リスト ピアノ協奏曲 第1番 | 音に巡る想い(2005~2010) / ビデオ画像と音楽(2011~)

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クラシック音楽に目覚めたのはSP時代だった。知人から借りたレコードが
きっかけ。後にLPを集めたりしたが、時に感動して涙した頃が懐かしい
な~。/

主に四季の花や自然の風景などビデオ撮りした動画に、出来るだけ自作のBGMを付けて載せたいと思います。

今日はリストのピアノ協奏曲第1番を聴く。

リストと言えば、私がクラシックを知り始めた頃は
ハンガリア狂詩曲であった。それもピアノではなく
オーケストラの編曲であった。確かストコフスキーの
編曲でなかったかな。


それからやがてピアノ協奏曲をよく耳にしたのだが、
冒頭の主題が、非常に覚えやすい旋律ではあるが、
どうも不快感を覚えて好きになれなかった。

後で分かったが、それは2つある協奏曲の第1番で
あった。
ともかくあまり好きになれぬまま、それでこのレコードを
買うのはかなり遅かった。のみならず、それも一回程度
聴いただけであった。


そんな訳で今日取り出した盤は新品同様の感じで、
それにも増して音がすこぶる良い。
録音データを見ると1961年。それにしてはいい録音。
PHILIPS盤だが、Audiophile Collector's とあって、よく
分からないが、この特性によるのかも知れない。


先ず冒頭の主題。堂々たる力強いものだが、あまり
いい気はしない。が、音がいい。続くピアノの音もよい。
意外なほど短く終わって第2楽章に入る。切れ目が
ないから解説を読んでいなかったら、そうとは気付かない
だろう。


低弦の幻想的な旋律で、全く聞き覚えはないが・・・ともかく
覚えているのは冒頭の不快な旋律だけなのだ(苦笑)・・・
ここはかなり心惹かれる。リストにもこんな叙情的な部分が
あるのか。続くピアノもショパンを想わせるような感傷性も
ある。
ピアノの長いトリルに木管が繊細な旋律を綴る。
すると、トライアングルが鳴る。初演当時は、トライアングル
協奏曲などとののしられたそうだが、ここから第3楽章と
いう説があるそうだが、このレコードでは第2楽章の後半と
なっている。
終りには第1楽章冒頭の旋律が戻って、猛烈に盛り上げて
この楽章を閉じるところは誠にすさまじい。


そして第3楽章の行進曲風の元気よい旋律になだれ込む。
なんと、これは第2楽章の叙情的な旋律で出来ているそう
だが、あまりの変貌ぶりに、解説を読まねば気付かない。
ピアノはますます絢爛豪華に、ヴァイオリンのパガニーニを
連想するような節にも聞こえる。
そして、再び冒頭のあの旋律を回想しながら、前楽章以上に
華々しく盛り上げ、「前奏曲」の最後を想わせるような終り方で
力強く全曲を閉じる。


リストは若い頃からこの協奏曲の案を練って、一応完成させて
以降7年間ほどもかけて数回手を加えている。
ピアノの巨匠だけあって、聴き応えある技巧面とオーケストラも
なかなか雄弁に、華やかな協奏曲に仕立て上げられている。


 演奏:リヒテル/コンドラシン指揮ロンドン交響楽団(LP盤)