ボカロに限らずだけど、曲を作ったり演奏したり絵を描いたり歌を歌ったり、ありとあらゆる創作活動をしてる人が、必ず一度は思い悩む事柄に「個性とは?」という問いがあるように思う。
私も自分のギターの個性ってどういうのだろうとか、自分の曲の個性ってあるのかなとか、思い悩んだ時期もあった。
こういうものは多少その界隈から離れた方がよく見えて来るものかもしれない。10年以上音楽制作から離れていた自分が、今それについて思うのは、その問いは、「人生とは?」「神とは?」「人を愛するということは?」などと同じ答かなと思う。
その答は「いいから作れ!」かな。
強烈な個性が欲しくてキャラを作り上げるのもひとつの手だし、売れてる曲調に合わせて作品を変えてゆくのもひとつの作戦だろう。
でもそれは、プロが売れる商品を作る時の手段で、おそらくは君がしなければいけないことではないだろうと思う。
アマチュアのいいところは、作品を世に出すときに、企画会議も通さなくていいし、販売戦略も立てなくていいところだ。誰の許可も必要なく、自分が作りたいように作っていいところだ。君の武器は、君だけが好きなものを、君だけが作りたいものを思いっきり作っていいことだ。
クオリティは二の次でいい。そんなものはだんだん上手くなっていけばいい。作り続けていけば勝手に上手くなる。それに、クオリティが高い低いと、いいモノかそうでないかは別のものだ。
君がどんな曲を作りどんな絵を描きどんな歌を歌ったとしても、その作品が、他の誰かの作品と全く同じになる確率はほぼゼロだ。君の作品はこの世の中で、君にしか作れないものだと思う。
それがたとえ強烈な個性が無いように思えても、作り続けていけば、結果として個性は見えて来る。個性って言うのは、何も強烈な個性だけの事ではない。
作り続けて、大量に残した作品にこそその答えはある。「人生とは?」「神とは?」「人を愛するということは?」という問いと同じように、終わってみなければ出ない答えだ。
あれ、これは何の話につなげようとしてたのかなww。あ、そうか。にゃっぽんで出会った様々な人について書こうとしてたんだったw
今回は脱線回だね。ついでに、もうちょっと脱線するw
私たちは日々の暮らしでいろんな人に出会う。仕事上で新しい営業さんに出会ったり、近所に引っ越してきた人が挨拶に来たりする。
他人というのは、よく知らないうちはその個性が良く分からない。分からないうちはただの「普通の人」に思える。上の学校に進学して新しいクラスに入った時や、転勤して新しい職場に入った当日は、自分以外の人間は誰もが、どこにでもいる普通の人間の集まりだと感じる。
でも、そこでの日々が過ぎていくうちに、だんだんひとりひとりがそれぞれの個性を持った存在なんだと分かってくる。
君の周りの仲のいい人々を思い出してみるといい。その中には「普通の人」というのは一人もいない。誰もがそれぞれの個性を持った、こだわりの人格を持った人間だ。
これと同じように、世の中には「普通の仕事」もないし、「普通の彼氏」もいない。「普通の恋愛」もなく、「普通の人生」というものもない。そして、「普通の作品」というものもどこにもない。
君が何かの事を「普通の○○」と表現してるうちは、君はその何かをまだよく知らないってことだ。
さて、にゃっぽんの話に入ろうね。私はにゃっぽんに入る前にはmixiというSNSに入っていた。
mixiはmixiでそれぞれに個性を持った人々と交流していたが、さっきの話を踏まえてあえて言うが、mixiなぞ全く「普通のSNS」だと思えた。
もう一度同じ表現を使おう。さっきの話を踏まえてあえて言うけど、にゃっぽんは異常なSNSだった!!!
いつも24時間、どこかで誰かが一生懸命に創作活動してるんだなあというのを実感した。
絵師さんの、ちょっと落書きしてみましたーという絵の何て美しいこと。楽師さんの、ちょっとこんな感じかな?というデモのクオリティの高いこと。そういうものがそこら中の日記にごろごろしている。
ジャスコでしか買い物したことない田舎者が、いきなり池袋に来たようなものである。
地元のちっちゃなホビーショップで、やっと1体だけミクフィギュアを生で見た~と言ってる人が、いきなりボカロ専門ショップ街に招待されたような気分だった。
今日は一体何のお祭りの最中ですか?って感じだった。これが毎日の事だと?最初は自分たちがこんなところに居てもいいのかと、そわそわしてたものだ。
私が初めて聞いたボカロ曲を作ったOsterさんが普通に日記を書き、作曲講座をしていた。私はよくコード進行が分からないんですと、理解に苦しむことを言ってらした。この講座がまたレベルの高いこと!
私は今となっては口にするのも恥ずかしいが、カワイ音楽教室でギターを教えていたことがある。そこでコード進行についても教えていたこともあったが、それでも話に全然付いていけなかった。
自分にとっては芸能人以上の存在のデPが普通にコメント残していた。
(何故かデPは「さん」とつけずに呼び捨ててしまうけど、これも愛ですw)
名前をよく知ってるPさんたちが、そこらじゅうにうろうろしていた。
そして「パレットPさんが好きなんです」と日記に書いてたら、パレットPさん本人からメッセージまで頂いた。
おおおおおおお!なんてすごいとこやああ!
っていう感じで、すごい衝撃と共に私の活動拠点は、ピアプロからにゃっぽんへと移って行った。今でも、にゃっぽんは私の故郷のような感覚を持っている。