バッハ ヴァイオリン協奏曲 第一番 | 音に巡る想い(2005~2010) / ビデオ画像と音楽(2011~)

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クラシック音楽に目覚めたのはSP時代だった。知人から借りたレコードが
きっかけ。後にLPを集めたりしたが、時に感動して涙した頃が懐かしい
な~。/

主に四季の花や自然の風景などビデオ撮りした動画に、出来るだけ自作のBGMを付けて載せたいと思います。

このところ更新が滞りがちだったが、スピーカーを交換した

ことから、俄然聴きたい気持ちが湧いてきた。


今日は以前ヒラリー・ハーンのヴァイオリンによるバッハの

オーボエとヴァイオリンのための協奏曲に感銘を受けたので、

そのCDからヴァイオリン協奏曲 第一番 イ短調を聴いた。


バッハのヴァイオリン協奏曲と云えば、クラシックを聴き始めた

中高校時代は、もっぱら第2番の協奏曲を聞いたものだ。

勿論ラジオの放送によってであった。

今思うと、当時のラジオ放送のクラシック音楽の曲目は、かなり

偏っていたのではないかと思う。


その頃にはまだバッハには馴染めなかったのけれども、ヴァイ

オリン協奏曲の第2番は楽しく聞けた記憶がある。


ところで、第一番はどうか。 今日聴いてみて殆ど聞いた記憶は

ないと云えそうだ。

でも、いいんだな~、この曲!

第一楽章の出だしからのめり込んだよ。

ヒラリー・ハーンは、前述のオーボエとの協奏曲で書いた通りの

速いテンポでだったことからも推察できるが、この協奏曲でも普通

よりは速いテンポの演奏だと思われる。

歯切れよい合奏に乗って ぐいぐい進む推進力に、わくわくする。

音楽が生きていて心が躍る。 ヴァイオリンの音は張りがあって、

たくましく美しい。


第2楽章は独奏の入る前にしばらく合奏があるが、そのみずみずしさ

に心惹かれる。 海岸に打ち寄せる波を連想する。

やがて、少しの間を置いてヴァイオリンのソロが静かに歌いだされるが、

それは合奏とは全く異なる、非常に息の長い旋律で、深い物思いに耽る

かのように綴られていく。哀れみと悲しみのモノローグのようにも聞こえ

るのだが、ここは聞く時の気分によって、少し感じ方が変わるかも知れ

ない。 バッハの曲では、かなり特異なものではなかろうか。


かなり長いこの楽章の後は、再び速いテンポで生き生きとした楽想で

ある。 聞き覚えのある旋律のようにも思える。

第一楽章よりも細かい動きのヴァイオリンが、実に正確な音程で見事

に奏せられ、それは時に鋭く、切れ味良く逞しい。

合奏も第一楽章同様に歯切れ良くて ソロと一体化しながらの音楽は

誠に生気に満ちて、音楽の喜び この上ない。

いや~、すばらしいです。 最初から最後まで聞き惚れました。


  演奏:ヒラリー・ハーン/ジェフリー・カヘイン&

                        ロサンゼルス室内管弦楽団