CRI時事経済ブログ -186ページ目

CRI時事経済ブログ

不動産のリースバックを利用した経営コンサルタント「CRIコンサルタンツ」の業界動向、時事経済ブログ

個人投資家の投資が定着、1兆超え
 NISA(ニーサ)という言葉は、みなさんご存じだと思います。2014年1月からスタートした「少額投資非課税制度」(英語名:Nippon Individual Savings Account)のことです。
このNISAを使った個人投資家の投資が定着し、2015年1月から6月に購入された株式や投資信託の合計額が、主要証券会社10社分だけで、1兆円を超えました。前年同期より4割も増えています。

NISAの口座数は前年6月から約80万増
 制度について、少し説明します。
年間100万円の投資額を上限に、個人投資家が株式や投資信託から得た売買益や配当金について、20.315%の税金が非課税となります。100万円で購入した銘柄が、1.5倍の150万円に値上がりしたとしましょう。通常なら、利益の50万円から税金分の101,575円が引かれるため、手元に残るのは398,425円となります。しかし、NISAの口座を使った取引なら、50万円がそのまま手元に残るのです。
非課税の期間は最長で5年間。専用口座の開設が必要ですが、国内在住の20歳以上なら1人1口座に限り、誰でも利用できます。2023年までに開設された口座が対象です。
NISAの6月末時点の口座数は444万と、前年同期から約80万も増えました。口座を開設した人の52%、計231万人が実際に投資をしています。今年上半期に投資をした個人投資家は157万にのぼり、昨年よりも53万人増でした。金融庁は、NISAを使った個人投資家は、昨年1年で約3459億円の利益を得たと推計しています。成功体験を得た個人が、株式相場の上昇などを追い風に、投資に積極的なのでしょう。

「上限100万円」をいかにうまく使うか
NISAは資産運用を応援する制度ですが、投資は当然ながら、儲かるケースばかりではありません。要は、100万円という枠をいかにうまく使うか。1つの銘柄に集中投資してしまうと、株価が下落した際の損失が膨らむため、投資金額の低い銘柄に分散投資することも1つの方法です。リスクについては、NISAを扱う証券会社や銀行で、納得いくまで説明を受けてください。

[2015.7.28]
有効利用にこそ役割があるのでは?
全国どこを歩いても、放置された「空き家」を見かけます。この「空き家」を巡り、倒壊の危険性や、景観を著しく損ねる可能性があるなど問題物件の撤去や活用を進める「空家対策特別措置法」が5月、全面施行されました。
自治体は、空き家や店舗の所有者に解体を勧告し、撤去などの強制措置を講じることができますが、「空き家」の権利関係は複雑で、すでに混乱も起きています。壊すばかりでなく、有効利用にこそ、超高齢社会の大きな役割があると、私は思います。

高松市の撤去対象空き家の撤去費用は約30億円!
自治体による「空き家」データベースづくりは、なかなか大変です。奈良市は、今月末から測量会社に約400万円で委託。大阪府松原市も今年度、調査費に680万円の予算を計上。和歌山市も1000万円の予算を確保し、8月から調査に入ります。
居住実体の有無は現地で確認するしかなく、「危険」があるかどうかの判断には、やはり専門家の評価が必要でしょう。高松市によると、撤去対象になる「特定空き家」に当たるのは935戸。撤去費用は1戸あたり300万~400万円で、計約30億円かかります。所有者からの費用回収がスムーズに行えるとは到底、思えず、多額の公費負担が市民に回る可能性があります。

20年後、その数は2.6倍に急増
総務省の2013年の調査によると、全国の「空き家」は、約820万戸。このうち、別荘や賃貸などを除くものが、約318万戸で、03年の約212万戸から1.5倍に増えています。
野村総合研究所は先月、十分な「空き家」対策が行われなかった場合、2033年の「空き家」数は13年比約2.6倍の約2150万戸に急増するとの予測を発表しました。
さて、人口減社会が進み、新設住宅着工戸数の減少が明かになる中、今後、急増するのは、「空き家」だけではありません。高齢世代、高齢独居世帯しかり。働き場、住む場所がないニートしかり。政府は、中古住宅の流通市場を整備するだけでなく、人が地域で暮らすというイメージを具体化させ、社会的弱者救済の新たな役割も「空き家」に担わせてほしいものです。そこには、新しいビジネスチャンスの芽があります。

[2015.7.24]
ゲームを愛し、愛された天才
任天堂社長の岩田聡(いわた・さとる)さんが、7月11日、胆管腫瘍のため逝去されました。55歳。ゲームを愛した、若き、異能の経営者でした。
2000年に取締役として同社に入社。42歳で社長に就くと、「ゲーム人口の拡大」を掲げ、タッチペン操作の携帯型ゲーム機『ニンテンドーDS』(04年)、や体感型のコントローラーが特徴の据え置き型ゲーム機『Wii(ウィー)』(06年)などを、世界中で累計1億台以上売りました。各界の関係者、ファンからの惜しむ声が伝わっています。

万感の思いのこもった「ありがとう」
「Thank you for everything, Mr. Iwata.」。
長年ゲーム業界のトップを目指して任天堂とせめぎあってきたソニー・コンピュータエンタテインメントは、『プイステーション』のツイッター公式アカウントを通じて、短く、簡潔な、万感の思いを込めたメッセージを贈りました。
「ゲームを愛し、市場を牽引してこられたリーダーシップに敬意を表し、ご冥福を心よりお祈りする」(『プレイステーション』の生みの親で、ソニー・コンピュータエンタテインメントの久多良木健・元社長)
「開発者出身ながら、経営面でも能力を発揮され、異質の経営者だった」(ゲームソフト大手『カプコン』の辻本憲三会長)
「ほんとうは、まだ、なんにも信じてないんだけどね。ひょいっとメールがきて、食事の約束とかしそうな気がしている」(岩田社長と親交があったコピーライターの糸井重里さんが、ウェブサイトで)

新戦略推進中の途上で
 追悼の声は、国内外のツイッター利用者やフェイスブック利用者の間でも、文字通り溢れかえっています。「55歳は若過ぎる。素晴しいゲームを作ってくれたことに感謝の気持ちしかない」「岩田社長、私の子供も任天堂のゲームのファンでした」「私は今45歳だけど任天堂のゲームは90年代からずっとこよなく愛してきました」......。
近年は業績が伸び悩んでいました。14年1月、「人々のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を楽しく向上させる」と宣言し、新戦略を推進中の、途上の死。心からお悔やみ申し上げます。

[2015.7.23]
初の、海水を使った完全養殖プロジェクト発動
 ウナギに続き、近畿大学が主導するクロマグロの「完全養殖」も、規模の大型化に勢いが出てきました。これまで近大は、太平洋側の和歌山県と、鹿児島・奄美大島の生け簀を使ってきましたが、今月、富山県の同大水産研究所にも広げると発表したのです。日本海の海水を使った水槽で行うのは初めて。将来の日本、世界の食卓風景を左右しかねないこの「完全養殖」プロジェクトに、企業や漁業関係者ら国内外の注目が集まっています。

成功すれば大きなチャンス!
 近大が、世界で初めてマグロの「完全養殖」に成功したのは、2002年。「完全養殖」とは、マグロの成魚を産卵させ、卵を採取し、その卵から育てた稚魚が成魚になり、また産卵し、それがふ化するまでのプロセス――をいいます。円を頭に描き、「循環」をイメージしてください。あくまで、人工的な生け簀の中だけで、親から子へのプロセスが連続するのです。
これは容易に開発できる技術ではありません。成功すればビックビジネスにつながるチャンスで、豊田通商も、クロマグロの卵から稚魚までを育てる「人工種苗事業」に出資しています。けれど難問が山積み。たとえば、体長5センチほどで、感覚が極めて繊細な稚魚は、中間育成養殖場までの移動の際、半分近くが死んでしまいます。揺れや光でパニックになったり、水槽に激突したりするのです。事業は、計算通りには進まず、黒字化は少し先になりそうです。

完全養殖は科学技術外交のモデル
しかし、成功の暁に得られるものは、大きいでしょう。日本は全世界のマグロ類の約25%を消費しています。欧米やアジアでもマグロブームが起きていることは、みなさんご承知の通りで、今後は、「日本だけ優先」とはいきません、消費分の一部を完全養殖で賄い、さらには、その優れた技術を輸出して、世界中でビジネス展開する。政府が力を入れる「科学技術外交」のモデルの1つといえるでしょう。そんな理想へ向かっての取り組みが、日本海側でも着々と進む、という話題なのです。

[2015.7.22]
「再開発のため」は免罪符ではない
 日本屈指の超一等地、大阪・ミナミ。その中心地、南海難波駅前にある「旧市立精華小学校跡地」(約4200平方メートル)について、大阪市が民間に土地を売却し、"鳴り物入り"で進めてきたはずだった「再開発計画」が頓挫しています。さらに、隣接地(約72平方メートル)で、「地上げ」が絡んだもめ事まで起きていると、産経新聞が報じました。少し、意見を述べます。
「地上げ」は、正当な経済行為であり、地上げ=悪ではありません。けれど、今回のように、手数料等を巡るトラブルが泥沼化し、本体の再開発計画まで巻き込むようなら、市民の信頼を裏切る結果になります。お金は、市民や国のために使われて初めて生かされます。今回の件では、関連業者も、指導する立場にある橋下徹大阪市長も、責任を厳しく問われるべきです。

大阪市も「活性化の起爆剤になり得る」と決定
 旧大阪市立精華小学校は、児童減少のため、1995年3月に閉校しました。地上4階・地下1階建ての校舎は、昭和初期の鉄筋コンクリート造り。学校教育史や建築史の観点からも注目されました。戦時中の空襲でも焼け残りました。95年の閉校後も、市民に活用され、愛されてきました。

市は、2012年12月、「本物件の再開発が、なんばエリア全体の活性化の起爆剤になり得る。市としても大きな期待を寄せている」と、敷地の売却方針を決め、13年に民間の不動産会社A社に売却しました。ホテル、物販業、飲食業などで構成する商業施設として16年度にオープンさせる計画で、売却額は、入札予定価格 約25億円を大きく上廻る約35億9000万円でした。

報道によると、「地上げ」では、跡地の隣接土地を1つにまとめ、売却業者に転売しようと、別の業者2社が暗躍しています。「26億円で買い取り、(別業者に)32億円で転売」予定で、その土地を、さらにA社に転売するつもりでした。しかし、A社の資金繰りも悪化し、地上げ業者の方もこじれ、再開発自体が頓挫中、としています。

[2015.7.20]