- グリュミオー(アルテュール), ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団, ニュー・フィルハーモニア管弦楽団, デイヴィス(コリン), ワールト(エド・デ), ベートーヴェン
- ベートーヴェン : ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61
文鳥の親2羽が生後約1年で、その子供の雛が誕生して
丁度2ヶ月です。
手乗りの親鳥に倣って、先日幼鳥が私の腕に乗ってから
早いもので、今は自ら進んで身体のところ構わずに止まって
遊んでいます。手に持ったみかんも食べに来ました。
もう、大丈夫手乗りになりましたよ。
さて、今日はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を、
グリュミオー/C.デイヴィス指揮のロイヤル・コンセルト
ヘボウ管弦楽団の演奏で聴きました。
クラシックに目覚めた中3の頃、「運命」や「未完成」には
聞き惚れたのに、この協奏曲はなかなか馴染めなかった。
それがある日突然、急にこの曲がいいと分かったのです。
このことについては以前に書いたのですが、本当に奇跡の
ように感じられました。感動的でした。
幾度も繰り返し聴くことで、そうなったという事実は間違い
ありません。
そんな思い入れのある曲なので、かなりの演奏を聴きましたが、
グリュミオーとデイヴィスは今回が初めて。
オーケストラの音は長く保持されてなだらかに、時には膨らみを
もって、やや遅めのテンポでゆったりと奏でられます。
グリューミオのヴァイオリンは、オケの感じとよくマッチするように
繊細ながらも、音をよくかみしめ、じっくりと想いを込めるような
味わいがあります。
ヴァイオリンが休んでオーケストラだけの部分では、深みと重み
のある力強いものですが、全体としては、やさしさと思いやりの
ある演奏に感じました。
上に述べたヴァイオリンの味わい深さは、第2楽章でその極限に
達したかの如く、これまで聴いた中で最も優美な演奏に思われま
した。
そして、第3楽章に移る時の神経を行き届かせた繊細な緊張感
は見事で、以後の弾むような生き生きとした楽想への変化に対
する効果をすばらしく演出しているようでした。
その第3楽章は、早めのテンポで、前の楽章との対照を強く印象
づけるような勢いと生命感に富むものでした。
カデンツァの後、オーケストラが入ってコーダへと進む部分の最弱・
最小の音に絞り込んだ演奏は、ことの他印象的でした。
いつ聴いても名曲。そして、これはきっと名演ですよ。