ブラームス ピアノ協奏曲 第一番 ニ短調 | 音に巡る想い(2005~2010) / ビデオ画像と音楽(2011~)

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クラシック音楽に目覚めたのはSP時代だった。知人から借りたレコードが
きっかけ。後にLPを集めたりしたが、時に感動して涙した頃が懐かしい
な~。/

主に四季の花や自然の風景などビデオ撮りした動画に、出来るだけ自作のBGMを付けて載せたいと思います。

ルービンシュタイン(アルトゥール), ブラームス, メータ(ズービン), イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番

「勝手にピアノコンチェルトの日」に参加です。 

日がちょっと遅れましたが。


ピアノ協奏曲の中で、自分にとっては最も好きそうな曲、ブラームスの

第一番を選ぶことにしました。
これは丁度一年近く前にゼルキンとセルの演奏でエントリーして
いますので、今回はルービンシュタイン/メータ&イスラエル・フィル
ハーモニー
(LP盤)を聴きました。
ルービンシュタイン引退の直前、89歳の録音です。

これを聴くのはレコードを買った時と今日で2回目かも知れません
が、よく聴き慣れたゼルキンとはかなり異なった印象を受けました。


先ずテンポは遅めでゆっくりと始まります。 上段CDをクリックすると
数人のコメントがある中で、この遅さが迫力台無しと酷評しているのが
ありますが、しかし、これは全体を聴けば当たらないと私は思いますね。
ピアノが始まると、それ以上に遅いくらいに感じるられるのですから。

  協奏曲では、オーケストラの提示のテンポが独奏より遅めなのは

  許されるが、その逆は駄目と朝比奈氏が何かに書いていました。
  なるほど、そうなのでしょう。
  だからメータの演奏はぎりぎりをいっているのだと思えます。

  レコード評は、ルービンシュタインは老いを知らぬピアニスト、

  技術の衰えもないようなことを書いているが、それはどうか?
  遅いテンポも年齢によるのかも知れなしし、全体に迫力は欠く。
  オーケストラだけが迫力ある表現をしたのではミスマッチでしょう。


じっくりかみしめるように鳴り始めたピアノは、音色が柔らかく甘美で
さえあり、叙情的な表現に感じられます。
オーケストラは楽想の変化に応じて、その表現は明確で且つ豊か。
弱奏部でのニュアンスにも富んでいてすばらしい。
テンポの点で、箇所によっては間延びするような感無きにしも非ずだし
ピアノのミスタッチもいくつかはありました。


しかし、この演奏の白眉はなんといっても第2楽章だったです。
冒頭からなんと平穏な音楽でしょう。非常に安らかである。
そう、安穏という言葉が適切か。 ピアノが入ってからもそうで、心に
しみる静けさです。  このピアニストは 今弾きながら、歩んできた

人生を感慨深く振り返っているのではないだろうか。
そんな風に聞こえて 心が熱くなりました。
いや、この楽章は実はシューマンの死を悼んで書かれたのだったか。
その積りで聴けばそう聞こえたかも知れないが、忘れていました。


第3楽章は力んだところがなくて、むしろ軽いタッチで明るい。
それが幸せ感に聞こえます。
即興的と言えば大袈裟だけれど、戯れ・遊び感覚で弾いているように
感じられるところが随所にありました。
それがいよいよ、最後のコーダに入ると、迫力全開、華麗なほどの

輝きとなって、オーケストラともどもスピーカーから飛び出し広がって、

見事な終結となるのでした。 

聴き終えて満足、満足でした。