前回の第1幕に続いて、第2,3幕を聴く。
華やかなポロネーズの導入曲と踊り・歌の後に、雰囲気が変わって
ハンナが故郷への想いを込めるように「森の妖精ヴィリア」を歌う。
これは第1幕で述べた甘美な旋律に優るとも劣らない優美なもの。
ソード・レ ミーソ・ラ シーラ・ソ ミーー
レーソ・ミ レーミ・ド ラーシ・ソ ラーー ①
さらにもう一つ、これこそ全曲中で最も甘美な旋律があるのだ。
ハンナと元恋人ダニロのやりとりの間にオーケストラが奏でる旋律で、
2人の愛を象徴するにふさわしく、第3幕にも出てくる。
ソード レーミ ソード レーミ ファー・ ミー・ レー・ -・
ソーレ ミーファ ソーレ ミーファ ソー・ ファー・ ミー・ -・ ②
ワルツ「金と銀」もこんな旋律でなかったかな。一回聴けば忘れ得ぬ
美しいものだね。
こんな愛らしい旋律にもかかわらず、2人は告白せずに、思わせぶり
の遠まわしなセリフばかり。
一方、色男に夢中の公使夫人はと言うと、恋にきりをつけたどころか、
もう、男の熱い言葉に抵抗し切れなくなってしまう。
音楽は男の胸の高鳴りの表情から、次第に官能的な調べになって、
男のくどきに落ちて行く夫人の心を巧みに表しているように思う。
二人が東屋に入ったところを、夫の公使に覗き見されて・・・・・あーあ、
大変な騒ぎに発展するのだが、音楽も最も高揚して第2幕の幕が下りる。
第3幕は、上述①の旋律を取り入れた導入曲に始まる。
第2幕終りでの騒ぎにからんで、ダニロの愛を確信したハンナは、
ダニロ獲得を企てる。 自分の邸宅をキャバレー風にしつらえて、
楽団や踊り子を招いてパーティーを催す。
音楽は陽気その上なし。 いや~、ほんまに楽しいですわ。
そして、ハンナとダニロは歌い、抱き合って踊る。その音楽は、当然あの
あまりにも甘美なワルツ(上述②)である。
さて、公使夫人の浮気を見てしまった公使は、離婚してハンナとの結婚
を決意。 さあ、ダニロの大ピンチ。
しかし、そこはハンナの機転などいろいろあって、結局は公使は夫人と
仲直り出来る。 お蔭でハンナとダニロも結ばれて、目出度し目出度しの
フィナーレとなる。
このCDを買った時はパソコンで聴いていたので音も貧弱だった。後に
ステレオのアンプに繋いでかなり良くなったのだが、CDプレーヤーで
久しぶりに聴くと、オーケストラの多彩な響きが美しいメロディと相俟って
なんとも楽しいものでした。