CRI時事経済ブログ -125ページ目

CRI時事経済ブログ

不動産のリースバックを利用した経営コンサルタント「CRIコンサルタンツ」の業界動向、時事経済ブログ

実績評価され市場を切り崩す

強力なライバル社がひしめく市場を切り崩すのは至難の業ですが、セイコーエプソンン

(セイコーエプソン(株):長野県諏訪市 碓井稔社長)は、複写機分野で、その壁を突破しそうです。複写機は、オフィス需要のいわば本丸。2月に本格参入を発表後、株価は2500円台の高値圏で推移しています。家庭用プリンター市場で成功した実績が評価されているようです。

 

キヤノン、富士フイルムは株価1割下げ

170322_1.jpg

複写機で先行するライバル社は、キヤノン(キヤノン(株):東京都大田区 御手洗冨士夫CEO)や、富士フイルムホールディングス(富士フイルムHD(株):東京都港区 助野健児社長)参加の富士ゼロックス(富士ゼロックス(株):東京都港区 栗原博社長)。いわば2大巨頭ですが、この2社の株価は最近、1割前後下げています。市場自体が活性化しているのではありません。

 

1分間に70枚から一気に100枚へ

エプソンが5月に発売する複写機。ヘッドを約30センチメートル(A3用紙の短い部分に相当)に並べた構造で、一気に大量に印刷ができます。優れた複写機の印刷性能は、1分間に75枚前後ですが、新複写機は最大で100枚。コピーのほかファクス、文書読み込みなどの機能も備えました。作業時間を節約することがオフィス製品の最大のポイントでから、技術力でまず優位に立ちました。碓井稔社長は「英知を集めてつくった」と語ります。

 

価格は5倍でも印刷コストは10分の1

オフィス向けプリンターも堅調で、平成28(2016)年3月期末には、販売先が約150カ国・地域に広がり、今やインクジェットプリンター全体の4割近くを占めます。販売価格は5万円台が中心と、従来品の2~3倍でありながら、高性能で、印刷コストは10分の1で済むことが評価されました。この発想が複写機にも生かされました。1つの成功モデルを持っている強さがあります。

 

[2017.3.22]

4年連続でベア維持に

平成29(2017)年の主要企業の春季労使交渉の結果が、出そろいました。日経新聞のアンケート調査(90社回答)を見る限り、約6割の企業でベースアップ(ベア)額こそ前年より縮小したものの、4年連続のベアが維持されました。賃上げと働き方改革が必要という認識で労使が一致する傾向です。

170323_1.jpg

満額回答よりも働き方改革を優先

今春季労使交渉で、ベアが前年より「縮小」と回答した経営者は55.6%でした。「横ばい」は13.3%、「拡大」は11.1%。賃金を決める理由としては、「業績の先行きが不透明なため」が21.3%、「景況感の改善が不透明なため」が14.6%でした。上場企業の平成29(2017)年3月期の純利益は2年ぶりの過去最高の見込みですが、米トランプ政権の動向など先行きへの警戒感もあります。満額回答よりも、長時間労働の是正や女性の活躍など働き方改革を優先する空気です。

 

家族手当支給で上積みに

トヨタ自動車(トヨタ自動車(株):愛知県豊田市 豊田章男社長)は、ベアは平成28(2016)年より200円低い1300円でしたが、子育て世帯の生活改善を重視しました。4月から子ども1人あたり月額2万円ずつ支給する家族手当の支給を、前倒しで実施します。組合員平均で月額1100円の上積みとなり、ベアを含めた賃金改善分は計2400円と前年を上回ります。よいバランスと言えるでしょう。

 

ノー残業デーや在宅勤務も回答に盛り込み...

野村ホールディングス(野村ホールディングス(株):東京都中央区 永井浩二CEO)は「ノー残業デー」や「在宅勤務」を回答に盛り込みました。日本電産(日本電産(株):京都府京都市 永守重信会長兼社長)は、「20年残業ゼロを目標にして残業が減っても年俸が減らない賃上げなども計画している」とコメント。1千億円投じてシステムの自動化を進めます。

 

[2017.3.23]

通信、保険、電気で10年間に10万円増

消費動向が勢いづきません。重荷になっているのが、携帯・ネット料金、生保の保険料、電気代などの「固定費」ではないか――という分析を、最近はよく耳にします。その3つを合わせた金額は年間約41万円で、10年前に比べ10万円増えました。固定費を減らす手段もこの10年で増えているのですが、消費支出の1割を超える状況はやはり重荷と言えます。

 

料金の負担感が急拡大

170321_1.jpg

総務省の家計調査を見ると、「2人以上の働く世帯」が平成28(2016)年の1年間に使った携帯電話料金は、計16万5千円。10年前に比べ5万6千円も増えています。家庭のネット回線の通信料と合わせると、通信費は計19万7千円となり、10年で6万8千円増え、税負担の増加額(5万4千円)を上回りました。高市早苗総務相が国会で、「スマートフォン(スマホ)の通信料金の負担は重要課題」と述べたのも頷けるほど、料金の負担感が急拡大しているのです。

 

予想外の増え方をしている保険料

では、保険料はどうでしょう。掛け捨て型の保険の費用は年10万2千円。初めて10万円を超えました。10年で2万7千円増です。個人保険の保有契約件数も、平成28(2016)年3月末時点で1億6千万件と、この10年で5千万件増えました。医療保険やがん保険、介護保険が普及した結果とみられます。将来への不安感が保険の加入を導くわけですが、予想外の増え方です。

 

実収入630万円で消費支出は370円では...

電気代も平成28(2016)年は11万5千円で、同じく7千円増でした。東日本大震災後、各地の原子力発電所が稼働を停止していることや、再生エネルギーの買い取りコストが膨らんだことの影響です。

 

「2人以上の働く世帯」の実収入は632万4千円で、10年前の額を1万5千円上回りましたが、消費支出は371万5千円と、12万8千円減。財布のひもは、当分締めたままという意識なのでしょう。

 

[2017.3.21]

全国51の保証協会のうち36保証協会で承諾件数減少
信用保証協会平成28年4月~12月、全国の51信用保証協会の保証承諾件数が49万9,993件と前年同期から4.5%減少。保証額も6兆4,059億円と同4.0%減少。承諾件数、金額とも年々前年を下回ってきています。
全国51の信用保証協会のうち、36信用保証協会で承諾件数、保証額とも前年同期を下回っており、企業の業績回復と同時に金融機関の保証協会離れの実態も浮き彫りとなっています。
信用保証協会の承諾件数は、リーマンショック後の平成21年12月に中小企業金融円滑化法の施行により、借入金のリスケジュール(条件変更)が相次ぎ、法案終了後の現在も金融庁による金融機関への要請で同様の対応が続き、承諾件数は伸び悩んでいます。

 

金融機関:他行からプロパー融資への切り替えで融資増
信用保証協会の貸出の伸び悩みは、日銀のゼロ金利政策により金融機関での低金利競争が激化。金融機関は他行の借入を自行で貸出すプロパー融資での借り換えを進め、貸出を伸ばしてきました。企業倒産はリスケジュール効果により減少傾向にあり、保証承諾件数は7年連続、前年を下回る結果となりました。
金融機関は、これまで貸出の保全に中小企業などリスクの高い融資については信用保証協会で対応することが多くありましたが、金融庁では融資への取り組みを無担保・無保証で企業の将来性を見極め融資することを重視し、これまでの「日本型金融」の脱皮を目指しています。
中小企業の成長への資金調達や事業再生に向けた動きが本格化しており信用保証協会の役割が注視されます。

 

信用保証を手厚く「中小企業信用保健法」改正
安倍政権は、平成29年2月28日の閣議で、中小企業への信用保証を手厚くする「中小企業信用保健法」の改正案を決め、今国会での成立を目指しています。改正案は、小規模事業者が全額保証する融資の上限を現在の1,250万円から2,000万円に引上げ、資金力の乏しい企業を支える方針です。
信用保証付き融資は、企業が金融機関の融資が焦げ付いた場合、国や地方自治体が資金を出す信用保証協会が肩代わりする仕組み。改正案では、企業や事業の拡大、事業再生などの局面に応じ、きめ細かく支援できるよう改正するとしています。

 

リーマンショックの出口戦略:中小企業のニーズは多様化
これまで金融機関は、リスクの高い中小企業向け融資の多くを信用保証協会付きで対応してきました。ただ、ゼロ金利政策や金融庁の日本型金融からの脱皮により低金利化での融資競争が激化。自行のプロパー融資に切り替え貸出実績を伸ばしてきています。
リーマンショック後の出口戦略の本格化で事業再生や再建、育成、成長、倒産、休廃業など中小企業のニーズは多様化しています。信用保証協会は今後も信用補完を根幹にしながらも、これまでのノウハウや経験を生かした新たな方向性が求められそうです。

[2017.3.20]

メガバンク:利ザヤの収益を確保
平成28年1月、日銀がマイナス金利政策を導入たことにより日本の3大メガバンクは、利ザヤ収益確保にカードローン事業の拡充やリスク性の高い劣後ローン融資を拡大しています。
劣後ローン融資は、通常の融資よりも金利が高く万が一、融資先が破綻した場合には、返済の優先順位が他の債権より劣る設定となっています。
破綻した企業は、資産整理で従業員の給与や売り掛けに関わる取引先への返済などが優先され、優先順位の低い劣後ローンは、資産が残っていない場合や極めて少額しか残っていないことが十分に考えられます。

 

自己資本とみなされる劣後ローン
劣後ローンは資金調達を行う際、その形式が株式に類似していることから自己資本とみなす金融機関が多く存在しています。こうしたこともあり資本性劣後ローンとも呼ばれています。
企業が資金調達を実行しても、借入額は自己資本扱いとなるため、自己資本比率が悪化することはありません。よって追加の融資が受けられることも可能となります。利率こそ高いものの資金難に困惑する企業にとっては味方となりえる金融商品です。

リスケジュール・倒産件数

 

 

大企業:続々劣後ローンで資金調達
ドンキホーテホールディングスは平成29年3月7日、劣後ローンで1,000億円を調達することを発表。調達資金で新規出店の設備投資に充てる方針です。通常の融資より金利面では不利となりますが、将来の金利上昇を見越し借入期間は50年としました。
劣後ローンは、平成28年もJFEホールディングスが借入期間60年で約2,000億円。NECは同60年で1,300億円、マツダは同50年で700億円、丸紅は契約上、返済期間のない2,500億円を調達し全額を資本に計上することもできます。
劣後ローンは、一定の割合が自己資本となり、財務体質の強化に繋がるメリットもあります。

 

りそなは中小企業向けの劣後ローン拡充
3大メガバンクの大企業への劣後ローン融資の拡大を見据え、りそな銀行では中堅・中小企業を対象にした劣後ローンの取扱い拡大を目指します。通常の融資の採算性が悪化するなか数少ない利ザヤが得られる事業として金融機関での獲得競争が激しくなってきています。
長期金利が上昇すれば40~60年長期ローンや劣後ローンは増加すると考えられ、金融機関の収益に貢献することとなる一方、20年後の企業の健全性を予測するのは難しくリスクが高いのも現実です。

[2017.3.18]