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CRI時事経済ブログ

不動産のリースバックを利用した経営コンサルタント「CRIコンサルタンツ」の業界動向、時事経済ブログ

訪日外国人の増加が牽引
財務省は6月8日,4月の経常収支が1年前の約6倍に1兆3,264億円と10ケ月連続黒字となったことを発表。経常収支は日本と海外のお金の出入りを示した額。原油安で燃料輸入額が減少し、日本へ来る旅行者が増加し「旅行収支」が過去最大となったことが寄与しました。
4月の訪日外国人は、1年前より43.3%増加し約176万人と過去最高を記録。円安の追い風で旅行者による「旅行収支」が過去最大の黒字となりました。

経常収支とは・・
経常収支は、輸出額から輸入額を差引いた「貿易収支」と海外の日本企業が国内に送金する「所得収支」,日本を訪れた外国人が消費した「サービス収支」,途上国を援助する「経常移転収支」から成り立っています。
日本は高度経済成長期に、安い原材料を輸入し高付加価値の製品を作り上げ輸出する加工貿易が経済を支えていました。経常収支は黒字ながら前年より減少しており,「過去貿易の国」がピンチに陥っているのも実態です。

訪日外国人客、中国3位,韓国23位、日本は33位
一方,「サービス収支」で牽引する訪日外国人の消費は増加するものの、外国人訪問者数の国別順位では日本は33位。隣国の中国の3位,韓国に23位にも差をつけられているのが実態です。日本は平成20年に観光庁を発足させ観光立国を目指しているものの隣国に届かないのが浮き彫りとなります。
日本は世界遺産の登録数は世界13位。決して少なくないものの、外国人がゆっくりリゾートできないという障害も指摘されています。

旅行収支が貿易赤字を補う形に
円安の追い風で旅行者による「旅行収支」は過去最大の黒字となり,貿易赤字を補いました。さらに日本企業が海外の子会社などから得る「知的財産権など使用料」も4月としては過去最大の1,438億円に上りました。
一方,輸出額から輸入額を差引いた「貿易収支」は1,462億円の赤字。ただ、1年前よりも赤字幅は減少しており、輸出は北米向けの自動車やアジア向けの半導体など電子部品が伸びを示しています。

[2015.6.16]
リーマンショック以来の着工戸数
国土交通省は5月29日,4月の新設住宅着工戸数が前年同月比0.4%増の7万5,617戸と2ケ月連続前年を上回ったことを発表。昨年からの消費税増税の変動減が薄らぎ、4月としては平成20年9月のリーマンショック以来2番目に多い着工戸数となりました。

内訳では、分譲住宅が前年同月比7.2%増の2万1,120戸と全体を牽引し首都圏のマンション着工戸数が同2倍強の6,986戸と大幅に伸びました。

国交省「緩やかに持ち直している」
国土交通省では,「住宅着工は消費税増税による駆け込みニーズの反動減が薄れれており、緩やかに持ち直している」との認識を示し、経済対策をなどを踏まえ、今後の動向を注視する必要があるとの意見を述べています。
新設住宅着工戸数は、昨年5月に消費税増税の影響を受け2ケタ減となったものの、ここ数ケ月の持ち直し傾向が続けば、今年5月の着工戸数は大幅な伸びを記録する可能性もあります。

分譲住宅,首都圏マンション,分譲マンションが牽引
内訳では,分譲住宅が2ケ月ぶりに増加し前年同月比7.2%増。首都圏のマンション着工戸数が2倍強の6,986戸と大きく伸びたことが要因となりました。分譲マンションも2ケ月ぶりに同24.4%と全体を牽引。一方,持家は同2.2%減で15ケ月連続。分譲一戸建て住宅も同7.9%減と12ケ月連続減少となりました。
国土交通省では,「消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減の影響が薄れており、緩やかに持ち直している」と分析しています。

着工戸数は90万戸から10年後には62万戸に減少
新設住宅着工戸数は今後、年間90万戸で推移するとすると推測できますが,平成37年には62万戸に減少する見込みです。背景には移動人口の減少が大きく影響しており,平成25年には約1,000万人だった移動人口は、10年後には約790万人まで減少する見通しです。
新設住宅着工戸数の縮小は避けられない一方,住宅・住生活の質向上に向けたリフォーム・中古住宅の活性化が必須となります。

[2015.6.15]
訪日外国人旅行者数,旅行消費額ともに過去最高
国土交通省観光庁が6月9日発表した平成27年版の観光白書によると、昨年の訪日外国人旅行者数と,旅行消費額がともに過去最高を記録。昨年の訪日外国人旅行者数は、前年比29.4%増の1,341万人と2年連続で過去最高を更新しました。

一方,訪日外国人旅行者数の消費額も前年比約4割増の2兆278億円と過去最高。国・地域別では中国が同27.5%増の5,583億円と全体の4分の1を超えるまで拡大しました。

国内宿泊者、減る日本人、増える外国人
昨年の国内の延べ宿泊者数は,前年比1.4%増の4億7,232億円。日本人は1.1%減少したものの、外国人宿泊者数は33.7%増と全体を押し上げました。外国人宿泊者数は,最近3年間で2.4倍に増え,人口減少による日本人宿泊客の伸びを補っていることが浮き彫りになりました。
都市部の宿泊施設では,宿泊客の稼働率が高まり、一部でホテル不足が顕在化。せっかくの外国人ニーズの取り込ににホテル各社は改築や改装などの対応を急いでいます。

ホテル稼働率、東京,大阪で増加
外国人が多く訪れる東京都の稼働率は、平成23年の68.0%から昨年81.5%に上昇。大阪府も68.2%から81.4%と高い水準。全国平均でも過去最高の58.4%を記録しました。
全国で41ホテルを運営するプリンスホテルでは、総宿泊者数が平成25年の470万人から昨年は468万人と減少しているものの、外国人に限ると70万人から80万人へ増加しています。国別では台湾,中国、韓国が上位を占めています。

五輪期間中には訪日外国人客40万人
平成32年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され,大会期間中は20~40万人ほどの観光客が見込まれ、外国人が宿泊する施設の不足が懸念されています。オリンピックは、日本のサービスのレベルの高さをアピールできる絶好の機会であり、リピーターに繋げるためにも対応が急がれます。
安倍政権は、空き部屋を宿泊施設に転用できる「民泊特区」などの施策も掲げるなど、訪日外国人客の増加と東京オリンピックニーズで新たなビジネスが生まれようとしています。

[2015.6.12]
国内設備投資が後押し
内閣府は6月8日,今年1月~3月期のGDP(国内総生産)の改定値が年率換算で3.9%増となり、1年ぶりの高水準となったことを発表。国内設備投資が前期比2.7%増と5月発表の速報値を0.4%上回ったことが主因となりました。

5月に発表した速報値では「4半期ぶりに増加した」でしたが、改定値では「3四半期連続の増加」に上方修正。今年度の設備投資も「前年度比0.5%減」から「0.4%増」に修正されました。

景気低迷,人口減少で設備投信は先送り
日本企業が保有する国内設備の平均年齢は平成7年には10年でしたが、最近では15年を超えています。景気低迷に人口減に伴うニーズの縮小で、国内の設備投資の更新は見送られてきました。ただ、円安基調により企業の業績は回復してきており、競争力の衰えた国内設備の更新に動く企業が増えてきています。
設備投資に踏み切るのは製造業にとどまらず非製造業にもすそ野が広がってきています。

三菱地所、丸の内や名古屋再開発で3,200億円を投資
三菱地所は、訪日外国人の増加をにらみ、東京・丸の内地区やJR名古屋駅前の再開発に前年度比81%増の3,200億円を投資。JR東海も平成39年の開業を目指すリニア中央新幹線の土木工事を本格的に進めます。
一方、セブン&アイホールディングスは、今年10月にコンビニンエンスストアや百貨店、スーパーの実店舗とネット通販を融合するシステムの本格稼働に投資する計画です。

設備投資額は減価償却費を上回る水準
財務省の法人企業統計によると、設備投資額は減価償却費を上回る水準で推移。景気低迷期に設備投資を抑えた企業が増えたものの、こうした縮み志向は脱しつつあるとしています。ただ、設備投資の回復が景気を牽引するような力となるかは微妙。先行指標となる4月~6月期の機械受注見通しは前期比7.4%減でした。国内で大規模な設備投資が行われるか迷う企業が残る局面と言えそうです。

[2015.6.11]
出光が特許を韓国のLGに供与
ポスト液晶パネルと期待されている有機EL(Electro luminescence)に石油元売りの出光興産と韓国のLGディスプレーが手を組むことになりました。出光興産が持つパネル製造関連の特許をLGに供与し、LGがテレビ向けの大型パネル生産などに活用するといいます。
液晶の次は有機ELの時代が来るとこれまでいわれていましたが,コスト高などの問題から日本の家電メーカーは劣勢を余儀なくされています。

液晶より薄く,折り曲げも加工なEL
有機ELは、電圧をかけると発光する有機物でできた電子材料。液晶が画面の背後に光源が必要なのに対して,有機ELは材料そのものが発光するため、液晶パネルより薄く折り曲げたりすることも可能です。画質が高く、消費電力も少ないことから今後は、テレビ向けの大型パネルの材料として注目されています。
出光興産は、昭和40年代頃より多角化の一環として本業の石油事業以外の分野で有機ELの基礎研究を展開。昭和60年には有機ELの発光材料の開発をスタートさせました。

石油ニーズは平成11年をピークに減少傾向
出光興産が石油事業以外にも力を入れる背景には,石油ニーズの減少があります。省エネや低燃費車などの普及で石油製品の国内ニーズは,平成11年度をピークに減少傾向をたどり、24年度には2割少ない1億9,752万klまで減少しました。政府の試算では、30年度にはさらに1割程度減少するとの見込みを示しました。
石油ニーズ減少を見据え、石油元売り2位の出光興産は5位の昭和シェル石油を買収する方針で、そのためにも収益力の底上げが欠かせないとしています。

なぜ韓国のLGと提携?
では、なぜ出光興産は日本の電機メーカーでなく韓国のLGを選んだのか。LGは平成25年に世界で初めて大型の有機ELテレビを発売。有機EL市場を積極的にリードしてきました。これに対して日本の家電メーカーは有機ELには価格が高くなるなど距離をおきました。
有機ELの将来は,テレビ用パネルなどの普及にかかっています。出光興産はLGと組んで普及を後押しする方針ですが、市場が広がなければ提携解消などこれからの動向が注視されます。

[2015.6.10]