はい、今回はカムロードのスパイラルケーブルを改造することなく、ステアリングリモコン化する実行編です。
このリモコン化は前回の「検討編:カーナビのリモコンインターフェースの調査」で、①のステアリングリモコン化の方法を書いています。
先にお断りしておきますが、ご自身の責任でこの方法を理解したうえで作業をして下さい。当方は一切の責任を負いません。作業時には必ずバッテリーのマイナスを外して下さい。ステアリングやエアバッグ、ナビの外し方は他のサイトでご確認下さい。
それでは説明を始めます。説明と云うよりは、タネ明かしかもしれません。手品のタネが判るとガッカリするアレです。私もそうでした。
検討編の「ステアリングスイッチの線の色」で、8本の線の色と用途を書きました。
そのうち8個のナビスイッチのコントロールに使うのは、下記の3本になります。(ランクルのスイッチの場合)
① SW1:茶線
② SW2:灰線
③ アース:黒線
ナビ側にも同じ3本の線が出ているので、その3本を接続すれば、はい!終了です。
でもどうやって接続すれば良いのか分からない方のために、これから詳細に書いていきます。
まず③アース線はナビ側からもアース線が出ていますが、取り敢えずアースなのでステアリング内のどこかの金属部分に接地します。
(ナビスイッチは電圧差で動作するので、出来ればアース線同士を接続するのが理想的ですが、ここは目をつぶらざる終えません。)
---------------------------
アース線について追記
アース線をステアリング内へ接地すると加速時や高速走行時にステアリングスィッチの反応が鈍くなります。たぶん、オルタネータのノイズを拾うためと思われます。
気になる場合はSW2の配線をやめてアース線をナビのアース線と接続して下さい。
SW1の配線だけでもナビの基本的な音量調整や選局だけは出来ると思います。
SW2はミュートや携帯着信などの付加機能になります。
---------------------------
①SW1と②SW2の2本はアレに接続です、検討編のアレを思い出して下さい。
そお、ステアリング側スパイラルの空きピン2本に接続です。
ハイ、もうこれでステアリングスイッチと、車体側スパイラルまで接続出来ました。こんな簡単だとガッカリでしょ?
後でどんなハーネスを使い、どこのコネクタに差し込むかは、説明するので心配しないで下さい。
トヨタ純正ナビなら本体の裏側に20ピンコネクタがあります。社外ナビなら20ピンを接続するハーネスを持っていることを前提に書きます。
社外ナビの場合、「20ピン接続ハーネス」は「検討編」に書きましたが購入する必要が有るので調べて下さい。
上記の「20ピン接続ハーネス」以外に購入する物は、ナビの20ピンコネクタと、車体側スパイラルの12ピンコネクタを接続するハーネスです。
(このハーネスを知っていれば、ランクルのステアリングの出品者は、ヤフオクにステアリングを出品せずに済んだと思いますが。。。)
私はこのハーネスをヤフオクで探して試しに購入しました。「ハイエース用ステアリングスイッチ ナビ20P-スイッチ12Pハーネス」です。
出品者の方に色々と相談して、取り付けし易い様に配慮して戴きました。
もし同じハーネスが必要なら出品者(takech77さん)に下記を要望をしてみて下さい。
話しは事前に出来ているので問題ないと思います。
私の体験を元にもっと簡単に、線の色を合わせて、端子もポン付け出来る様に変更しています。
① 12ピン側コネクタ本体は、純正コネクタを流用するので不要です。
② SW1、SW2、アースの端子はAMP3-035056を付けて下さい。
③ TS型025端子を付けた線を、10cmほど2本譲って下さい。(茶色、灰色)
④ M5ネジで留められる、クワ型端子付きのアース線を10cmほど譲って下さい。(黒色)
(クワ型端子が欠品の場合は、黒線だけ貰ってアース端子は自作して下さい。)
⑤ 細線用エレクトロタップを3個譲って下さい。
以下、これを 「カムロード用ハーネス」 と記載します。
今回購入した「ハイエース用ハーネス」 は、上記の要望を全て出し切っていなかったため、線の色や端子の形状が合わず少し遠回りをしています。
接続方法を理解して読み替えて下さい。(カッコ内に青書きで変更点を書いています。)
3.1) 購入した「カムロード用ハーネス」 でナビと車体側スパイラルの接続を行います。
1) 購入したハーネスには3本の線があります。(上の写真の右側のハーネス)
① SW1:茶線
② SW2:青線
③ アース:緑線
2) 緑線はアースです。ナビ本体はアースされているので今回は使いません。
3) 20ピンコネクタを、それぞれ接続します。
4) ナビのリモコンI/Fに接続します。パイオニアはイアホンジャックの様なコネクタをナビ本体に差し込みます。
5) 次にコラムカバーを外します。
6) 写真はコラムカバーを外して助手席から見た、12ピンコネクタを外した車体側スパイラル。
ハーネスの反対側の端子の2本線を、この車体側スパイラルの近くまで引き込みます。
(写真に線は写っていません)
7) 車体側スパイラルの12ピンコネクタは、同じ12ピンコネクタでも、端子の形状が違うので、純正12ピンコネクタを撤去して、ハーネスに付属の白コネクタを使います。
(「カムロード用ハーネス」は端子をカムロードと同じ(AMP3-035056)形にしたので、このまま純正12ピンコネクタの黒を流用します。白コネクタは付属しません)
8) ここでホーン線はコネクタの根元で切断して、付属した線の1本をエレクトロタップでホーン線に接続します。
(「カムロード用ハーネス」 では純正コネクタを流用するのでこの作業は不要です)
9) 端子が付いた線を、下の図の12ピンコネクタに挿し込みます。
(写真のコネクタは付属した白色ですが、純正コネクタを流用するので黒色になります。)
① 上の写真の位置に端子を挿入します。
(灰線は付け替えたホーン線ですが、純正ホーン線は紫色です)
② コネクタにはロック機構が付いているので、ロックをマイクロドライバーなどで持ち上げないと端子は奥まで挿入出来ません。(純正12ピンコネクタはロックを持ち上げるだけです。)
③ 端子は上下があるので、線と端子をカシメてある方を下側に奥まで軽く挿入して下さい。抜けなくなればOKです。
④ 端子を挿入した後、必ずコネクタのロックを戻して下さい。
10) この写真は非常に見ずらいですが、運転席側から見た車体側スパイラルの写真です。
12ピンコネクタを車体側スパイラルに挿入して、ホーン線をタップ接続した完成後です。
(「カムロード用ハーネス」 は純正12ピンコネクタを流用するので、ホーン線をタップする必要はありません)
11) 配線を適当に纏めて終了です。ナビは落ちない程度に固定しておいて下さい。
12) これでナビと車体側スパイラルの接続が完了しました。
3.2) ステアリングスイッチとステアリング側スパイラルの接続を行います。
1) ランクルの場合、ステアリングスイッチのSW1(茶線)とSW2(灰線)、アース(黒線)に、付属の3本の線をタップで接続します。
(3本は「カムロード用ハーネス」 に付属した3本の線色に読み替えて下さい。)
ステアリングスイッチのSW1とSW2の線色は車種により違う可能性があるので、入手した車種の線色を調べて下さい。
(「カムロード用ハーネス」 は線色を茶線、灰線でランクルに合わせてあります)
2) テスターでタップした線の導通を確認して下さい。
3) ホーンの4ピンコネクタを外します。
4) 写真の通リ、タップで接続したSW1とSW2の端子を、ホーンの4ピンコネクタに挿入します。
この4ピンコネクタは上記記載 ③のTS型025端子になります。
5) コネクタにもロック機構が付いているので、ロックをマイクロドライバーなどで持ち上げないと奥まで挿入出来ません。
6) ステアリングスイッチの黒線はアースなので、丸端子でステアリングの金属部に接地して下さい。
(「カムロード用ハーネス」 はこのアース線が付属するので、タップで接続します)
7) ステアリングスイッチのハーネスを、ステアリングスイッチに接続します。
写真なし
8) はい!これで終了です。
3.3) ステアリングリモコンのテストをします。
大丈夫ですか?大丈夫ですね?、イキますよ!
バッテリーのマイナスを接続してステアリングスイッチを押すと、ナビが操作出来たらALL OKです。
念願のステアリングリモコン化が完成しましたね。簡単でしょ?
再度、バッテリーのマイナスを外して、エアバッグやナビを正規の場所に戻して、最終確認後にバッテリーを接続して下さい。
「最速、最短、最安」 で意外と簡単に出来たと思いませんか?
出来るだけポン付け出来る様に、「カムロード用ハーネス」を出品者の方に特別に用意して貰いました。(出品者はカムロードを知らないので、あくまでも自己責任ですよ)
これで貴方も脇見をせず前を見て、ナビのオーディオ操作が出来る様になりました。
残念ながらスイッチのイルミネーションが点灯しないのと、他にスイッチが有ってもこれ以上は増やす事は出来ませんが、それでも大満足でしょ?
ちなみに8個のナビスイッチに使わないスイッチ(携帯電話のオンフック、オフフック等)が有れば、ナビ側の学習機能で地図の拡大縮小とかに割り当てれば更に自由が増します。
私はまだ2個のスイッチが余っているので、第二弾で使う予定です
以上、「cub式 カムロードのステアリングリモコン化」は終了です。
お疲れ様でした。