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不動産のリースバックを利用した経営コンサルタント「CRIコンサルタンツ」の業界動向、時事経済ブログ

倒産件数、25年ぶりの低水準
東京商工リサーチによると、平成27年8月の企業倒産件数は632件と、8月としては平成2年の514件以来,25年ぶりに700件を下回る低水準となりました。前年同月も5ケ月連続下回っています。

平成27年8月の負債総額では、978億9,600万円と前年同月から27.8%減少。4ケ月連続前年同月を下回っています。規模別では、負債1億円未満の構成比が71.2%と全体の7割を占め,小規模企業の倒産が大半を占める結果となっています。

倒産減少:リスケ・大企業の景気回復効果
金融機関では、金融庁の指導のもと中小企業のリスケジュール(条件変更)に柔軟に応じていることにより、大手輸出企業を中心とした業務拡大に牽引される形で景気が底上げされたことが倒産件数減少に影響しました。
安倍政権の最重要成長戦略である地方創生において、地方の倒産状況が注視されますが、平成27年8月は、全国9地区のうち近畿と九州を除く7地区で倒産件数が前年同月を下回りました。

金融円滑化法終了後もリスケ申請は増加
一方、中小企業金融円滑化法によるリスケジュールは、同法が2度の延長を繰り返し平成25年3月31日に終了しました。ただ、金融機関の柔軟な対応により現在も中小企業によるリスケジュール申請数は増加傾向に歯止めがかかっていません。

金融庁によると、平成27年3月31日現在、中小企業による金融機関へのリスケジュール申請数は660万6,401件と法案終了後も着実に増加しているのが実態です。

リスケなければ5割の中小が倒産
リスケジュールを受けた中小企業では、この措置が企業の存続に不可欠であったと評価も高く、仮に1回でもリスケジュールが認められなければ「資金繰りに窮して倒産、廃業していた」とする企業が53%を占めました。
倒産件数は、過去最低水準を記録する一方,中小企業金融円滑化法終了後も企業による金融機関へのリスケジュール申請数は増加しているのが実態です。
「大企業の恩恵が中小企業にも」と訴えるアベノミクスですが、実態は中小企業の倒産の先送り。次なる中小企業向けの経済政策が注視されます。

[2015.10.26]
「一身二生の生き方を目指す」
あの甲高い声、畳みかけるようなセールストークに、消費者は引き込まれました。テレビの通信販売大手「ジャパネットたかた」(長崎県佐世保市)の高田明社長が退任し、長男の旭人(あきと)副社長がトップを引き継ぎます。66歳での若い引退。新社長は若干35歳です。鮮やかな決断をした高田氏は、すべての役職を離れ「一身二生の生き方を目指す」と語りました。
高田氏は1948年、長崎県平戸市生まれ。大阪の大学を卒業後、家業のカメラ店を発展させ、86年に同社を設立しました。94年にテレビ通販へ参入します。佐世保市内に、自社専用の本格テレビスタジオを完備し、番組もすべて自社スタッフで制作、自ら番組に出演しました。カタログ通販、インターネット通販などメディアを駆使したネットワークを築き、売上高は1423億円(2013年12月期)に上っています。従業員は300人以上います。

不安はゼロではないが、期待のほうがはるかに大きい
 引退会見をした高田氏の言葉が、印象的です。
「(社長を務めた)29年間はあっという間だった感じもする。お客さまの目線に立つことの大事さを日々感じてきた」「任せる側が覚悟を決めなければ、任されたほうも覚悟できない。だから、まず私が覚悟を決め、新体制を信じて100%任せた。不安はゼロでないが、期待のほうがはるかに大きい」「若いメンバーが自分たちで考え、議論する姿を見て、もう私がいなくてもいいと決断した」「これからは少し離れたところから行く末を見守ろうと思う」

 同族経営の企業におけるトップ交代は難しく、御家騒動に発展するケースも珍しくはありません。愚直に顧客の満足度を追求し、社員への伝え方の極意の伝授も惜しまず、長男を「世襲」と批判を受けない人材に育てた自覚があるからこそ、この決断ができたのでしょう。若い力が、顧客の最新のニーズに応える商品やサービスを提供してくれることを期待します。

[2015.10.23]
自由で個性的な表現はまさにアート
「アール・ブリュット」もしくは「アウトサイダー・アート」という言葉を、ご存知でしょうか? 日本語にすると「障碍者アート」です。見ていただければ分かるのですが、既成概念にとらわれない、自由で個性的な表現はまさに「アート」で、欧米では1940年代から高く評価されています。そのアール・ブリュットを図案化し、商品のデザインに取り入れる動きが、全国で静かに広がっています。「商機につなげたい」と、呼応する企業も相次いでいます。

日本では、障碍者の創作活動が、施設や作業所の中のレクリエーションと見られてきました。あくまで福祉の一環だったのです。90年代からその芸術性に注目する気運が生まれ、作品を商業ベースに乗せられる人が、わずかですが出てきました。近年、一般にもその魅力が理解され、「作品を購入したい」「デザインの素材に使いたい」などの声が聞かれるようになりました。

商機を見据え、来年には制作・流通拠点がオープン
 最新の動きとして注目されるのが、芸術活動を通じた障碍者支援を進めている「たんぽぽの家」が、来春、奈良県香芝市でオープンさせる作品の制作・流通拠点「Good Job!センター」です。前身は、2007年、東京や福岡のNPOと一緒に設立した「エイブルアート・カンパニー」。このカンパニーが、アール・ブリュットの2次使用を促してきました。現在、94人の9051作品が登録され、文具や服飾雑貨に使われています。何とも斬新な色彩の靴下、ソファ、ワンピースなど、ため息が出るほどの出来栄えです。著作権使用料は、商品の本体価格に生産数をかけ合わせた金額の5%といいます。作者にも大きな励みです。

世界が「ユニバーサル社会」を目指しています。障碍者や高齢者にとって生きやすい社会や環境は、健常者にとってもよいものだ、という理念の社会をいいます。障碍者から教わることは、とても多い。そのデザイン性、アート性だけでなく、彼らの人間性にも着目したビジネスが、もっともっと広がればいいですね。

[2015.10.22]
"爆買い"のイメージと異なる本国での現実
9月に訪米した中国の習近平(シージンピン)国家主席が、ボーイング機300機を計約380億ドル(約4兆5663億円)で購入すると発表するなど、経済力のアピールが続く中国。しかし、実体経済が深刻なことを、この数か月に公表された一連の統計が示しています。今夏の株価暴落や、人民元切り下げ以上に悪い事態も起こり得ることを、忘れずにいましょう。

 中国自動車工業協会が8月に公表したデータによると、7月の全国の自動車生産台数は151.8万台で、前年同期比で約11%減、前月比では約18%減でした。自動車の販売台数は、前年同期比で約7%減、前月比では約17%減。中国全体で個人消費が急速に冷え込み、売れないから、生産もできないのです。中国人観光客の"爆買い"の姿からはにわかにイメージできませんが、これが現実です。米調査会社による今年4~6月期のスマートフォン販売台数も、前年同期比で約4%減少となり、四半期ベースで初めて前年を下回りました。

世界が中国経済を見極めようとしている
また、国家統計局の9月の発表では、今年上半期、ビール消費量が前年同期比で約6%減となりました。この20年で初のマイナスです。消費の低迷で、製造業が衰え、それに伴って金融業や不動産業も連鎖的に悪化しています。不良債権の増大で、大銀行でも賃下げが始まりました。英国の調査会社が8月に出した景気指数も、中国の「不況」を裏付けるものでした。

先の訪米時、習国家主席の発言は、終始、強気でした。「中国の改革の方向が変わることはあり得ない」「株式市場は一時期、異常な変動が出現したが、すでに修復、調節段階に入った」「人民元で、切り下げを続ける根拠はない」「中国は開放の門戸を永遠に閉じることはない」......。中国経済に不安がないことを強調し、米国からの投資を呼び込むという狙いは一定程度、成功したようです。しかし、この強気がいつまで国際社会に受け入れられるか。各国は今、中国経済を冷静に見極めようとしています。

[2015.10.21]
女性管理職の割合は、米国43.4%、日本は6.4%
 多くの女性に社会で活躍してもらう政府の施策が、動き出しました。今年8月に成立した「女性活躍推進法」の基本方針が決まり、10月中にも計画策定に向けたガイドラインが示されます。まずは大手企業が対象で、日本の企業の9割以上を占める中小企業には「努力義務」とされます。実現に向けた課題は多々ありますが、ますは内容を整理しておきましょう。

 政府は、育児や介護などのため、働きたくても働けない約300万人の就業実現を目指しています。今回の推進法もその一環で、国や地方自治体、従業員が301人以上の企業に対し、管理職で女性が占める割合など活用の現状を把握・分析し、数値目標を含めた改善計画を公表するよう求めました。ちなみに、日本の女性管理職の割合は平均6.4%(労働政策研究・研修機構の試算)で、米国の43.4%、フランスの36.1%など比べ、低水準です。


中小企業の「現実」をどう変えていくかは難しい課題
 基本方針では、改革の視点を明示しました。「経営者や管理職の意識改革」「長時間労働を前提としない職場づくり」「育児や介護をしながらでもキャリアを形成できる仕組みの構築」などです。「テレワーク」など自宅勤務も勧めています。一方、行政側の役割としては、「改革を実現させる環境整備」「配偶者控除など、税制や社会保障制度の早期見直し」「長時間労働の是正や女性の登用に積極的な企業の認定・優遇制度づくり」を求めました。

しかし、企業の規模が小さいほど、コストや職場の運営で仕事と家庭の両立の支援が難しく、離職率も大企業より高い中小企業の「現実」を、どう変えていくかは、難しい課題です。「取引先の理解を得て残業を廃止したところ、就業中に商談が成立し、生産性があがった」「効率がアップした」など、身近な成功事例を参考に、まずは自助努力から始めていくしかなさそうです。

[2015.10.20]