7~8年前か、ようやくCDを買うようになって・・・、さてその最初のCDは
なんと、レハールの喜歌劇「メリー・ウィドウ」であった。
LPでは持っていない曲を、ということだったにせよ、何故だったかな?
多分雑誌で「気難しそうなマタチッチが、どうしてこれほどに楽しい演奏
を・・・」と言うような記事を読んだ記憶があって・・・・。
それと、ソプラノのシュワルツコップの名・・・・。
レハールなら「金と銀」の旋律と、「メリー・ウィドウ」の曲名は知っていた
こともあって、ま、ともかくCDの第1号となったわけだ。
さて、この喜歌劇の人気の一つは、甘美な旋律。
今回聴いた第一幕から、次の4つを挙げておこう。
第一は、冒頭の爆発的な音で始まる導入の曲。 なんとも晴れやかな、
気分が最高に浮き立つ音楽!
舞台は、ある小国ポンテヴェドロ公使館のサロン。そこで君主の誕生日
祝賀会が開かれているのだ。 その雰囲気を、わずか50秒足らずに
華やかさと陽気さを凝縮した、誠に見事な音楽である!
この50秒足らずのアットいう間に、オペレッタの世界に入り込んでしまう。
第2は、公使の男爵夫人・・・実はカミーユというパリの色男にめろめろ
なのだが・・・この不倫の相手を呼んで、
「私はまじめな人妻。よろめきはいけないこと。火遊びはしますまい。」と
恋にきりをつけるべく、相手を、否自分自身をも諭すように歌う場面。
男はそれを受けて「それは承知の上。しかし熱はさめない。あなたを
あきらめることは決して出来ない。」と同じ旋律で応じ、やがて2人の
2重唱となる。
男爵夫人:シュテフェック(S) 色男:ゲッダ(T)
3つ目は、主人公である未亡人の元恋人ダニロ伯爵が、祝賀会に華を
添えるべく全員に踊りを勧めるところ。 これは第1幕では最も甘美な
旋律であって、 ミレ ミーレド レードシ ラー・ -ソラ シーラソ ・・・・・
と3拍子で歌われる。 これが一同の陽気な歌声に盛り上がる。
未亡人:シュワルツコップ(S) ダニロ:ヴェヒター(Bt)
最後は、上記未亡人ハンナがダニロに踊りを誘われて、うわべは拒否
するのだが、その時、ヴァイオリンが静かに先ほどの甘美なワルツの
旋律を奏し始める。 ここは、誠に魅惑的で、うっとりさせられる。
これに負けて、ハンナは次第にダニロの腕の中へ・・・・・。
突如、オーケストラが高らかにワルツを奏し、力強い合奏で幕となる。
マタチッチ/フィルハーモニア管弦楽団と合唱団