CRI時事経済ブログ -119ページ目

CRI時事経済ブログ

不動産のリースバックを利用した経営コンサルタント「CRIコンサルタンツ」の業界動向、時事経済ブログ

旅行・観光競争力ランキング4位

170427_1.jpg

観光力を大きく伸ばしたニッポン。日本政府観光局によると、今年3月の訪日外国人客は、前年同月比9.8%増の220万5700人で、3月単月で過去最高を更新しました。

平成29(2017)年通年の訪日客数を2800万人(前年比16%増)と見積もる、みずほ総合研究所の予想もあります。世界経済フォーラムがまとめた平成29(2017)年の旅行・観光競争力ランキングで、日本は世界4位になりました。今後の成長で懸念される"壁"について、あえて考えてみたいと思います。

 

税関職員は訪日客3倍増に対し5%増

まず、問題視されるのが、入国時に通る税関の遅さ、対応の悪さです。平成29(2017)年度の税関職員の定員は、約9200人。訪日客が過去5年間で3倍超増えたのに対し、定員は5%しか増えていません。近年はクルーズ船が人気ですが、数千人の訪日客が上陸する港では、入国検査を待つ人だかりができています。治安の安全・安心が日本の売りとはいえ、これはいただけない。

 

2020年、東京900室余剰、大阪7700室不足

宿泊施設不足も相変わらずです。みずほ総研の試算では、平成32(2020)年、ホテルの新規開業が相次ぐ東京都では900室の客室が余り、大阪府では7700室が不足します。訪日客が想定より増えれば、その東京も不足する。解決策として最有力なのが「民泊」の成長ですが、質的整備が遅れており、スペインなど欧州の観光大国のように、民泊の部屋数がホテルを上回るまでになるには、相当な改革が必要でしょう。

 

「MICE」の整備急務

国際会議や見本市、報酬旅行など「MICE(マイス)」の整備も急務です。MICEとは、Meeting(会議・研修・セミナー)、Incentive tour(報奨・招待旅行)、Convention またはConference(大会・学会・国際会議)、Exhibition(展示会)の頭文字をとった造語で、ビジネストラベルの一つの形態。大きな需要があるのですが、各地で誘致合戦が起きているという段階です。

 

[2017.4.27]

東京商工会議所で急増する相談案件とは...

残念ながら、業績好調のためではありません。

 

170426_1.jpg

経営者の高齢化や後継者難、労働力不足などの問題を受けて、東京商工会議所の「東京都事業引継ぎ支援センター」が平成28(2016)年度に中小企業から受けた「事業承継・譲渡に関する相談」実績が急増しています。新規相談は679社で、平成27(2015)年度比6.7%増。実際に承継・譲渡を終えた成約案件も41件と、同じく28%増えました。

 

建設、サービス業の買収相談は4割増

同センターによると、相談に訪れた企業のうち、事業を引き継ぎたい企業は18%増の344社でした。人手不足が深刻な物流、建設、サービス業は、買収に向けた相談が4割増えました。とにかく人手が足りない。なんとか人手を確保し事業継続を、ということでしょう。一方、事業を譲りたい企業は、2.6%減の335社。相談した時点で、8割近くが第三者への売却を望みました。事業承継がいよいよ差し迫った課題となり、M&A(合併・買収)やむなしということですね。

 

仲介、後押し、専門家の紹介

同センターは、経済産業省の委託を受けて東商に置かれた公的機関です。相談や企業同士の仲介を無料で手掛け、費用を抑えた形での事業譲渡を後押しします。"お見合い"のセッティングだけでなく、M&Aに詳しい弁護士や公認会計士ら専門家を紹介し、手続き面でもサポートします。

 

開設6年、累計成約件数100件突破

平成23(2011)年10月のセンター開設以降、累計成約件数は100件を突破しました。平成28(2016)年度では、事務用品卸・医療機器製造のアスカビーエフ(アスカビーエフ(株):東京都台東区 石川幸篤社長)が、後継者不在を理由に相談し、医療機関向けの印刷物を手掛けるイステムジャパン((株)イステムジャパン:東京都墨田区 石川幸篤社長)に事業を引き継ぐことが決定。今年3月下旬に株式譲渡が完了し、新体制で業容拡大を図ります。相性のよい"結婚"でした。

 

[2017.4.26]

高齢者が多い団地住民向けの新機軸

170425_1.jpg

超高齢社会の進展で、団地の風景は変わりました。住民の中心は活動性が低くなった高齢者、しかも低所得の人が多いのが実情です。こうした状況に対応する画期的なサービスを、セブン-イレブン・ジャパン((株)セブン-イレブン・ジャパン:東京都千代田区 古屋一樹社長)が始めます。団地の住民向けに、全国で100店規模のコンビニエンスストアを出店します。

 

団地管理の会社とタッグを組む強み

都市再生機構(UR)子会社で団地の管理事業を手掛ける日本総合住生活(JS/日本総合住生活(株):東京都千代田区 廣兼周一社長)と提携します。JSがセブンとフランチャイズチェーン(FC)契約を結び、コンビニを運営する形態です。今年4月には、東京都東村山市のURの団地「グリーンタウン美住一番街」内で、第一号店が開業しました。今後は、URがコンビニ出店を公募し、JSとセブンはニーズをとらえた品ぞろえやサービスを練り上げます。

 

コンビニが支える住民の生活インフラ

この事業が素晴らしいのは、単に生活必需品を売るだけでなく、コンビニを基地に、電球交換といった身の回りの悩みに対処するサービスや、食事宅配などを充実し、生活インフラとして住民を支えていくからです。鍵の紛失解決や水道トラブルへの対処、粗大ゴミの搬出など、JSが手掛けている団地管理業務の一部もコンビニで代行できるようにし、利便性を高めます。団地内に住む主婦や学生らを店員として雇えば、雇用創出にもつながります。

 

日本の地方全体が抱える問題だからこそ

1960年代~70年代に、都市部の郊外に建設された団地では、交通が不便で、"買い物難民"や"通院難民"など、生活しづらさを抱える人が生まれています。これは、団地だけでなく、日本の地方全体に通じる課題。だからこそ、この事業が担う社会的意義は大きいと言えます。

 

[2017.4.25]

GDPのガラケー化が起きていた

ガラケーという言葉があります。「ガラパゴス・ケータイ」の略で、世界のモバイルやIT(情報技術)技術とは別に、日本独自の進化を遂げた日本製携帯電話のことです。先進的な技術や機能がありながら、海外で普及しませんでした。なんと、経済の再重要指標である「国内総生産(GDP)」の統計でも、ガラケー化が起きており、平成29(2017)年度から30年度にかけて見直されます。

 

14年をかけて欧米の手法にチェンジ

170424_2.png

GDPは、モノやサービスなどの国内で生み出された付加価値(儲け)を示します。戦後一貫して使用してきたその統計手法を、14年かけて、欧米先進国が導入している手法にそろえる大改革です。国の統計改革推進会議(議長・菅義偉官房長官)が、旗振り役を務めます。

 

工場や店ごとに、より精緻なデータを

日本のこれまでの統計が、粗かったというわけではありません。日本は「産業連関表」と呼ばれる基礎統計を使って、GDPを計算してきました。1年間に、部品などをどのくらい使って生産し、どの程度売れて付加価値(儲け)が生まれたかを表にします。今回改める米欧流の統計は、「供給・使用表」と呼ばれる方法で、工場や店ごとに、仕入れから生産・販売までの流れをより精緻に調べ、付加価値を計算します。

 

精度が上がる=GDPが増える?

従来の統計では、日々進化するIT産業の実情や、複雑な経済の流れを捉え切れなくなっていたのは事実です。改革により、統計の精度があがってGDPが増えるとの見方と、事業者の負担増を懸念する声とが交錯しています。

 

サービス業の補足が可能性を広げるか 安倍政権は名目GDP600兆円を目標に掲げており、そのための改革の一環です。変化の激しいサービス業の補足がうまくいけば、経済規模の数値が広がる可能性があります。それ以前に、経済がグローバル化するなか、基準を国際的にそろえるのはやむを得ない時代なのでしょう。

 

[2017.4.24]

上空から稲の生育状況を把握

170422_1.jpg

小型無人機のドローンの活用が各分野で広がっています。そのなかで、「世界一おいしい米をつくる」ため、田んぼの上空から稲の生育状況を把握しようというアイデアが出てきました。発案者は、「たいせつ農業協同組合」(北海道旭川市 柿林孝志代表理事組合長)の柿林孝志代表理事組合長。農家が、あぜ道を歩き、汗を流してきた作業をドローンに任せます。

 

ドローンの特性にぴったりのミッション

柿林組合長は、先進性に富む経営者です。1980年代、パソコン黎明期には、いち早くそろばんを計算機に置き換え、組合の仕事を刷新しました。ドローンの農業分野での利用では、農薬散布などがあげられていましたが、量をこなせない問題があった。状況把握ならピッタリです。

 

深刻な人手不足のなか着目したのは

導入の背景には、農家の高齢化など、全国に共通する問題があります。たいせつ農協管は、約5000ヘクタールの大規模な田んぼを持ちますが、稲作農家の数はここ10年で320戸と、ほぼ半減。人手不足が深刻になるなか、ドローンが撮影する映像画質の鮮明さに着目したのです。安全を保ちつつドローン活用を促す「セキュアドローン協議会」((社)セキュアドローン協議会:東京都港区 春原久徳会長)とともに、実証実験を繰り返してきました。

 

TPP発効にも対抗できるような米を

柿林組合長は、さらに先も見つめます。生育状況をきめ細かく管理することで、これまで以上に米のおいしさに磨きをかける。それにより、将来、環太平洋経済連携協定(TPP)に準じるような貿易協定が発効しても、世界的な競争力を保てるブランドを育てたいと考えているのです。今年末には、セキュアドローン協議会会長がトップに就くドローン・ジャパン(ドローン・ジャパン(株):東京都千代田区 勝俣喜一朗社長)が、具体的なサービスを始めます。期待しましょう。

 

[2017.4.22]