モーツアルト ヴァイオリン・ソナタ ハ長調 | 音に巡る想い(2005~2010) / ビデオ画像と音楽(2011~)

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クラシック音楽に目覚めたのはSP時代だった。知人から借りたレコードが
きっかけ。後にLPを集めたりしたが、時に感動して涙した頃が懐かしい
な~。/

主に四季の花や自然の風景などビデオ撮りした動画に、出来るだけ自作のBGMを付けて載せたいと思います。

連日暑いので、室内楽中心に聴いていますが、爽やかな音楽
志向と、前回のPCM録音盤が頭に残っていたことから、今日の
選曲はモーツアルトのヴァイオリン・ソナタです。
全部で40曲ほどあるらしいが、私が所持しているのはほんの
数曲。しかもあまり普段聴かないから、何番がどんな曲だったか、
実際聴いてみなければ分からない始末。
まあ、今日は当てすっぽうにKV296のハ長調をかけてみました。


第1楽章  冒頭の元気で晴れやかな旋律は、確かに聞き覚え
のあるもの。暑い夏でも、真っ青な青空で、湿度は低く気持ちいい
日を連想できます。

ヴァイオリン・ソナタというと、私はついヴァイオリンが主で、ピアノ
は伴奏と思ってしまうのですが、モーツアルトの前半時代はむしろ
ピアノが主でありました。
この曲は全40曲の中で、後半20曲の最初の頃の作品に当たる
ようですが、解説によれば、「ヴァイオリンの伴奏を伴うクラヴサン
またはピアノ・フォルテのためのソナタ」と楽譜にあるそうです。


実際に、旋律はピアノとヴァイオリンが目まぐるしいほど頻繁に
交互に現れて、ややもすると今どちらが旋律を奏でているのか
分からない。混然と、否、実に巧妙に両楽器が旋律を受け持ち、
受け継ぎ、と言うべきで、それが速いパッセージをほんの僅かな
長さの単位で受け継がれて行くのですから、なんとも巧く書かれた
ものです。 聴覚だけでは「混然と」の錯覚に陥りがちなので、
こんな場合は楽譜も見て、視覚的に捕らえるのも興味あるところ
と思われます。


第2楽章は、アンダンテで牧歌的な旋律。今度は旋律がゆっくり
なので、ピアノとヴァイオリンの受け持ちがはっきりします。
大体は交互に旋律を受け持ちながら進みます。


第3楽章は再びアレグロですが、第1楽章に比べると、はるかに
主題と伴奏が明確に識別出来ます。


全体を通して、無垢、無邪気の中に時折短調の翳りを見せる、
モーツアルトの典型的な楽想で、聴いて大変爽やかで楽しい。


演奏:ジャン=シャック・カントロフ/アラン・プラーネス

                          (PCM録音のLP盤)