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不動産のリースバックを利用した経営コンサルタント「CRIコンサルタンツ」の業界動向、時事経済ブログ

子育て女性はかけがえのない戦力
 「一億総活躍社会」が喧伝され、待機児童対策も少しずつ進んではいますが、「子育て女性」の働き方を巡る課題は依然、山積みです。その現実を知るのは、彼女たちをかけがえのない戦力として考えているベンチャー企業。2つの試みから、共有すべき発想のヒントを探ってみましょう。

 ギフト関連会社「ソウ・エクスペリエンス」(東京都目黒区)は、3歳以下の子どもを会社に連れたまま勤務できる「子連れ勤務」を採用。企業が設けた託児所に子どもを預けるのではなく、母親が仕事をする机のすぐ横の遊びスペースで、お絵かきをしたりお菓子を食べたりするのです。人材不足のベンチャー企業ならではの試みですが、職場の雰囲気も向上したとか。子育て女性の採用を念頭に、「残業禁止」をルール化する企業も増えています。

優秀な人材確保のために採用者も発想の転換を
 彼女たちを「戦力」としてとらえる人材斡旋企業も、実績を伸ばしています。主婦や若者の就職に力を注ぐ求人情報サイト「しゅふJOBサーチ」。昨年後半の利用状況は、求職の応募で3年前の7.7倍、求人は13.5倍に急伸しました。「求人増」の背景にあるのが、「週3日、10~16時勤務」「週2日・9~17時勤務」など、互いのニーズのマッチングです。求人企業に対し、あえてフルタイム勤務の変更を求め、人気を呼びました。終業時間から仕事を検索できる機能を加えるなど、子育て女性の目線に立ったサイトも好評です。

子育てを優先できる範囲で働きたい。いったん仕事はやめたが、優秀で、技術力も経験もある。そうした人材を確保したいなら、採用側が自ら「発想」を変えること。そのシンプルな変化が必要です。

[2016.3.25]
首都圏新規発売戸数の峠は越えた?
「不動産経済研究所」(東京・新宿)が、今年2月のマンション市場動向調査を発表しました。都市圏の販売は改善の兆しがあるものの、まだ低調。価格帯では、一時代を築いた低価格帯が振るわず、販売平均価格も上昇傾向です。改善に向けた、もう一歩のはずみがつきません。

同研究所によると、首都圏の新規発売戸数は3か月連続の減少で、前年同月に比べ13.9%減の2237戸でした。実際に売れた戸数の割合を示す「月間契約率」は72.9%で、前年同月よりは下がったものの、マンション販売の「好不調の目安」とされる「70%」は上回りました。3月の発売戸数は4500戸(前年同月は4457戸)と見込まれます。峠は越えた、という感じでしょうか。1戸当たりの平均価格は、1.4%増の5773万円で、こちらは9か月連続の上昇です。


適切な販売価格帯はどこか
近畿圏の発売戸数は、同じく前年同月比13.9%減の1640戸。月間契約率は4.9ポイント上昇し、72.0%でした。3月の発売戸数を1900戸程度(前年同月は2019戸)と見込まれています。

消費者の心理でいえば、景気の先行きに不安があります。こうしたなか、このまま販売価格が上がり続けると、低所得層の買い控えに加え、中間所得層まで離れる恐れが出てきます。2020年の東京五輪・パラリンピックの影響や、首都圏の一等地への海外から殺到する投資など、地価がまだ上がりそう。適切な販売価格帯をどこに見出すかが、業績の差になって表れそうです。

[2016.3.24]
日産だけが満額回答
 国会の場で、財界との会議の場で、安倍晋三首相は大手企業に「賃上げ」を求め続けてきました。政権主導で賃上げを進める「官製春闘」との言葉も、社会に定着しました。さて、このほど妥結した2016年の春闘ですが、首相のかけ声にもかかわらず、過去2年に比べれば小幅なベースアップにとどまり、精彩を欠きました。企業経営者の慎重さが際立ちました。

 分かりやすい結果なので、2つの業界で見てみましょう。自動車では、トヨタが3000円を要求し、回答が1500円。ホンダは3000円で、1100円。マツダは3000円で、1200円。三菱自動車は3000円で、1100円。スズキは3000円で、1200円。タイハツは3000円で、1500円。富士重工業は3000円で、1300円。唯一、日産だけが、3000円の要求に対し3000円の満額回答でした。電機は、日立が3000円要求し、1500円。パナソニックが3000円で、1500円。三菱電機が3000円で1500円。不正経理問題以降、大揺れの東芝は要求を出しませんでした。

苦しいなかにも日本の「底力」は感じられる
 自動車の雄・トヨタ自動車も、電機の雄・日立製作所も、「半減」です。労働者の立場もわかりますが、経営者もさすがに厳しいのでしょう。中国を中心とする新興国経済の減速が深刻。それも一因となり、円高・株安が止まりません。世界経済の不透明感は昨年までとケタ違い。経営環境は様変わりしたのです。妥結が速かったのも、労使がそれを理解したためでしょう。

 見方を変えれば、この環境下で、各社が1500円を中心にした水準を引き出せたことは、一定の評価に値します。政権への"裏切り"にもならずに済むギリギリの線を、なんとかクリアしているからです。まだまだ、日本には「底力」がありそうです。

[2016.3.23]
ヒントの詰まったインド起業旋風
 いまや大国となったインドで、若き経営者群が、世界レベルの起業旋風を巻き起こしています。新規事業領域の開拓企業を「スタートアップ」と呼びますが、インドは、今まさに「スタートアップ大国」。2015年の創業企業は4800社を超えて過去最高で、未開拓分野で勇躍しています。

彼らに最大の共通点は「スピード」です。インド工科大出身、米テキサス大で輸送工学を学んだ30代前半の経営者は、日用品や食料品の宅配分野で「注文から配達まで最短で20分」を実現させました。専用バイク部隊が、独自開発したスマートフォン向けアプリを駆使して、5キロ圏内の個人商店と場所、配達先を結ぶ最短ルートを割り出し、買い物を速やかに代行します。アプリ機能と機動力は、米国のアマゾン・ドット・コムをしのぐレベルです。

多くの課題はビジネスチャンス
物流倉庫向けのロボット分野でも、20歳代の経営者が、世界最先端のシステムを開発し、大成功を修めました。仕分けロボ「ソーター」と搬送ロボ「バトラー」が現場にあわせて組み合わされ、仕分けから棚入れ、ピックアップまでを全自動で行います。ロボット25台と作業ステーション5台が標準使用ですが、150万ドル(約1億7千万円)から導入でき、レイアウトも容易さも評価されて、創業5年で、倉庫内の仕分け機器で国内シェア90%を占めました。

人口13億人弱のインドは、インフラ整備が不十分で、大型の商業施設も少ない。貧富の差、教育の差も大きく、現場作業員の仕事の「無駄の多さ」「効率の悪さ」など、新興国ゆえの多くの課題があります。台頭する若い世代は、それらを「ビジネスチャンス」ととらえているのです。

[2016.3.18]
現場のニーズと中小企業の技術の融合
大阪版「下町ロケット」とでも言いましょうか。東大阪の中小企業約40社と大阪市大医学部などがつくる一般財団法人「ものづくり医療コンソーシアム」の動きが活発です。すでに検査や介助用の試作品約10種を開発しました。医療現場のニーズと中小企業の技術の見事な融合です。

 キーマンは対等な関係の2人。医療側は、市大の荒川哲男医学部長。企業側は、小型人工衛星「まいど1号」を打ち上げ成功に導いた、地元の部品メーカー「アオキ」の青木豊彦会長です。2013年9月の発足以来、この2人が立場の異なる業界とつなげる橋渡し役になってきました。医療現場から120件以上のニーズが出され、技術者は前向きに実用化を検討しました。

府の看護学会で最多得票獲得!
製品化第1号は、看護師たちの声をいかした、排尿用バッグのカバー「貼れ晴れシート」です。一般的なバッグは、尿の量が確認できるよう透明ですが、利用する患者にとっては不快なもの。そこで、中身を見えなくするシートをつくり、バッグの外側からペタッと貼り付けるのです。使い捨てが可能で、昨年末の大阪府看護学会では、最多得票で優秀賞に選ばれました。

今後は、他の病院や診療所、研究機関のスタッフなども加え、参加企業も500社に広げる予定です。この「協働」の形は、まさに国が推進しようとしている「医療イノベーション」体制そのもの。最大の壁になりがちな「顔の見える関係」つくりが、下町なら実現しやすいという利点もあるのでしょう。成功を積みあげ、国にモデルを示してほしいものですね。

[2016.3.17]