1月の有効求人倍率は91年12月以来の高水準
雇用を巡る状況が、少しずつ好転しています。総務省が発表した「1月の完全失業率(季節調整値)」は、3.2%と、前月比で0.1ポイント低下しました。厚生労働省による「1月の有効求人倍率(季節調整値)」は1.28倍、前月比0.01ポイントの上昇で、1991年12月(1.31倍)以来の高水準です。
総務省によると、就業者数は6458万人で、前月より61万人増加。雇用者数も50万人増えて5725万人。「就業率」は、前年同月比0.8ポイント増の57.8%になりました。製造業や医療・福祉、運輸・郵便業など大半の職種で増えています。「完全失業率」を男女別でみると、男性が前月比0.2減の3.4%、女性は横ばいの2.9%でした。女性の活用はまだ十分とは言えませんが、同省は今回の結果を「雇用情勢は、引き続き改善傾向で推移」と総括しました。
厚労省も「着実に改善が進んでいる」
一方、厚生労働省によると、雇用の先行指標である「新規求人倍率」が0.17ポイント上昇の2.07倍。「正社員の有効求人倍率」は、前月と同じ0.80倍で、2004年11月の調査開始以来、最高水準でした。都道府県別の有効求人倍率では、東京都が0.01ポイント上昇の1.88倍、青森県は1.02倍、高知県1.05倍と、いずれも過去最高か、それに近い数値でした。厚労省も、雇用情勢の現状について、「着実に改善が進んでいる」との見方を示しました。
喜ばしい数値ですが、企業側にとっては今後、良質な人材を確保するための競争が激化します。大きなカギになるのが、子育て中の女性の活用で、耳にタコかも知れませんが、企業風土の見直しを進めた企業ほど有利になります。
[2016.4.1]
新宿高島屋で来春、空港型免税店がスタート
百貨店大手「高島屋」が、「空港型免税店事業」に本格的に参入します。消費税だけでなく、関税、酒・たばこ税なども免除する事業です。今年5月にも、「ANAホールディングス」や「韓国サムスングループ」と運営会社を設立し、1号店は来春、高島屋新宿店でスタートする予定です。
三越銀座店に参入「日本空港ビルデング」と「三越伊勢丹HD」
空港型免税店は、外国人利用者が"手ぶら"で買い物できる場所。店頭で支払いを済ませ、空港で出国手続きを終えた後、商品を受け取ります。ただ、買い物をする時には、パスポートや海外に出国するための航空券を店頭で示す必要があります。訪日観光客が爆発的に増え、"爆買い"がまだ勢いを保つなか、今年1月、「日本空港ビルデング」と「三越伊勢丹HD」などが三越銀座店(東京・中央)に開設したほか、韓国の「ロッテグループ」も銀座地区に進出しました。
"先輩"の胸を借りて新規参入
高島屋が韓国のサムスングループと組むのは、同グループでホテル・免税店の運営をする「ホテル新羅」(ソウル市)が、15年12月期の連結売上高で3兆2516億ウォン(約3100億円)の大変な実績をあげているから。ANAグループの「全日空商事」も、各地の空港で土産物店などの事業が好調です。高島屋は、"先輩"たちから積極的に学ぶ姿勢を見せています。
合弁会社は、資本金は9億8000万円。高島屋が60%、ANA側とサムスン側でそれぞれ20%ずつ出資します。社長は高島屋から。百貨店のおもてなし文化やノウハウが、他業種と連携し、何を生み出すか。楽しみです。
[2016.3.31]
百貨店大手「高島屋」が、「空港型免税店事業」に本格的に参入します。消費税だけでなく、関税、酒・たばこ税なども免除する事業です。今年5月にも、「ANAホールディングス」や「韓国サムスングループ」と運営会社を設立し、1号店は来春、高島屋新宿店でスタートする予定です。三越銀座店に参入「日本空港ビルデング」と「三越伊勢丹HD」
空港型免税店は、外国人利用者が"手ぶら"で買い物できる場所。店頭で支払いを済ませ、空港で出国手続きを終えた後、商品を受け取ります。ただ、買い物をする時には、パスポートや海外に出国するための航空券を店頭で示す必要があります。訪日観光客が爆発的に増え、"爆買い"がまだ勢いを保つなか、今年1月、「日本空港ビルデング」と「三越伊勢丹HD」などが三越銀座店(東京・中央)に開設したほか、韓国の「ロッテグループ」も銀座地区に進出しました。
"先輩"の胸を借りて新規参入
高島屋が韓国のサムスングループと組むのは、同グループでホテル・免税店の運営をする「ホテル新羅」(ソウル市)が、15年12月期の連結売上高で3兆2516億ウォン(約3100億円)の大変な実績をあげているから。ANAグループの「全日空商事」も、各地の空港で土産物店などの事業が好調です。高島屋は、"先輩"たちから積極的に学ぶ姿勢を見せています。
合弁会社は、資本金は9億8000万円。高島屋が60%、ANA側とサムスン側でそれぞれ20%ずつ出資します。社長は高島屋から。百貨店のおもてなし文化やノウハウが、他業種と連携し、何を生み出すか。楽しみです。
[2016.3.31]
街角景気、2か月連続の低下
消費の勢いが弱い。景気も踊り場で足踏みしたままだ。経済が上向いている感じはしない。そんな街角の景気の「実感」を示す数字があります。内閣府が毎月発表する「景気ウォッチャー調査」です。2月の現状判断指数は、前月比2.0ポイント低下の44.6。2か月連続の低下でした。
景気ウォッチャー調査は、まさに、街角の景況感調査。タクシーの運転手、コンビニエンスストアの店長、飲食店経営者など、仕事を通じて景気を"肌"で感じている人たちを「景気ウォッチャー」に任命し、同じ質問をします。「3カ月前と比較した景況」「判断理由」「2~3ヵ月後の景気見通し」「先行き判断の理由」などで、全国11地域、2050人から集めた回答を指標化し、原則、約1週後に発表するのです。マクロ統計では表れにくい「実感」が映ります。
「緩やかな回復基調」を撤回
最新結果では、「家計動向」「企業動向」「雇用関連」の全項目で、指数が悪化していました。これを受けて、内閣府は、前月まで「緩やかな回復基調が続いている」としてきた基調判断を撤回し、「弱さがみられる」に修正しています。基調判断の"下げ"は実に1年3カ月ぶりのことです。
株価の低迷。上がらない賃金。起死回生の策だったマイナス金利政策の行方......。こうした要素が複合的に積み重なり、景況感を生んでいきます。似た調査として、やはり内閣府が公表している消費動向調査がありますが、2月はその調査の「一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)」も、前月より2.4ポイント下げた40.1となり、基調判断も「足踏みがみられる」に変わっています。
[2016.3.30]
消費の勢いが弱い。景気も踊り場で足踏みしたままだ。経済が上向いている感じはしない。そんな街角の景気の「実感」を示す数字があります。内閣府が毎月発表する「景気ウォッチャー調査」です。2月の現状判断指数は、前月比2.0ポイント低下の44.6。2か月連続の低下でした。
景気ウォッチャー調査は、まさに、街角の景況感調査。タクシーの運転手、コンビニエンスストアの店長、飲食店経営者など、仕事を通じて景気を"肌"で感じている人たちを「景気ウォッチャー」に任命し、同じ質問をします。「3カ月前と比較した景況」「判断理由」「2~3ヵ月後の景気見通し」「先行き判断の理由」などで、全国11地域、2050人から集めた回答を指標化し、原則、約1週後に発表するのです。マクロ統計では表れにくい「実感」が映ります。
「緩やかな回復基調」を撤回
最新結果では、「家計動向」「企業動向」「雇用関連」の全項目で、指数が悪化していました。これを受けて、内閣府は、前月まで「緩やかな回復基調が続いている」としてきた基調判断を撤回し、「弱さがみられる」に修正しています。基調判断の"下げ"は実に1年3カ月ぶりのことです。
株価の低迷。上がらない賃金。起死回生の策だったマイナス金利政策の行方......。こうした要素が複合的に積み重なり、景況感を生んでいきます。似た調査として、やはり内閣府が公表している消費動向調査がありますが、2月はその調査の「一般世帯の消費者態度指数(季節調整値)」も、前月より2.4ポイント下げた40.1となり、基調判断も「足踏みがみられる」に変わっています。
[2016.3.30]
ネコノミクス2.3兆円!
空前の猫ブーム、ですね。猫の関連グッズやメディア特集を目にしない日がないほど。日本人の猫好きは、もはや文化なのでしょう。さて、この猫ブームが、一体、いくらの経済効果をもたらしているのか? 関西大学の宮本勝浩名誉教授が、猫の経済効果「ネコノミクス」を「2.3兆円」と試算しました。
ネコ1匹、年間11万1424円!
宮本名誉教授は、猫の飼育にかかる経費、観光資源としての直接効果、波及効果を分けて考えました。まず、猫の餌代や、動物病院にかかる飼育のためのコストは、1匹当たり年間11万1424円。これに2015年の猫飼育数をかけると、総額約1兆1002億円になります。さらに、関連グッズ商品などの売り上げを30億円、「たま駅長」(現在は二代目)など観光関連の経済効果を40億円とし、猫ブームの直接効果を計1兆1072億円と推定しました。さらに、これらを基にした猫ブームの波及効果を推計し、<総額2兆3162億円>を割り出しました。
尾道市が先駆けて猫で街おこし中
2.3兆円は、広島県の新年度予算案の2倍ですが、同県の尾道市は、まさに猫で街おこしを進めています。市立美術館内のショップでは、約30種類の猫グッズ販売が大人気です。NHKBSプレミアムの番組「世界ネコ歩き」でおなじみの動物写真家、岩合光昭さんの作品展など、洗練された企画も盛りだくさん。美術館の入場券も猫型です。猫と絶妙に響き合う尾道の街並みは簡単にマネできないものですが、猫と街の魅力を武器にするしたたかさは買いです。
猫は約987万4000匹、犬の約991万7000匹
ちなみに、15年の猫の飼育数は約987万4000匹で、犬の約991万7000匹に並ぼうとしています。猫を巡る豊かで新しい文化が、100年先、どう育っているか楽しみです。
[2016.3.29]
空前の猫ブーム、ですね。猫の関連グッズやメディア特集を目にしない日がないほど。日本人の猫好きは、もはや文化なのでしょう。さて、この猫ブームが、一体、いくらの経済効果をもたらしているのか? 関西大学の宮本勝浩名誉教授が、猫の経済効果「ネコノミクス」を「2.3兆円」と試算しました。ネコ1匹、年間11万1424円!
宮本名誉教授は、猫の飼育にかかる経費、観光資源としての直接効果、波及効果を分けて考えました。まず、猫の餌代や、動物病院にかかる飼育のためのコストは、1匹当たり年間11万1424円。これに2015年の猫飼育数をかけると、総額約1兆1002億円になります。さらに、関連グッズ商品などの売り上げを30億円、「たま駅長」(現在は二代目)など観光関連の経済効果を40億円とし、猫ブームの直接効果を計1兆1072億円と推定しました。さらに、これらを基にした猫ブームの波及効果を推計し、<総額2兆3162億円>を割り出しました。
尾道市が先駆けて猫で街おこし中
2.3兆円は、広島県の新年度予算案の2倍ですが、同県の尾道市は、まさに猫で街おこしを進めています。市立美術館内のショップでは、約30種類の猫グッズ販売が大人気です。NHKBSプレミアムの番組「世界ネコ歩き」でおなじみの動物写真家、岩合光昭さんの作品展など、洗練された企画も盛りだくさん。美術館の入場券も猫型です。猫と絶妙に響き合う尾道の街並みは簡単にマネできないものですが、猫と街の魅力を武器にするしたたかさは買いです。
猫は約987万4000匹、犬の約991万7000匹
ちなみに、15年の猫の飼育数は約987万4000匹で、犬の約991万7000匹に並ぼうとしています。猫を巡る豊かで新しい文化が、100年先、どう育っているか楽しみです。
[2016.3.29]
マネーストック、13年ぶりの高水準
国民の経済意識を映し出す指標として、「マネーストック」統計があります。世の中に出回っているお札や硬貨の変化に注目した数値です。日銀によると、今年2月の現金の平均残高は、前年同月比6.7%増の90.3兆円。伸び率は、2003年2月以来13年ぶりの高水準でした。マイナス金利導入で銀行預金の金利が一段と下がり、タンス預金が増えことも一因です。
経済活動を行う以上、現金に対するニーズは常に存在し、基本的には、経済規模が拡大すれば現金の総量も増えます。ただし、最近の状況は複雑です。日銀の量的緩和策により、インフレ期待が徐々に高まっているはずなのに、デフレを象徴するようなタンス預金が増えているのです。
銀行預金のメリットが急減
大きな原因が、日銀のマイナス金利であることは明らかです。銀行預金の金利が一段と低下したため、企業どころか、一般家庭にとっても、銀行などに資金を預けるメリットが急減しました。日銀がマイナス金利の幅をさらに広げるとの観測も、タンス預金の増加に拍車をかけました。国民からなかなか払拭されないデフレマインド、急激に進展する高齢化の影響もある。税と社会保障の共通番号(マイナンバー)制度でも、一部の個人や企業は、番号の利用方法に関する不信感をぬぐえずにおり、手元に資金を保管する動きを強めています。
国民が現金を手元に置くようになれば、盗難などのリスクは高まり、国内全体の経済活性化が見込めません。マイナス金利が政策として全くの誤りとは言えませんが、先行する西欧と日本では、お金に対する意識も価値観も異なるわけで、限界が早めに見えてくる可能性はありますね。
[2016.3.27]
国民の経済意識を映し出す指標として、「マネーストック」統計があります。世の中に出回っているお札や硬貨の変化に注目した数値です。日銀によると、今年2月の現金の平均残高は、前年同月比6.7%増の90.3兆円。伸び率は、2003年2月以来13年ぶりの高水準でした。マイナス金利導入で銀行預金の金利が一段と下がり、タンス預金が増えことも一因です。経済活動を行う以上、現金に対するニーズは常に存在し、基本的には、経済規模が拡大すれば現金の総量も増えます。ただし、最近の状況は複雑です。日銀の量的緩和策により、インフレ期待が徐々に高まっているはずなのに、デフレを象徴するようなタンス預金が増えているのです。
銀行預金のメリットが急減
大きな原因が、日銀のマイナス金利であることは明らかです。銀行預金の金利が一段と低下したため、企業どころか、一般家庭にとっても、銀行などに資金を預けるメリットが急減しました。日銀がマイナス金利の幅をさらに広げるとの観測も、タンス預金の増加に拍車をかけました。国民からなかなか払拭されないデフレマインド、急激に進展する高齢化の影響もある。税と社会保障の共通番号(マイナンバー)制度でも、一部の個人や企業は、番号の利用方法に関する不信感をぬぐえずにおり、手元に資金を保管する動きを強めています。
国民が現金を手元に置くようになれば、盗難などのリスクは高まり、国内全体の経済活性化が見込めません。マイナス金利が政策として全くの誤りとは言えませんが、先行する西欧と日本では、お金に対する意識も価値観も異なるわけで、限界が早めに見えてくる可能性はありますね。
[2016.3.27]

