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不動産のリースバックを利用した経営コンサルタント「CRIコンサルタンツ」の業界動向、時事経済ブログ

110万室以上! 世界最大のチェーンが誕生
米ホテル大手「マリオット・インターナショナル」が、同業の「スターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイド」を買収しました。買収総額は122億ドル(1兆5千億円)。ホテル数5500、約110万室以上を運営する、世界最大のホテルチェーンが誕生します。2020年の東京五輪に向け、高級ホテルやビジネスホテルの開発計画が相次ぐ日本にも、影響があるでしょう。

 客室数が110万室。これは日本全体の客室数よりも多い数で、二位の「米ヒルトン・ワールドワイド」を大きく引き離します。ホテル業界では、大手のブランド力や巨大な会員組織、効率的な情報システムが"勝ち組"の条件とされ、マリオットは一気に優位に立ちます。そして、このフランチャイズチェーン(FC)戦略こそ、実は、日本の大手ホテルが弱い部分です。

日本人ならではの「おもてなし」で自己改革を
近年、日本への外国人観光客は増加の一途です。東京、京都など名所だけでなく、北海道など豊かな自然目当てで訪日する人も増えました。日本のホテルに独自性を発揮してほしいところですが、すでに外資の進行が始まっています。10月には、東京・お台場の「ホテル日航東京」が米ヒルトン・ワールドワイドの運営に変わりました。11月には、マリオットが、大阪市に「コートヤード・バイ・マリオット新大阪ステーション」を開業。北海道のホテルも、スターウッドのブランドに転換しました。特にマリオットの攻勢が今後も勢いづくはずです。

[2015.12.14]
中国のユネスコ政治利用
国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に、中国が申請した「南京大虐殺の文書」が登録された問題で、ユネスコが手続きの見直しに着手します。馳文部科学相の抗議を受けての決定です。中国の主張に、国際機関が「お墨付き」を与える、とんでもない事態でした。

世界記憶遺産は、1992年に創設されたユネスコの事業で、歴史的に価値の高い文書などの保存や活用が目的です。これまでに301件が登録されました。遺跡や自然を対象とする「世界遺産」の登録では、関係国政府の意見表明が可能ですが、「記憶遺産」は事実上、ユネスコ内部の議論で決まります。ここに、公正中立な登録手続きが実現されない原因がある。決定直後の記者会見で、菅官房長官は「中国がユネスコを政治利用し、過去の一時期の『負の遺産』をいたずらに強調しようとするのは極めて遺憾」と批判しましたが、その通りです。

日本の支払った分担金は37億円!
「南京大虐殺の文書」には、南京軍事法廷が戦後、日本人の戦犯を裁いた判決書などが含まれ、犠牲者数を「30万人以上」としています。これに対し、日本では、当時の人口動態などから、「20万人を上限に、4万人、2万人など様々な推計がある」とする立場です。決着がつかない歴史的問題に対し、国連機関が安易に"判定"を下すべきではありません。

日本は2014年、ユネスコに対し、分担金37億円を支出しました。分担金の支払いを停止している米国を除くと、世界最大の支出国です。だからこそ、厳密で透明性が高い評価を行い、世界の貴重な遺産が正しく残るシステムづくりに、積極的にかかわってほしいと思います。

[2015.12.11]
数の増加にサービスの質が追いつかなくては
日本を訪れる外国人旅行客が急増していることは、このブログで何度かふれました。最近は、飲食や宿泊業界だけでなくタクシー業界などでも、彼らへのサービスとして、ITや英語の研修をする企業が目立ちます。「おもてなし」文化を誰もが体現する、新たな接客文化が育ちそうです。

 訪日外国人旅行者は9月、1448万人を超えました。昨年を上回り、過去最高を毎年、更新中です。次に問われるのは、サービスの「質」。たとえば、飲食店や宿泊先の紹介サイトは、外国人向けの英語版を用意したり、英国やオーストラリア、シンガポールなどで広告を始めたりと顧客獲得に熱心ですが、旅行客と実際に対面した人のサービスがよくなければ、旅行者の熱も冷めしてしまいます。情報の普及とともに、現場の人材育成が課題になってきました。

訪日客2000万人が視野に入った
 飲食店紹介サイト「ぐるなび」は近く、アプリなどをうまく使い、「もつ焼き」や「焼酎の緑茶割り」などの定番メニューについて、英語などの外国語に自動的に訳せる方法を教える講座を開きます。タクシー大手の「日本交通」は今春年から、乗務員の点呼の時に英語の練習を始めました。月6回、乗務員向けに英会話講習を開くほか、空き時間に英会話を練習できるアプリを配りました。「Can I close the door?(ドアを閉めてもいいですか?)」。このくらいできないと、これからは通用しないという判断です。

 安倍内閣の目標は、2020年までに訪日客を2000万人に増やすことでした。その実現が視野に入り、11月には、関係閣僚や観光分野の民間人らを集めた官民会議で、訪日観光客の消費額を伸ばすための新戦略を年度内にまとめる方針を決めました。民間人1人1人の力が期待される時代になりました。

[2015.12.7]
知名度をアップさせるPR分野で若いセンスが光る
 日本産のワインが世界的に知名度をあげています。ワイナリーの若い経営者たちが、良質のブドウづくりに意気込んでおり、「安いけど、旨くない」は、もう過去の評価です。PR分野にも若いセンスと手法が生かされ、活気があります。「ワインツーリズムやまなし」を紹介します。

 2008年以来、毎年11月、山梨県で開かれるイベントです。甲州市、笛吹市、山梨市、甲府市で開催されてきましたが、今年から甲斐市も加わりました。ワイナリーを結ぶ臨時バスが2日間、5000円で乗り放題で、試飲用ワイングラスもついてきます。参加者は自分たちでスケジュールを決め、各地域のぶどう畑を歩いて体感しながら、ワインの試飲三昧で過ごす。その楽しさがうけて、今年の参加者は2000人を超え、開始当初の2倍になりました。

ファンを増やして清算誘発効果は30億円!
 この企画の総合プロデューサーは、甲府市内で飲食店を経営していた大木貴之さん。安いおみやげとして販売され、地元の人は口にしなかった甲州ワインを、「地域再生」につなげられないか、と考えました。地域にマーケットをつくりたい。全国から人を呼び、交流人口を増やしたい。ますは案内冊子をつくり、特集ページをつくる雑誌やメディアへの売り込みを行い、たどり着いたのが体験型イベントです。「ファンをつくるための接点づくり」が成功しました。

 「ワインツーリズムやまなし」への参加者は、東京、神奈川、千葉、埼玉からが半分くらい。年齢層は30歳代、40歳代で6割強です。2日間、甲府や石和温泉などに宿泊し、ゆっくり楽しみながら、お金も落としてもらう。コミュニケーションの成功により、総合的な生産誘発効果は、年間30億円を超えるまでに成長しました。拍手を送ります。

[2015.12.4]
統合で地銀グループ第3位に躍進
金融機関再編の動きが「地方銀行」でも活発化しています。栃木県を地盤とする「足利銀行」を傘下に持つ「足利ホールディングス(HD)」(本社・宇都宮市)と、茨城県が拠点の「常陽銀行」(本店・水戸市)が、2016年10月に経営統合することで合意しました。連結総資産は計約15兆円で、地銀グループで第3位に躍り出ます。再編加速の呼び水になるでしょう。

 新銀行は、「足利HD」傘下に両行が置かれる形をとります。社長は常陽銀から、副社長は足利銀から出し、拠点は東京に置く見込み。新銀行名はこれからです。地銀間の競争が激化するなか、隣接する栃木、茨木の2行が経営統合することにより、事務部門の統合などのコスト削減と、2県のほか、隣接する埼玉や群馬、東京、千葉など首都圏に広がる計331の店舗ネットワークをいかした貸し出し増を行う両面作戦です。2行とも県内ではトップ銀行です。

群馬銀行の合流なるか?
 この動きは、周辺地銀を刺激します。まず考えられるのは、群馬県のトップ行である「群馬銀行」の合流。これにより、地域性をふまえつつ、都銀に負けない融資ができる経済圏が広がります。そうなると、茨城、栃木、群馬県の2番手地銀である「筑波銀行」「栃木銀行」「東和銀行」の3行も動かざるを得ない。この3行は14年12月、「地域経済活性化に関する広域連携協定」を締結し、取引先の相互交流を活発化させていますが、さらに先を目指すでしょう。

 景気回復がなかなか地方に波及しないものの、安倍政権の方針もあり、これから地方重視の時代です。地方の活性化のため、地銀グループと地元企業が「広域」の意識を共有し、知恵を出し合う。再編は、あるべき姿への前向きな動きと言えるでしょう。

[2015.12.3]