ことばの、わりと身体に近いところーー"ことば"を散歩する②ーー | α × CRedu

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 皆さま、お疲れ様です。Nです。

 この文章は、徒然なるままに筆を走らせてみた「"ことば”を散歩する」シリーズの二つ目です。

 どうぞ、お好きな飲み物でも片手に。

 

 

 「ミネルヴァの梟は黄昏に飛び立つ」というのは、ある高名な哲学者がのこした言葉ですが、前回の文章でアフリカオオコノハズクに擬態した私は、自分こそ暗闇の中でも方向を見失わずに飛ぶ「知恵の象徴」なのだ(!)、なんて言いたいわけでは無かったのです。

 ただ、「国語≒体育」という説を聞いたとき、いうに言われぬ違和感というか危機感のようなものを感じた、それまでなのです。

 

 といっても、私は、国語というより「ことば」について考えたい。だから「ことば」という観点からみた国語について、書いてみたいのです。

 

 速く走ったり、より高く、遠くに跳ぶためには、それなりのフォームを身につけること。私は、足は遅くない方でしたが、50メートル走の計測の後、「もったいないなあ。Nは、フォームをきちんとすれば、もっとはやなれるで」と体育の先生に言われたことがあります。体育の授業は、そういう意味で、こうすれば速く、高く、という型がもともとあって、その型について教わり、その型に近づこうとするという機会が多いのではないかと思います。

 

 では、仮にそのように仮定して、これを国語にあてはめてみると、何がいえるでしょうか。

 

 まず、国語の授業において、体育のようなフォーム=型を教わるという瞬間があるか。あるとしたら、いつ、どのようにか。

 

 仮に、決まった通りに体を動かすための方法をフォームと呼んでみるなら、決まった通りに手や口を動かす、すなわち、ことばを発するように練習する体育っぽい瞬間は、国語にも一応あります。たとえば、様々なことばの書き方を習う時間。ひらがな、カタカナ、漢字を習う時は、一つ一つの線を書く順番まで最初から設定されているし、きれいな字の見本も、ワークに載っています。また、ペンや筆の持ち方まで、正しい見本があります。特に習字の時間では、本当は左利きの人が、右手を使って書かされている光景を私は見たことがあります。これは、体の動きを、ある範例に向かって整えていくという意味で、まさしく体育的だと言えるでしょう。

 また、中学や高校になって、古典というものが登場したら、現代語とは異なる古語の文法について勉強していくことになります。これも決まった通りに読む行為をするために必要なことです。そして、学校で教わる古語文法に関しては、ある程度の水準までは、頭で考えるよりも実際の文とその説明を何度も読んで理解するほうがはやい、と私も思います。

 

 さて、以上に思いつく限りのものをあげてみました。もし、これらを体育的なものとして数えてよいなら、国語という科目の時間におけるこれらは、「勉強するもの」というより、「練習する」ものといった方が実態を捉えやすいのではないか、と思います。グラウンドや体育館で行う体育の授業を「勉強」だとは思わないからです。これは余談ですが、知識が備わっておらず、古代語に対する興味もないと、古語文法は「理解するもの」ではなく、「覚えるもの」という印象が持たれます。多分、そのような者の感覚は、別に興味もないスポーツの練習をずっとやってる感覚に近いはずです。

 

 以上に述べたことから察するに、国語が体育的なのは、少なくとも各段階の初期の部分にかなり限定されているのではないか、と思います。

 そして、それは、ことばという観点から考えるなら、身体の延長として考えられるようなところばかりです。たとえば、文字は、人間の歩き方が微妙に異なるように、筆跡を異にします。そして、文法は、歩行者が自らの一挙手一投足を意識しないのと同じく、用いているときに意識されることは少ない。だからこそ、まるっと覚えてしまうことも有効なのでしょう。ある意味、身体の一部として用いている領域だからこそです。

 

 もちろん、ことばに、そのような身体的な側面があるということそのものは、驚くべきことです。しかし、だからといって、「国語は体育だ」というのは、あまりにも言い過ぎた発言以外のなんでもないと、私は思います。

 

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