豊とつきあって1年が経った。

私たちがどんなに肌を合わせても何を語り合っても、互いの間には高い壁があって

初めからそれを壊す気など無かったのだろうか。


豊は私のために何も失わない。

私も豊のために何も失わないのだろうか。


何かを失うとして。決まっているだろうこと。

私は豊を失うだろう。豊も私を失うだろう。

そしてお互いを失った次の日からも、長くまっ平らな1本道が続く。

互いがいないという日常。

豊はなんとも思わないのかな。

私は確実に傷ついているはずだ。


私たちに確かなものは何も無い。


握り合う手と

少しだけ、さりげなくお互いを思いやる言葉と

重なる体だけ。


それすら、いつかある日突然、本当に失うのだろうか。

自宅で飲みまくってフラフラのべろべろ。雨上がりの夏の夜空って気持ちいいな・・・。

こんな時間出歩いたのは随分昔のこと。

夏草の匂いを孕んだ風が、酔っ払いの頬を撫でてどこかに過ぎていく。

あと2週間もしたらこの街は秋めいてくる。もう夏も終わりなんだ。


しかしどーでもいい格好で出てきてしまったなー。

ジーパン、タンクトップ、ビーチサンダルww。ほぼノーメイク。

手には家で飲みかけた缶チューハイ(@ ̄Д ̄@;)・・・。

深夜のビデオ屋の駐車場で、三十過ぎのババアが酔ってしゃがんでる図。今思うと最悪。


車止めのブロックに腰掛けて、酒飲んで、見知らぬ人をボーっと待ってる。

なにやってるんだろう?まともに考えたら絶対しないことをしている。

でもそれが面白くて私はヘラヘラ笑っていたと思う。


「はいはい。ではすぐ行きますから」って言ってたけど真夜中。

本当にブログの人は現れるのかな・・・。

正直どっちでもいいような良くないような気持ち。夜風がこんなに気持ちいいこと思い出したから、それだけでいい。このまま帰っても十分楽しい気分。

何故か犯罪チックな人が来るとか、変なところに連れて行かれて変なコトをされてしまうんじゃないか等の心配は全然してない。別に、うら若き乙女ってわけでもないし、気をつけなきゃーいやーんってほど自意識過剰な状態でもない。それと私は昔からちょっと向こう見ずなところがある。


しばらくすると車もまばらな駐車場に黒い外車が滑り込んできた。

あ、あれだ。教えてもらってた通りの車。

さすがにちょっと緊張。

やっぱもう少しまともな格好してくればよかった(´・ω・`)・・・。でもなあ、この缶チューハイ持った手は悔やまれるのうw。


車から降りてきた人は真っ直ぐこちらに向かってきた。

「どもどもー。だいぶ飲んでますねー。はじめましてー。こんばんはー。」

皐月が大好きな「まめゴマくん」がメガネかけたような男の人だった。ちょっとオタクファッション。分からないけど安心した。

よく覚えてないんだけど、「押忍!はじめましてー。呼び出してごめんよぉヘラヘラヘ(゚∀゚*)ノうへへ」とか言った気がするorz。

湿ったコンクリートの縁石に並んで腰掛けた。

まめゴマ氏、ちょっとぎこちないっていうか人の目を見ないっていうか、キョドってるっていうか。

口ぶりはソフトだし普通なんだけど。よっぱらいの主婦見てがっかりしてるんだろう常考(ノДT)。

寒くなって我慢してたら、「寒いですか?」って自分の着てるジャケットみたいなのを貸してくれた。


それから1時間半くらい、ほとんど一方的に為替で損して切ないとかFXむずいとか語った。

まめゴマ氏も昔、私の目ん玉が飛び出るような大金をやられた話をしてくれた。

あとは家どの辺だとか、互いの仕事の話をした。ちょっと遠くの病院のお医者さん。

地元の生まれじゃなくて、医学生時代からそのままここに住んで働いてるって話とか。

私も出来ちゃった結婚したんだー、でも娘可愛いよーとか他愛ない話をした。

マシンガンのように話す私にいちいち「そうですかー。それはですね・・」と本当に真面目に請合ってくれるので申し訳ない(-""-;)。

「こんな酔っ払いの相手してくれてありがとうね」と言ったら

「意外とキレイな人が来てびっくりしましたー。楽しかったですー。今度はこんな場所じゃなくて飲みにでもいきましょー。是非是非ー。」と言ってくれたので、まめゴマ氏に嫌な思いはさせてないのかな?よかったー(汗みたいに思った。

今日はありがとうねーこちらこそーって、握手というか、手を握って別れた。

家路に向かう千鳥足が軽くて、鼻歌でも唄いたいような気分だった。






雨上がりの夜半の風が心地よい。


皐月とカンナは海水浴の疲れてとっくに眠ってしまった。午前1時。

夫と川の字になって階上の寝室で寝こけている。


私はまた飲みながらチャートと2chをROMってる。

返す返すも60万のことが頭をよぎる。


あの60万で何が買えただろう。


カンナが飛行機に乗ってみたいって言ってた。それが叶っただろう。

大学の時の友達の家を訪ね歩いたり、ハワイもちょっと足したら全然行けたなー・・・(ノ_-。)


ぐねぐねぐねぐね考えている。酒はどんどん進む。もう何本目のチューハイだろう。


2chでは月曜のチョッピーな動きについていけないド素人の断末魔の叫びが書き込まれ続けてる。

雑談している奴らは女の子とかエロ画像とか、まるで大金を扱ってる風じゃないような安穏とした状態。

株個別銘柄より煽りあいも少ないし、ROM組の私としては気分のよい読み物だ。


もう一度相場張りたい気持ちを抑えて飲み続ける。

外は、雨上がりだ。


あ、メールが入ってる。

ブロガーの人だった。


「携帯番号晒します。090-○×○○-○××○」


酔っ払って気が大きくなってた私が電話したのは言うまでもない。


ドキドキドキドキ・・・・・


やがて穏やかで柔らかい声が「もしもし」と出た。

ぅわーーーーーーーー。電話しちゃったヽ(゚◇゚ )ノ!!!


「○○(ブログのネーム)ですか。こんばんはー。・・・・・・。」

「はいはい。こんばんは」


そんな感じだったかな。

もう何を話したのか、今となっては覚えていない。

20分くらい話してたのかもしれない。

私はかなり酔ってた。

今でも覚えてるのは、

「電話で話すの面倒ですから、うちの近所のTUTAYAの駐車場まできてくださいよ!ってか来いっ!!いま酔ってます!」

みたいなこと。


20分後、私は近所のTUTAYAの駐車場にいた。