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不動産のリースバックを利用した経営コンサルタント「CRIコンサルタンツ」の業界動向、時事経済ブログ

賃上げしないなら企業の内部留保分に着目

10月22日、衆院選で大勝した安倍首相は、11月1日の特別国会で首相指名を受け第4次安部内閣を発足させます。公約とする「幼児教育の拡充」や「人づくり改革」が政策課題となりますが、経済活性化には欠かせない「賃金上昇」については、連合の来春春闘の要求が3年連続で前年同額2%にとどまるなど、経営側が賃上げに消極的であれば、企業の内部留保に目をつけた対応策を打ち出すという「希望の党」の公約の可能性もあります。

賃上げの環境は産業や企業間でもばらつきがあり、脱デフレに向け、従来型に縛られない交渉が期待されます。

新内閣での政策については、平成32年までの3年間に集中し、年末にかけて具体策が議論されます。

 

中小企業、小規模事業者の7割弱が賃上げを実行

経済産業省は10月23日、「中小企業の雇用状況に関する調査」の結果を発表。今年6月までに中小企業や小規模事業者8,310社の状況について集計されています。

調査によると、正社員1人あたりの平均賃金引き上げについて、今年度は66.1%の企業が「引き上げる」、「引き上げた」と回答。前年度から7.1%増加しました。賃金の引き上げ方法としては、「月例給与の引き上げ」が92.0%とほとんどで、「一時金の増額」が24。9%となりました。

賃金を引き上げた理由として、「人材の引き留め」が49.2%、「業績回復」が34.3%、「他者の賃金を見て」が21,6%となり、「引き上げない」、「引き上げていない」とした企業では、「業績回復が不十分」が72.6%、「賃金より雇用維持を優先」が20.7%、「原材料価格の高騰」が10.1%と企業の業績低迷が賃上げを妨げている状況となっています。

 

約8割の企業の賃上げ率、たった5%未満

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平均賃金の引き上げ率を見ると、1%未満が15.1%、2〜3%が38.2%、5%未満が25.8%と、3%未満の賃上げが過半を超え、5%未満の賃上げが約8割と「賃上げ」の実態が伺えます。お昼ご飯代にもならないほどです。

一方、非正規雇用の賃金引き上げでは、「賃上げした」、「賃上げする予定」と答えた企業は36.5%にとどまりました。各社、非正規社員に対しても意識はあるものの、賃金格差はなかなか埋まらない現状です。

また、社会問題にもなっている人手不足について、66.4%の企業が「人手・人材不足」と答えており、深刻な状況です。

ただ、人手の困る企業がこの1年で採用した正社員は50.2%と半分しか採用していません。非正規雇用では33.3%とさらに低くなります。

 

安倍首相「もっともっと賃上げを、政策的に支援」

安倍首相は10月22日夜のラジオ番組のインタビューで、企業が過去最高の収益を上げていると指摘した上で、「もっともっと賃上げを努力していただけるように政策的にも支援していく」との考えを示しました。

日銀が10月2日発表した短観(全国企業短期経済観測調査)でも、大企業製造業の業況判断指数は10年ぶりの高さ。中小企業の全産業の同指数も26年ぶりの高さとなっており、企業の景況感は改善してきています。企業の好景況感はようやく大企業から中小企業へと裾野が広がりつつあります。

ただ、消費者の節約志向や景気回復の実感がわかないのは、所得の伸びの鈍さであり、企業は景気拡大にリスクを取っても投資し、その利益を従業員に配分することが不可欠となります。

 

[2017.10.26]

大規模文化複合施設を売却、リースバック契約で変わらず営業

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京都府城陽市は10月19日、平成33年度に新名神高速道路の大津・城陽間が全線開通することで、市内の大規模プロジェクトが進んでおり、一時的に財政ニーズが増加するため、同市岡田の大規模文化複合施設「文化パルク城陽」を80億円以上でリース会社などに売却。売却で得られた資金は借入額分を一括償還した上で、市債を発行できない事業などに活用します。

「文化パルク城陽」は売却後もリース会社と「リースバッック契約」し、貸借してこれまでと変わらずに使い続けます。自治体でのリースバック契約は珍しく京都では初の試みとなります。

 

売却資金で建設借入額の残りを償還

文化パルク城陽は、近鉄京都線寺田駅から徒歩約10分と好位置。コンサートなどが行える1,300人収容のプラムホールや大会議場、プラネタリウム、図書館、児童用スペース、宴会も可能なレストランなどが入っています。

文化パルク城陽は、総事業費178億円で平成7年に設立。地上5階地下1階、広さは約2万平方メートルで、建設費に当てられた市債13億円が残っています。この市債を一括償還し、残りをJR奈良線複線化や近鉄寺田駅のバリアフリー化などに27億円、土地購入に23億円を当てる予定です。

 

契約は27年、賃料支払い終了後は市に返還

リースバック契約では、購入価格などの条件を事業者が提案するプロポーザル(企画・提案)方式で売却先を選定し、12月の市議会に関連議案を提出する方針。想定する耐用年数は27年間で、事業者へは賃料として4億〜4.5億円を支払います。

同市は、リースバック契約の条件として、運営管理や施設使用料、職員の待遇が変わらないことを条件に入れ、賃料の支払いが済む27年後に建物は市に返却するというバイバック契約としました。

国土交通省では昨年3月に、地方公共団体などが保有するPRE(Public Real Estate:公的不動産)を民間活用できるよう地方自治体職員向けに手引書を公表。「文化パルク城陽」はまさしく手本となった事例です。

 

国交相、PREを民間で活用促進、手引書作成

国土交通省の手引書では、PREのリースバック契約のほかに貸付や売却など解説されており、手法の検討から選定、契約、運用まで細かくまとめられています。

リースバック契約は、資金の調達に住宅などの不動産に活用されますが、PREや商業施設、航空会社の旅客機にも使われています。

金融庁によると、住居ローンに関して中小企業金融円滑化法によるリスケジュール(条件変更)する申請件数は、平成29年3月末時点で49万3,518件に上っており現在も増加中です。負担なく売却やリースバックなど活用することも1つの選択肢です。

 

[2017.10.25]

個人は住宅ローン、企業は設備投資で資金ニーズ拡大

日銀が10月23日に発表した「10月の主要銀行貸出動向アンケート調査」によると、今年7月〜9月期の個人向け資金需要判断DI(Diffusion Index:指数)はプラス8ポイントと前回調査から6ポイント改善しました。改善は5四半期ぶりで、住宅ローンなどのニーズが拡大したとみられます。

企業向け資金需要判断DIでは、大企業向けでマイナス4ポイントからプラス2ポイントと大きく改善。中小企業向けではプラス7ポイントから8ポイントと微増に終わりましたが2四半期連続で伸びています。企業では、設備投資の拡大や日銀の金融緩和による低金利で資金のニーズが高まりました。

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この先3ケ月は資金ニーズ減少?

今後3ケ月の資金需要見通しDIでは、個人向けがプラス2、企業向けがプラス3と減少傾向です。

資金需要判断DIは、貸出ニーズが「増えた」と答えた金融機関から「減った」と答えた割合を差し引いた値で、日銀が国内の主要銀行50機関を対象に四半期ごとに調査しています。

銀行など金融機関にとっては現在、アパートローンやカードローンなどが貴重な収入源となっていましたが、節税対策としても利用されているアパートローンは、人口減少や少子高齢化、首都圏集中で地方の過疎化が急速に進んでおり、過剰供給気味。銀行カードローンは、過剰な融資によって多重債務者再来の懸念から金融庁が金融機関を調査中。国債も利ざやが減少、日銀に買い取られ、企業は潤沢な内部保留を要因に融資に至っていません。

 

地銀収益2割減少、第二地銀も2割弱収益減少

この状況のなか、全国に64行ある地銀にとってはより深刻な問題となります。地銀の実質業務純益は前期比19.8%減と2割減り、第二地銀においても同16.0%減となっています。アパートローンやカードローンに頼るしか利益を出す手法がなくなったと言えます。

10月22日の衆院選では、想定外の結果となった「希望の党」の公約には、大企業の内部留保は約300兆円。この内部留保を課税対象にし、雇用の創出や設備投資を促すという強烈な発想でした。

設備投資や雇用拡大などに繋げるため、内部保留や余剰キャッシュに課税すると、目的とは全く逆の結果につながる可能性もあり、実証された研究がなければ必要ないと思われます。

 

地銀・第二地銀の最後の融資先?「農林業」

全国の地銀、第二地銀では、新たな融資先に農林業が増えてきています。農林業の担い手が高齢などで減少するなか、異業種からの参入や農林業拡大化など資金ニーズは着実に拡大しています。地銀による農林業への融資残高は今年3月末現在、約5,400億円に達しています。

第二地銀協会の集計では、農林業への融資は平成25年3月以降、毎年100億円超えのペーズで増加しており、昨年3月末時点で累計5,000億円を突破しました。

昨年9月に鹿児島銀行と農林業が共同で法人を設立。銀行から4人が出向し「どうすれば稼げるか意識が高まった」とし、営業力強化に人員を増員。西日本シティ銀行は、6次化産業を推進し今年3月までの融資残高が5年で16倍に拡大しました。他にも宮崎銀行や常陽銀行、七十七銀行、北陸銀行など農林業ローンが拡大しています。

 

[2017.10.24]

昨年の「新設住宅着工戸数」は前年から6.4%増、3年ぶりの高水準

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国土交通省の「平成28年建築着工統計調査」によると、新たな住宅を着工した件数を示す「新設住宅着工戸数」は、前年から6.4%増加し96万4,137戸と、2年連続して増加。平成25年の98万7,254戸以来、3年ぶりの高水準です。

内訳を見ると、「持家」やマンションなど「分譲住宅」は1桁伸びですが、賃貸目的のアパートやマンションの「貸家」は、前年から10.5%と2桁ベースで増加し41万8,543戸でした。「貸家」が40万戸を超えるのは平成20年以来8年ぶりとなりました。

「貸家」の新築着工戸数が伸びた要因には、平成27年1月に施行された相続税の改正が大きく影響しています。

 

相続税法改正が「貸家」建設バブルに

相続税の改正は、非課税枠が5,000万円に相続人1人につき1,000万円がプラスされていましたが、改正後は3,000万円に相続人1人につき600万円となりました。これまで自分は無関係と思っていた方も相続税納税の対象となる可能性もあり、財務省の試算では、課税対象は4%〜6%に上がると試算しています。

また、更地を所有していれば、そのまま放置するよりアパートなどを建てた方が相続税法の評価額が下がり課税対象も少なくて済むというメリットがあります。

この改正によって「貸家」の新築着工戸数が伸び、さらに、日銀のマイナス金利政策で金利は低水準。金融機関からの融資も増加しました。

これまでの日本では、良い循環でお金が回り人々の住居が確保されるという理想な形ですが、現在は少子高齢化、日本にとって毎年人口が減少する中、「貸家」を建てたものの入居してくる人々がいるかが課題となっています。

 

サブリース契約で安心?空室でも賃料は保証の「罠」

この課題を打破するように建設企業では、建てたアパートやマンションを長期に渡って一括で借り上げ、一定期間の賃料を保証する「サブリース」を考案。これも「貸家」が伸びた要因にもなっています。

借り上げ期間は、長いもので30年、賃料は1〜2年ごとに見直し改定するものですが、人口が減少する日本において入居者は減少する傾向があります。結果、約束していた賃料が大幅に減少したり、契約を解除されるなど訴訟に発展するトラブルも少なくありません。

昨年の「貸家」の建設を地区別で見ると、長野県が前年比36.8%増、富山県が同36.7%増、、徳島県が同32.4%増と、人口減少に加え、首都圏に人口が集中する中、地方での「貸家」建設が増加しています。

 

「貸家」新設着工件数、3ケ月連続前年割れ

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国土交通省によると、「貸家」の新設着工戸数は今年6月から8月まで3ケ月連続で前年同月を下回りました。地方では空室が埋まらず、期間を限定し無料で貸し出す物件もあります。金融機関、特に地銀にとっては、貸出先に頭を悩ませていたところにアパート・マンション建設融資が優良先となっていましたが、金融庁の監視強化もあり、融資の流れが変わりつつあります。

金融庁では、アパート・マンション融資は、地銀と顧客の信頼関係を損ないかねないとし、今後も実態を把握していくとの方針です。首都圏ではアパート・マンションニーズは、まだ残りますが、人口減少が加速している地方では、新規供給はもう理にかないません。

 

[2017.10.23]

今年上半期、9年ぶりに倒産が微増

東京商工リサーチが10月10日発表した平成29年度上半期(4月〜9月)の企業倒産件数は、前年同期から0.1%増え、リーマン・ショック以来、9年ぶりに前年を上回りました。数字上では、わずか0.1%増ですが、詳細を見ると深刻な傾向が分かってきます。

地域別で見ると九州・沖縄が前年同期比12.0%減、静岡県は同12.0%減と2桁ペースで倒産は減少しています。一方、東京都は同11.0%増、近畿は13.0%増、中部3県は14.0%増と、都市圏で倒産件数が増加ています。

企業全体では、0.1%増と倒産件数が増えましたが、あくまで平均値であり実際には都市圏で2桁増と倒産が増えましたが、地方圏では2桁減とこれまで通り企業倒産は減少傾向のままです。

 

都市圏の小規模事業者の倒産が増加

倒産の要因としては、飲食業や運輸業、建設業などの倒産が増加しており、件数では従業員5人未満の小規模事業者が多く、要因は人手不足がトップでした。少子高齢化が加速する日本で、人手不足は深刻な問題となっており、景気が良いはずの都市圏で人材確保に人件費が膨らみ、倒産に至る小規模事業者が増えていることになります。

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この深刻な問題を打開する政策を掲げる政党もなく、明日、衆院選が行われようとしています。

東京都内の飲食大手チェーンなどは、求人広告や伝手をたどり人材を確保しやすい環境にありますが、小規模事業者ではそのような体力はなく、人材確保に人件費を上げるしかないのが実情。よって、正社員などは人件費を浮かすため休みなく働き、肉体的・精神的な病となる悪循環ケースが後を絶ちません。

 

リスケ法案終了後も継続措置、異次元金融緩和で倒産回避

安倍政権は、これまでの危機的状況を打破するように中小企業金融円滑化法のリスケジュール(条件変更)終了後も同様の措置を続ける主旨を金融機関などに申請。日銀は、これまでにない異次元金融緩和で市中に資金が流通するよう施策し、これまで企業倒産を回避してきました。

ただ、「カネ」は政策で増減させるコントロールは効きますが、「ヒト」は政策ではコントロールできません。これまで「カネ」が要因となる倒産がほとんどでしたが、今後は「ヒト」が新たな要因、課題となってきています。

東京商工リサーチでは、このことから倒産件数は今後、徐々に増える可能性があると指摘しています。

 

若さ溢れるフィリピン人口、5千万人強が14歳以下

日本の人口分布を見ると、アジア近隣諸国に比べ労働人口(15〜65歳)、年少人口(0〜14歳)が圧倒的に少なく、高齢者層(66歳以上)が多い数値となっており、今後もこの比率改善の余地がありません。

一方、フィリピンなどは、日本同様に人口1億強となりましたが、年少人口は全体の過半を占めるなど若さ溢れる国となっています。

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労働人口も日本より多く、移民政策をとらない日本においてフィリピン人などアジア圏の人々が留学生ビザや労働ビザ(期限あり)で日本で働いているのが実情です。ともに労働に関し厳しい条件があるものの、全て守っていれば商売が成り立たないのは暗黙の了解としか思えません。

近未来の日本の人口激減は間近に迫っており、移民受入など積極的な政党間での議論が必要となります。

 

[2017.10.21]