フォーレ ピアノ四重奏曲 第2番 ト短調 | 音に巡る想い(2005~2010) / ビデオ画像と音楽(2011~)

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クラシック音楽に目覚めたのはSP時代だった。知人から借りたレコードが
きっかけ。後にLPを集めたりしたが、時に感動して涙した頃が懐かしい
な~。/

主に四季の花や自然の風景などビデオ撮りした動画に、出来るだけ自作のBGMを付けて載せたいと思います。

フランスの作曲家イベールに続いて、やはりフランスのフォーレをと
思って、ピアノ四重奏曲 第2番 ト短調 作品45を聴きました。


すでに第1番のハ短調を取り上げてはいますが(2005年11月)、
フォーレは実のところ「レクイエム」ぐらいしか殆ど聴いていないし、
知らないのです。
今日このト短調を聴いても、記憶は全くない。レコードを買った時に
一度は聴いているはずだが、おそらくそれっきりだったに違いない。

だから今日聴いても、あまりよく分かりませんでした。


第1楽章冒頭のピアノの分散和音がぐるぐると鳴る。これが全体を
かなり支配しているので、私の印象は「渦」でありました。
このピアノの渦に弦が旋律を歌いますが、歌うというほど私には
美しく聞こえず、下降する旋律は「憂鬱」のイメージでした。
心の中で、言うに言われないような何かの葛藤や、もやもやとして
晴れない気持ちが絶えず渦巻いているようなのです。


第2楽章では、ピアノの動きはさらに目まぐるしく、「渦」は前よりも
加速し激しくなります。弦よりもピアノの渦の旋律が支配的です。


第3楽章は、打って変わって静かなピアノの序奏に次いで、奏し出さ
れるヴァイオリンは、なんとも深い憂いを思わせる旋律です。
心の中の葛藤は、今 その疲れのために眠っているようです。
細いヴァイオリンの音はやがて合奏となって高揚はしますが、決して
明るい気分ではありません。
比較的長い楽章で、物憂いしんみり感に私は惹かれました。


第4楽章 最も捉えどころのないような旋律が揺れ動きますが、でも
暗さはこれまでで最も薄く、明るいきざしを感じました。
殆ど一本調子に聞こえるようなこの楽章も、特に最後は明るさと希望
の光を強調するようにして締めくくられました。


冬が逆戻りしたような不順な天候で、気分も鬱陶しかったのですが、
やっと春の到来でしょうか。

演奏: ジャン・ユポー(ピアノ)
       レイモン・ガロワ=モンブラン(ヴァイオリン)
       コレット・ルキアン(ヴィオラ)
       アンドレ・ナヴァラ(チェロ)
                              のLP盤です。