大阪日本橋で買った中古LP盤で、リムスキー・コルサコフの
交響組曲「シェラザード」を聴きました。
レスピーギの「ローマの泉」の時に書いたことなのですが、、
その曲と同じくリムスキー・コルサコフの「シェラザード」も
いわば食わず嫌いで通してきたのでありました。
もっとも、「シェラザード」の方は、ローマ三部作よりも耳に
することが多かったようで、今日実際レコードを聴いてみて、
旋律の聞き覚えの部分の多いことが分かりました。
特にヴァイオリンのソロで歌われる旋律は、充分頭にしみ
込んでいるほどなのです。
それなのに、ずっとレコードは買わずにいた。
何故なのだろう? 思うに、あの有名なシェラザードの旋律は
覚えこむほどに耳にしていたのに、あまり心に惹かれなかった
ようで、まあ、琴線に触れなかったということのようです。
この印象は、今日レコードで聴いてみても、あまり変わらなかった
ですね。
その点、先述のレスピーギの曲の新鮮な感動とは異なります。
でも、音の魅力は充分堪能出来ました。
さすが、「近代管弦楽法の父」と呼ばれているリムスキー・コルサ
コフのオーケストレーションの巧さですね。
ネット検索で発見しましたが、意外にもオーケストラ編成は2管
編成で決しておおがかりなものではないのです。 なのに、この
音響! 驚異的です、特に第4楽章のバグダッドの祭りの描写と
海での船が難破する状況で、そう感じました。
レスピーギの音楽で感じた時のように、あるいはそれ以上に、
そして、CDではレヴァイン/シカゴ響の「惑星」の凄い音に匹敵
するくらいにすばらしい音響に感激でした。
よくもこれだけの音がレコードの溝に刻み込まれていることか!
との思いを新たにしました。
音も透明ですぐれた録音だと思います。
というわけで、音楽よりも音響の感想になってしまいましたが、
全曲中、特に興味をそそられたところを拾いますと・・・・
それは第3楽章ですね。第1,2楽章の旋律にはかなり聞き覚え
があったのに、第3楽章の弦楽合奏は全く覚えがありませんでした。
大変魅力的です。そこへ、クラリネットが、次にはフルートが音階を
上下する挿入句があって、弦の旋律が転調して(多分)続くところ。
そこの趣きが気に入りました。
さらに最後の方で、木管、金管についで、弦の高音で、さらには
オーボエで最初の旋律が歌われるところ。
ここが最も官能的でしたね。
そして、第4楽章。ここも聴き覚えがなくて、先述の音響のすばらしさと
相俟ってとても満足のいく音楽でありました。
演奏:メータ/ロスアンジェルス・フィルハーモニック