グロフェ 組曲「グランド・キャニヨン」 | 音に巡る想い(2005~2010) / ビデオ画像と音楽(2011~)

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クラシック音楽に目覚めたのはSP時代だった。知人から借りたレコードが
きっかけ。後にLPを集めたりしたが、時に感動して涙した頃が懐かしい
な~。/

主に四季の花や自然の風景などビデオ撮りした動画に、出来るだけ自作のBGMを付けて載せたいと思います。

昨日、一昨日と柔らかい日差しに、ようやく春の訪れを
感じましたが、今夕からまた寒の戻りらしいです。

今日は趣きを変えて、グロフェの組曲「グランド・キャニョン」
です。
高校時代からその曲名は知り、またラジオ放送でも1,2度
は聞いたことがあるだろうが、殆ど関心が湧かなかったよう
で、以来ディスクは一枚もなくて過ごしてきたのですが・・・・。

去年大阪の中古店で見つけて買っておいた一枚のLPを
ようやく取り出して聴きました。


解説にもある通り、これは風景の描写音楽ですね。
風景と言っても、それは普通じゃない。行ったこともないので、
ただ読んで知るだけだが、想像もつかないほどでっかくて、
その上太陽の動きと共に変化する色彩にも凄さがあるよう
で・・・。まあそれを描写したオーケストレーションのすばらしさ
には感心いたしました。


「日の出」、「彩られし砂漠」共にその色彩感が巧みに描写
され、砂漠の印象も単調なリズムと共に心に伝わってくる。
「山路にて」は最も有名だそうだが、最初のヴァイオリンの
カデンツァは独特ですね。一体何を描いているのか?
この後に聞くユーモラスな気分を暗示しているのか。
ラバの蹄の音に次いで出てくる旋律は素朴でいい。
これが何度も出るのと、バスクラリネットの雰囲気が印象的
である。ラバの背に揺られてコロラド河まで降りるらしい。
楽しそうでもあるが、なんだか危なっかしくてぞっとする。
まあ、そんな気分なのかな~。


レコードを裏返して「日没」。非常に色彩的な音楽。実際見れば
すばらしく美しく、感動的なのだろうな~。
最後の「雷雨」は、先ず見学の行程を振り返るように、「山路」の
素朴な旋律が歌われる。その後半の旋律が、音の長さを倍に
しているのは、回想的気分を効果的に表すのに効果的。
そして、やがて雷雨がやってくる。それを描写した数ある曲の
中でも、これは恐らく最も強烈なものだろう。
すばらしいオーケストレーションは、ただただ驚異的である。

すさまじい嵐が静まると、最後はこのグランド・キャニオンの
威容をあたかも讃歌の如く高らかに歌い上げて終わります。


風景の描写音楽としてすばらしいですが、「山路」以降の音楽は
やはりアメリカ的な感じが濃く感じられますね。

LP両面で長いかと思いましたが、30分ほど、丁度いい加減です。

これを両面使って贅沢ですが、その割には音質がいまいち。
かなり硬質な音でした。何年の録音だろう、データが書かれてない。


 演奏:オーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団