


誰もがこのつながりを大切に思っているということなのかな。


あたしだけじゃなく、みんなが。


そのつながりの中にあたしが含まれていて、


あたしがそのつながりの一部を構成している。


あたしがいなくなったら、欠けてしまうつながり。


あたしの存在が、そこにある。


大切な、大切な、あたしの世界。


どうかいつまでもなくならないで。