32:ナウなヤングにバカウケ | クラフトPとろのブログ

クラフトPとろのブログ

クラフトPという名前で、ボーカロイド曲を作っていたり

先日銀行に行った時、カウンターでの受付の女性とおじいちゃんの会話。

女:○○さん、振込先の銀行の名前をもう一度教えてもらっていでしょうか?
爺:ジャパネット銀行たい
女:えーと、「ジャパネット」銀行って銀行はないんですよ、「ジャパンネット」銀行ですよね
爺:あ、そうそう、ジャパネット銀行たい。
女:いや、ジャ・パ・ン・ですよね。
爺:うん、さっきからそう言いよるたい、ジャ・パ・ネット銀行ね。

ちょっとそのやり取りを隣で聞いてて吹いてしまった。
「ジャパンネット」って単語はなかなか聞き覚えがないけど、
「ジャパネット」はタカタ社長の番組で、ほぼ毎日耳にしてるもんね。

人は一度信じ込んだら、その言葉の響きをなかなか修正できないものらしい。
うちの近所に「ポーセリンパーク」という陶磁器の博物館があるが、
観光で来た人の多くが「ポーセリングパークはどこでしょうか?」と道を訪ねる。

いや、地元の若い人でも「ポーセリングパーク」といまだに言ってる人も多い。
つか、うちの両親もそう言うw

家電量販店でパソコン売り場にいた時も、
初心者のお客様のうち、多くの割合で「インストロール」と口にされたものだ。
まあ、これは私も最初はそう言ってた気がする。
何だか響き的に、「ロ」が入らないとおさまりが悪いんだよね。


面白いなとよく思うのが、人が使う言葉っていうのは、
正しいか正しくないかよりも、通じるか通じないかのほうが大事だということだ。
パソコン初心者が二人でパソコンについての話をしていたら、
きっとそこでは「インストロール」って言葉は、
ちゃんと共通の用語として機能しているだろう。

よく定期的にどこかの番組やニュースで、
「~という言葉は本来こういう意味なんですよ。多くの人が使ってる用法は、本当は間違いなんですよ」
という、正しい日本語を考える話題を目にするが、
私は今現在、多くの人に通じる方が正しい言葉・用法なんじゃないかと思う。

どんなに由来的に正しくても、通じなければ意味がない。
言葉は通じて初めて言葉だ。

私の祖父が生きてた頃、祖父は蛇の事を「くちなわ」と呼んでいた。
九州北部の方言なのだろうと思っていたら、高校の古文の時間に「くちなわ=蛇」と習った。
縄に口がついてるってことらしい。

ああそうなんだ、方言じゃなくて古い呼び名だったのか。
しかし古文辞典に載るような時代から昭和の40年代まで、
えらくまた長いこと生き残った言葉なんだなあと思った。

しかし今、「くちなわ」と言って通じるのは後期高齢者以上だろう。
もし私が蛇の曲を作って、それを聞いてくれる人が戦前の人だったら「くちなわ」と書くけれど、
ふつうはやっぱり「蛇」と書く。


もうひとつ、
パソコン売り場で働いていると、初めて目にする商品名などは毎日のように遭遇する。
私はそれらの商品名を一度も最初から正しく言えたことがないw

nVIDIAは「んびでぃあ」(正しくは「エヌヴィディア」)
AOpenは「あおぺん」(正しくは「エーオープン」)
ASUSはちょっと機転を利かせて「えいざす」と読んでみた(正しくは「あすーす」)
もっとも、佐世保の店に来た米人さんは「えいざす」と呼んでいた。
この辺は国によっては違うのかもしれない。

そして、
iTune「いちゅーん」(みんな知ってる「あいちゅーん」)と、こんな感じだ。
まあ、「いつね」と読まなかっただけ褒めてほしい。

お客さんにもこういう間違いよくはあるらしく、
ある日、上司が私に聞いてきた。

「トロ君、ネックっていう商品聞いたことある?」
「ネックですか?いや、わかりません。新製品ですか?」
「お客さんにWindowsの何ですか?って聞いたら、
うちのはWindowsじゃなくて"ネック"ですって言われたんだよ。そうか、トロ君も知らないか」

すると、それを聞いていたレジの女の子が、
「それってNECじゃないすか?」
私と上司「それだっ!」w

そのお客さんは長くパソコン使ってた方だったので、
上司もそこが間違ってるとは思わなかったし、
Windowsの話をしてたからメーカー名には頭が回ってなかったんだろう。
一度思い込むと、簡単な事でさえ考えが及ばなくなるし、
間違った用語の使い方をしてる同志なら、その場ではそれは正しい用法である。
私はそれがちょっと面白いことだなと思った。


さて、
クロが、ジェバンニPの曲でかたほとりさんmixの「すすすす、すき、だあいすき」を聞いて、
これ、めっちゃかわいいよね、うちもこんなアイドルポップやろうよ、と私に言ったことがある。

おめ、誰に無茶振り言ってんだよと、これがいわゆる無理難題ってやつかと思ったが、
なんとなく「そんなの作れません」と言うのが癪に障ったので、
とりあえずはクロをギャフン(死語)と言わせるためだけに、私はアイドルポップを作った。

その際に、さっきまで書いた言い間違いや読み間違い、
そして私の好きな死語の数々を入れて歌詞を書いた。

2番の歌詞のここのところは我ながらお気に入りである。

   ネックのパソコンでテレホでネスケしても、
   イチューンのインストロールは、この想いみたいに終わらない

   (意訳)
   NECのパソコンでNTTのテレホーダイサービスを使ってインターネットに繋いで、
   ネットスケープナビゲーターというブラウザで、
   君がくれたiPodを使うためにiTuneをダウンロードしているけれど、
   アナログ回線なので非常に遅くて、インストールするのに時間がかかっていますが、
   それはまるで君への恋心のように終わる見込みがありません。


見事に全部入った!w

そういう感じで出来たのがこの曲です。
アイドルポップには間違いないと思うw
「テレホでネスケ」



「何もなかった顔で」で初めてクラフトPって知ったけど、切ない曲作るPだなあ、
と思ってくれた方には、次に出したこの曲で見限られたかもしれないw

クロは初めて聞いたとき、ギャフン><(死語)とは言わなかったけど、ゲラゲラ笑っていた。
うん、この勝負は私の勝ちだねw

この頃知りあって間もなかった明太Rockerさんが、
「トロさん!ご乱心!!!!」と驚いてたのがすごく面白かったw

この曲の動画に使わせてもらったイラストは、
にゃっぽんとシングリンクとピアプロで募集をしたら、すごくたくさんの人が描いてくれた。
ちなみに、サムネにもなってるフィンガー5のアキラっぽいレンは、
ヒーリングPが描いてくれた絵だ。あの「おまいら癒されろ」のPである。


そういえば、タイトルもにゃっぽんの日記で選んでもらったんだった。
「テレホでネスケ」以外には、
「インストロール」「君のマディソンバッグ」などがあった。

この3つのうち、どれがいいですかと聞いてみたら、
「テレホでネスケ」がダントツで1位だった。
「テレホでネスケ」って、若い方にはいったいどう意味か分からないだろうと思うんだけど、
私の日記に来る人には、懐かしく思う人の方が多かったのだろうw


このイラスト募集には、いつも絵を描いてくれたレン廃のまめさんと裏花火さんが参加していない。
ちょうど募集してた時には二人ともいろいろ忙しかったみたいで、
残念だなあとは思っていたけど、決めてた期限が来たのでこの二人の絵はなしで本編を作った。

すると、あとでこの募集を聞いたまめさんと裏花火さんは、
な!なんであたしたちに教えなかったの~~!と、二人でPVを作ってくれたw
これはすごく嬉しかったな。

ちなみにこのPVには、絵師のユラさんと妹さんで歌い手の扇町月歌(おうぎまちるか)さんの、
そのお母様のイラストもあるww
家族みんなで創作活動してるっていいよね。すごくうらやましいな。

そのPVで月歌さんが歌ってくれた作品があるので、どうかこれも見てほしい。



ちなみに、ある年齢以上の方にはすぐに分かってもらえると思うけど、
この曲の参考曲は、郷ひろみの「よろしく哀愁」あおい輝彦の「センチメンタルカーニバル」だ。
調教は、あおい輝彦さんの歌唱を真似してみた。

あ、この二つの曲はさすがに私のリアルタイム世代じゃない。
私には年の離れた姉がいて、彼女がシングルレコードを持っていたからよく聴いてたんだ。

コーラスのネギトロシスターズは、名前で分かると思うけどミクとルカ。
「はうっ♪はうっ♪」っていうコーラスは、キャンディーズがよくやってたよね。

うん、こういうのは作っていてすごく楽しい。
あ、それと、「フル作ってくれwww」ってコメがあるけど、これフルですw