4月に日本に行ったときのこと。
町田に住む友人と食事をして小田急線のホームで
電車を待っていた私達は異様な雰囲気に気がつきました。
金曜夜の込み合うホーム。
オーストラリアで救急医療に携わる夫は
本能で大きな事故を感じたといいます。
静止するまもなく駆け出した夫のあとに続いて
私が見た光景は
初老の男性が頭に重症を負い横たわっている光景でした。
彼の顔面半分は完全につぶれ目は陥没、そしてひどい出血。
その様子から線路に落ち顔面をレールに強打らしいことが
わかります。目と鼻からの出血が止りません。
かすかにうめき声を上げるその男性の
気道をを確保し、駅員さんに手際よく指示を出す夫の
通訳をしていた私は無意識のうちにその男性の手を
取って握り締めていました。
薄れいく脈。あまりにもひどい頭部の損傷に
私も気が遠くなりそうになりながらも
男性の命の信号を必死で引きとめようとしていました。
「名前を聞いて!」 「話をさせて!」 夫の指示で
私は必死に被害者の男性に話しかけました。
これだけのひどい重症を負いながらも彼は
痛みにのた打ち回るのではなく、
まるで麻酔が効いているかのように見えました。
片方の目には涙があふれていました。
この男性の人生はどんな人生だっただろう・・・。
そして彼の帰りを待つ家族のこと・・・。
救急隊の到着後、これまでの経緯を伝える夫の
英語を訳しながら私はこの数分間の出来事が
夢なのか現実なのか判断できないような
不思議な感覚に教われました。
我に帰ったときはすでに帰りの電車の中。
私の白いスプリングコートの裾には無数の
血痕がついていました。
あのあと被害者の男性がどうなったかはわかりません。
けれど薄れいく脈拍と、彼の無念さを物語るように
あふれた涙・・・。
もし突然人生が終わりを告げることになったら
どうでしょう。
不平や不満を言って1日を棒に振ったりしなかったか。
恋をすること、何かに熱中する情熱、
愛する家族に感謝の気持ちを伝えていただろうか。
・・・いつかは
きっといつまでも来ません。
今やらなくていつやるのでしょうか?
あなたの人生はあなたに本気ですか。
さて、私の大切な友人のひとりにスキー事故で全身麻痺、
回復が絶望かと思われた中から奇跡的な
復活劇を果たした方がいらっしゃいます。
彼の名は腰塚勇人さん。
その奇跡のストーリーは「命の授業」というムービーで
広がり、感動が感動を呼んでいます。
その腰塚さんの大復活に大きな力を与えた方がいます。
それは腰塚さんの奥様の励ましだったそうです。
その腰塚さん夫妻、11月22日良い夫婦の日に
五反田で講演会をなさるそうです。
もちろん私も駆けつけますよ!