1・パース上の正方形と立方体
奥行きを如何ににして描くのが、
パースの最重要課題となる。
では、正方形を描く場合は
どこに奥側の四角型を描けばいいか?
消失点と、四隅の角のちょうど中間に奥の四角を描いた例。
理論上、どこに描いても正方形と言える。
遠い場所から観た場合の正方形。
奥行きがほぼ感じられない。
近づいた場合の奥行き。
見え方が違うだけで。立方体となる。
(後々、詳しく説明する)
2・追加の立方体を正しく描く
右下に正方形を描く場合、
1つ目の正方形が基準となる。
では、どこで結べばいいのか?
それには対角消失点を使用する。
対角線は必ず45度。(四角系の側面部分、手前と奥)
他の正方形も対角同士は全て平行。
そして、パース上では平行線は全て一点に収束する。
対角消失点の発生位置は、図でいうと右奥。
正面から見た場合。
基準となる正方形から対角線を伸ばし、
地平線と交わるポイントを探す。
(DVP…ダイアゴナル ヴァニシング ポイント/ 45度対角消失点)
(ダイアゴナル…45度斜めの意)
発生した対角消失点から、
2つ目の正方形に対角線を引き、
交点を基準に、水平、垂直で結ぶ。
完成!
サイズは異なるが、同じ空間での正方形が完成。
(理論上はこれが正解。詳しくは次で説明)
3・画面の歪みとその補正
上記の図は正方形と言われても、なかなかそう見えない。
パースの説明で以前話した、上記の考え方。
この二つのルールは両立するのか?
左右の棒が中心より離れているが、小さく見えない。
横方向も消失点に収束すれば、小さく見えるが、
それだと横方向は永遠に水平ということの矛盾となる。
一点透視図法では、横方向の物体に矛盾が生じてしまう。
透視図法というのは、観測者から見た視点。
矛盾が生じている絵は、観測者の後ろから見た視点。
観測者から見た視点は、このような絵になる。(左図)
仮に首を右に傾けても、違和感は生じない。(右図)
パースというのは、
観測者からの視点からでないと、歪みが生じる。
パースのみの世界、表現では正解。
しかしそれは、理論値上の正しさとなる。
歪んで見えない範囲で「画面」を構成するのが、
パース活用のポイント。