ラノベの研究室

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ラノベの考察・感想(ネタバレあり・なし)
ラノベ原作アニメの感想も不定期に更新していきます。
ラノベは最新巻+過去の面白かった作品を紹介。

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『電撃文庫:エロマンガ先生 妹と世界で一番面白い小説』

著者:伏見つかさ

イラスト:かんざきひろ


エロマンガ先生の2巻、読了しましたのでレビューを投稿します。

ネタバレありで記載しますので、ご注意下さい。


今回のテーマは、サブタイトルにもある『世界で一番面白い小説』です。


個人的な話になりますが、僕は初めて読んだライトノベルが富士見ファンタジア文庫の『鋼殻のレギオス』でした。

この作品に出会ったことで僕はライトノベルが大好きになり、今では月20冊程度は読むようになっています。なので、僕の『世界で一番面白い小説』は『鋼殻のレギオス』なのだと思います。


人それぞれに思い入れのある作品があり、理由も様々だと思います。今回のお話では、大人気作家千寿ムラマサ先生の『世界で一番面白い小説』が和泉マサムネ先生の小説だったというところが、全ての始まりになっています。

累計1,000万部以上を売り上げる大人気作家さんに、そこまで自分の作品を褒めて貰えるとか相当嬉しいんじゃないでしょうか。


2巻の見所は、①千寿ムラマサ先生の想い、②妹の成長、の2つかなと思います。


①千寿ムラマサ先生の想い

今巻から初登場したムラマサ先生ですが、やはり強烈なキャラクター設定となっています。後半ではマサムネ先生への熱い想いが、非常に魅力的に描かれていました。


②妹の成長

部屋から出ることができなかった妹が、兄のピンチに勇気を出して成長する姿も描かれています。

段々と成長していく兄と妹が、今シリーズの最大のコンセプトなのかもしれません。


以上、今回も楽しく読ませていただきました。

『ゴブリンスレイヤー 6巻』

著者:蝸牛くも

イラスト:神奈月昇

 

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915日発売のGA文庫、ゴブリンスレイヤー新刊。

読了しましたので、

可能な限りネタバレなしでレビューを記載したいと思います。

 

僕は元々GA文庫さんの小説に好きなものが多く、『ゴブリンスレイヤー』も特に前情報なくパケ買いした作品でした。

若干、萌えキャラとか、外見普通だけれど俺TUEEEな主人公とかに飽き気味だった頃だったので、無骨な鎧を着た主人公という点が琴線に触れたのだと思います。

 

本作の見所は、何と言っても『ゴブリンの恐ろしさ』の描写でしょうか。

大半のファンタジー系ライトノベルでは、ゴブリンは序盤にサクッと主人公達にやられてしまうキャラですが、本作では違います。

数と残虐性とずる賢さを持つゴブリンに襲われることの恐ろしさが、これでもかと描写されている作品、それが『ゴブリンスレイヤー』です。

初めて僕がこの作品を読んだ時は、かなりの衝撃を受けたのを今でも覚えています。

 

さて、今作6巻の見所ですが、以下2点をご紹介。

 

①女神官の成長

1巻から比べると、大きく成長してきた女神官。6巻でもスポットライトが当たっています。周囲がベテランばかりの彼女ですが、パーティの一員として、また一つ成長する姿に注目いただければと思います。

 

②ゴブリンスレイヤーの心理変化

毎回、ゴブリンゴブリンしか言わないゴブリンスレイヤーですが、彼も様々な経験を経て、少しずつ変わってきているようです。

細かな点ですが、槍使いや重戦士、牛飼娘達とのやり取りについて、初期からの変化にも注目いただけると面白いかと思います。

 

今巻も、楽しく読ませていただきました。

今後、この作品がどう展開していくのか全く予想出来ませんが、いぶし銀のゴブリンスレイヤー達を今後も応援していきたいと思います。

電撃文庫『エロマンガ先生』シリーズの1巻を読了しましたので、

 

 

レビューを書きたいと思います。

ネタバレありでレビューを記載しますので、希望されない方は引き返してください。

 

『エロマンガ先生 妹と開かずの間』

著者:伏見つかさ先生

イラストレーター:かんざきひろ先生

伏見先生の作品といえば、やっぱり俺の妹シリーズの印象が強いです。

一見普通ですが、実は熱い兄の高坂京介、京介の妹で俺の妹シリーズヒロインの高坂桐乃。

物語の結末はネット上で色々物議をかましていましたが、

個人的にはシリーズ通して素晴らしい作品だったと思っています。

 

さて、そんな大好きな伏見先生とかんざき先生のコンビなのですが、

今回の記事の『エロマンガ先生』シリーズは、なかなか手を出すことができず、

2017年春アニメでアニメ化されるまで放置状態でした。

原因は、作品のタイトル(奥さんにこの作品タイトル見られると、気まずいし)。

 

ですが、最近書棚を整理して、一部作品の購入を電子書籍に変更しましたので、

ついにこの禁断の?作品も読むことができるようになりました。

 

本作1巻の見どころは以下2点。

①可愛らしい妹(紗霧)

伏見先生とかんざき先生のライトノベルでは、外せない要素なのではないでしょうか。

俺の妹シリーズの桐乃とはまた違って、

銀髪碧眼という、ある意味ファンタジーな妹が、今作のヒロインとなっています。

桐乃と同じ中学生という設定ですが、よりロリ方向へ強化されている印象です。

あと、俺の妹シリーズとは異なり、義妹ってところも大きな要素かもしれません。

 

傍若無人だけれど可愛らしい妹を、面倒見のいいお兄ちゃんが世話する。

伏見先生とかんざき先生の最強の王道パターン、楽しませていただきました。

 

②シナリオを用いた熱い妹へのラブレター

今作では、兄の正宗が高校1年生のライトノベル作家、

妹の紗霧が兄の作品の挿絵を担当するイラストレーター(エロマンガ先生)という設定。

人気ライトノベル作家の山田エルフと正宗が、

エロマンガ先生の相棒の座をかけて、新作ライトノベル原稿で勝負します。

 

「紗霧!俺は!」

「妹をヒロインにする!」

 

正宗はこう宣言して、妹が題材の作品を書き始めるわけですが…。

先日まで『冴えない彼女の育てかた』を読んでいましたので、少しデジャブでしたね。

 

作家がシナリオでメッセージを伝えるという使い古された王道パターン。

ありきたりではありますが、そこに至るまでの過程や描写で、

正宗の決意、妹への想いを感じることができ、

登場人物たちを好きになることができました。

 

まだ1巻しか読めていませんが、期待した通りの物語を読ませていただいたなぁという

満足感を感じることができました。

これからどう展開していくのか。予想を超えた展開が始まるのかは分かりませんが、

続きもしっかりと読んでいきたいと思います。

冴えない彼女の育てかた 7

 

7巻について、ネタバレ含めて構成の考察などしていきます。

まだ本作お読みでない方は、引き返して下さい。

 

◼︎表紙

7巻の表紙は加藤さん。満を持して、正妻様の降臨ですm(_ _)m

◼︎プロローグ

場所:教室、通学路

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽

冬コミ以降、英梨々と朝一緒に登校するようになった安芸くん。ただ、イラストの方は那須高原以来不調のようで、パッケージイラストはまだ完成しない様子。英梨々の様子にも少し違和感を感じています。

また、加藤さんの方は挨拶程度はできるものの、サークルには顔を出して貰えず、極力接点を無くされている状況。辛い。

 

◼︎第1章 あれ?これ今度こそ個別ルートじゃね?

場所:安芸自宅

登場キャラ:安芸、英梨々

バレンタインデー当日の夜、いつものジャージでなく普通のワンピースでチョコを渡す英梨々。そのまま部屋に入り、2人で肩を寄せ合ってアニメを見始めます。

英梨々はイラスト製作を、安芸くんは英梨々へのイラスト催促を意図的に避けることで、お互いに白々しさは感じつつも、ぬるま湯のような世界に閉じこもり続けています。

 

◼︎第2章 俺たちの運命の分岐点には、いつも雪が降る(考え過ぎ)

場所:和合市

登場キャラ:安芸、詩羽

詩羽先輩のサイン会に参加するため、和合市に来ている安芸くん。サイン会終了後の詩羽先輩と小説談義をしつつ、高みに登ってしまった詩羽先輩に寂しさを感じます。

卒業後もサークルに参加して欲しいと頼む安芸くんですが、詩羽先輩に現状の英梨々の問題について指摘を受けます。

『どうして彼女にだけ、そんなに過保護なのよ?そんなの、澤村英梨々は喜ぶかもしれないけれど柏木エリにとっては幸せだとは思えない』

英梨々と安芸くんの両方が逃げ込んでいる、ぬるま湯について指摘し、もう一度、霞詩子として柏木エリと組みたいと希望を伝えられます。

 

◼︎第3章 見とけよ?ご都合主義ってのはな、こういうふうに使うんだよ

場所:探偵坂

登場キャラ:安芸、加藤、伊織

伊織くんからの呼び出しで、久々に会う2人。ゲームの評価について情報交換しつつ、伊織くんは安芸くんへ『紅坂朱音』に注意するよう助言。また、サークルを続けて欲しいと伝えた。

伊織くんの態度に疑問を持ちつつ帰宅していると、ファミレスに加藤さんが1人でいるのを発見。外から打合せのメールを送り、反応を確かめます。加藤さんは返信してくれませんでしたが、30分ずっとメールを見続けていました。

きっと、また仲直りできると確信した安芸くんは、帰宅して冬コミの自作ゲームをプレイ。加藤さんがとても細かな所までスプリクトや演出を設定してくれていたことに気付きます。自分が加藤さんに何をしてしまったのか、何をしてあげたかったのかを理解し、これからどうするかを決意します。

 

◼︎第4章 伏線だったのかと思ったでしょ?でもね、この設定いま考えついたんだよ?

場所:教室

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々

決意の朝、偶然会った英梨々から今後もクリエイターを続けるべきか相談されます。安芸くんは、『柏木エリの絵をこれからも見ていきたい』という結論を出します。最終的な判断は英梨々に任せますが、ぬるま湯からの離脱を宣言することとなりました。

また、加藤さんにもメールについて確認。気合いを入れ直して、新規プロジェクト『冴えない彼女彼女の育てかた(仮)』の企画書を作成開始します。

 

◼︎第5章 キャラ崩壊が止まらないんですが

場所:安芸自宅

登場キャラ:安芸、英梨々

 

『当然だろ!俺のメインヒロインは、加藤おまえだけだ!』

『加藤、お前さ、本当にblessing softwareのこと、好きでいてくれたんだなぁっ!』

加藤さん、今まで溜め込んできたものが、一気に決壊してます。英梨々や詩羽先輩に対する嫉妬や安芸くんへのダメ出し、2ヶ月離れていた鬱憤などなど。

 

ケンカする前は、ちょっと気になる仲良しのクラスメイト程度の関係だったのが、本心で語り合うことにより、より互いに歩み寄れたエピソードだと思います。

 

◼︎第6章 卒業式の告白って大抵なあなあで終わっちゃうよね

場所:喫茶店

登場キャラ:安芸、英梨々、詩羽

 

卒業式、詩羽先輩に会うため安芸くんは学校へ向かいます。加藤さんと練り直した企画書を提示し、新規プロジェクトへの参加を依頼。しかし、参加を断られ、英梨々と共に紅坂朱音のプロジェクトへ参加することを告げます。

信じられない安芸くんは、英梨々にも電話。しかし泣きながら謝られ、絶望。

 

◼︎7 どんな章題にしてもネタバレになるだろ

場所:喫茶店

登場キャラ:安芸、加藤、伊織

守りたい存在だった英梨々は、自分1人で立ち直り崇拝すべきクリエイターになってしまった。更に詩羽先輩と共に、自身のサークルを離れてしまうこととなった。

絶望した安芸くんは、半月程家に引きこもります。伊織くんとの約束のため、久々に外出しましたが、まだショックは残っている様子。

そんなの時、加藤さんが探偵坂に運命の出会いをした時の服装で待っていてくれました。安芸くんは、加藤さんと一緒に、もう一度ゲームを作ること、加藤さんを最高のメインヒロインにすることを誓います。

 

◼︎エピローグ

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽、出海

英梨々と詩羽先輩が新規プロジェクトへ参加するため、大阪へ向かう日。安芸くんは新幹線のホームへ2人の見送りに向かいます。

安芸くんはサークルを大きくすること、大きくなったサークルで2人を雇い直すことを宣言。そして、2人も紅坂朱音に飲み込まれないようにと檄を飛ばします。

感動した英梨々は安芸くんの眼鏡を貰い、隙をついた詩羽先輩は安芸くんにキスをします。

新学期、安芸くんはコンタクトで登校。プレゼントをプレゼントしたことで、加藤さんに愚痴を言われます。そこへ、高校へ入学した出海ちゃんが登場。新しいサークルの原画担当として、加入することになりました。

 

◼︎感想とか

今巻は安芸くん、加藤さん、英梨々の感情変化がとても大きな巻だったと思います。順に変化を考察していきます。

 

①冬コミ後

安芸くん:加藤さんのことは気になり続けるも、英梨々のことも女の子として意識するが、クリエイターとしての英梨々と今後どう付き合うのか迷っている。

加藤さん:冬コミの時の怒りと今までの鬱憤が蓄積。

英梨々:安芸くんの近くに居られる喜びを感じつつも、クリエイターとしては現状に違和感がある。

 

②安芸くんと加藤さん仲直り

安芸くん:加藤さんは気になる女の子であり頼れる仲間。英梨々も女の子として意識しつつ、守っていきたいと思っている。

加藤さん:安芸くんは本音で話せて、一緒にいて嫌ではない異性。恋愛感情までは届いていないが、可能性はあり。ただ、英梨々も親友なので、今後安芸くんとどうしていくかは要検討。

英梨々:紅坂朱音のプロジェクトへ参加を決め、クリエイターとして生きることを決意。安芸くんとは別離することを覚悟。

 

③卒業式後

安芸くん:加藤さんはメインヒロインかつ仲間で、いつも側にいてくれる気になる女の子。英梨々は詩羽先輩同様、崇拝するクリエイターとして、少し遠い存在に。

加藤さん:安芸くんは本音で話せて一緒にいて嫌ではない異性。以前よりも少し積極的に関係を近付けることにする様子。英梨々とは絶交中。

英梨々:安芸くんからは許して貰えたものの、微妙な気まずさは残る。捨て切れなかった分、まだ安芸くんへの未練はありそう。

 

紅坂朱音のプロジェクト参加により、英梨々の前巻からのフラグが一気にへし折られた印象です。まぁ、参加しなかった場合でも、英梨々がクリエイターを捨てられたとは思えないので、結局折れてしまうのかもしれませんが

安芸くん、加藤さんが残っていてくれて良かったね。ちゃんと大事にしましょう。

冴えない彼女の育てかた 6

 

6巻について、ネタバレ含めて構成の考察などしていきます。

まだ本作お読みでない方は、引き返して下さい。

 

◼︎表紙

6巻の表紙は英梨々。前巻は空気だったので、今巻は頑張れ~。

◼︎プロローグ

場所:視聴覚室

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽

安芸くんと詩羽先輩は演出の調整、英梨々は原画の作成と、冬コミに向けて追い込みを掛けるblessing  softwareのメンバー。そんな中、1人遅れてやってきた黒髪ロングになった加藤さんへ、詩羽先輩が尋問を開始。

何と加藤さん、人生で初めて男子から告白されてしまったそう(因みに詩羽先輩は高校通算で34、英梨々は3だそう。…3桁って、ひと学年分くらいでは!?)。

 

◼︎第1章 ライターの打ち合わせって本当にこんな感じっすよ

場所:ログハウス風喫茶店

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽

加藤さんの衝撃の告白から30分後、詳細を確認するべく、喫茶店へ集合。安芸くんが鈍感系主人公特性を炸裂させ、他3人から反感を買いつつも、加藤さんに結果を聞きます。

加藤さん曰く、告白された後、冬コミで忙しい旨を伝えたら、男側から去っていったそう。サークルのことを大切に思っており、今のままでいたいと願いを皆に伝えます。

安芸くんは、そんな素直な加藤さんを眩しく感じたようです。

安芸自身、オタクである故にいじめられ、裏切られた経験もある為、オタクであることを隠さず、自分を含めた居場所を大切に思ってくれる加藤さんの存在はとても嬉しいんじゃないかと思います。

 

◼︎第2章 ギターで口説こうとか痛々しくて見てられない

場所:安芸自宅

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽、美智留

美智留から加藤さんへ連絡があり、完成したグランドルートのエンディング曲を安芸の部屋で聞くことに。加藤さんと美智留は、他のメンバーに隠れて打ち合わせし、より良い作品になるように試行錯誤していたそう。

エンディング曲は無事採用。メンバーのモチベーションも高く、全て順調に進んでいるように見えます。そんな中、美智留は『加藤さんが一番の味方で、一番の敵』という感想を安芸くんへ伝えます。

はっきりとは描写されていませんが、『サークル』もしくは『安芸』『その他ヒロインズ』全て当てはまりそうに思います。

サークル的には存在意義に関わりますし、安芸くんのモチベーションにも大きな影響力を持っている上、各ヒロインに対しても最大のライバルとなっているのが『加藤さん』ですので。完全に黒幕っすね。

 

◼︎第3章 いや、別に聖地化を狙ってるわけじゃないですよ?

場所:安芸自宅

登場キャラ:安芸、英梨々、美智留

納期が迫る中、英梨々は自分を追い込むために、那須高原の別荘にカンヅメになることを決意。安芸側からは連絡を取らない等の取り決めをして、英梨々は別荘へ向かいます。

 

◼︎第4章 世の中で一番信用出来ない人種、それがクリエイター

場所:教室、安芸自宅

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽、出海

英梨々が那須高原でのカンヅメを始めてから、安芸くんは11回の報告メールを待つ日々が始まります。

この段階で安芸くんは、①クリエイターとしての英梨々は認めているが崇拝はしていない(むしろ崇拝を無意識に避けている)②まだ英梨々の過去の裏切りを恨んでいる、という状況。②は加藤さんとの会話から、かなり根の深いものだと分かります。恨んでいるということは、英梨々を自分で守りたかったという独占欲の裏返しになるかと。

 

安芸くんは英梨々に対して『自分が守らなければいけない女の子』という拘りが強い為、詩羽先輩のような手の届かない人(崇拝するクリエイター)とは思えない・思いたくない傾向があります。これが、英梨々を低く評価することに繋がり、詩羽先輩から皮肉を言われてしまうことに。

 

◼︎第5章 多分、このシリーズ全体で一番短い章(予定)

場所:安芸自宅

登場キャラ:安芸、英梨々

グランドルートの原画は完成したものの、電話口で倒れてしまう英梨々。後手に回ったことを後悔しつつ、安芸くんは対応に走ります。

 

◼︎第6章 英梨々・スペシャルイベントその2

場所:那須高原

登場キャラ:安芸、英梨々

月曜日の午前5時、英梨々は目を覚まします。原画を送っていないことを思い出し、焦ってベッドからでると、安芸くんがいました

 

◼︎真・第6章  今度こそ、今度こそフラグ立ってるよねこれ!?(???)

場所:那須高原

登場キャラ:安芸、英梨々

伊織くんの協力で那須高原に辿り着いた安芸くんは、英梨々の描いたグランドルートの原画を発見。圧倒的なクオリティに、とうとう英梨々に対して崇拝(憧憬)を感じてしまう。『守らなければいけない女の子』のイメージからの乖離に劣等感、疎外感、孤独を感じ、安芸くんは内心混乱。

結局、まだ間に合うチャンスはあったにも関わらず、『英梨々を守る』という自身の拘りを優先して、パッケージ版ゲームの完成を諦めてしまいます。今までゲームの完成(加藤さんをメインヒロインにすること)を最優先にしてきた安芸くんが、初めてブレた瞬間ですね。

目が覚めた英梨々に責められながらも、2人の時間を那須高原で過ごし、クリスマスに7年越しの仲直りをします。

 

◼︎第7章 あ、あれ?この章がクライマックスのはずじゃ

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽、美智留、伊織、出海

結局冬コミは手焼きの100枚のみとなり、伊織くんとの勝負のスタートラインにも立てませんでした。

英梨々はメンバーそれぞれに謝罪。安芸くんも謝り、なんとか丸く収まりました。

ただ、冬コミ終了後、加藤さんが安芸くんへ怒りをぶつけます。英梨々の急病、冬コミを諦めること、締め切りのこと何も相談せずに1人で決めたことが、友人として許せなかったそう。

結局打ち上げにも参加せず、1人帰ってしまいます。

 

◼︎エピローグ

冬コミから時はたち、2月。あれ以来、加藤さんはサークルに参加しなくなりました。

英梨々も年明け以降、イラストが描けないスランプに陥ります。

 

◼︎感想とか

今回は英梨々のエピソードが中心。大きな見所は2つでした。

①英梨々との関係が変化

那須高原の出来事をきっかけに、英梨々と安芸くんは仲直り。

ただ、安芸くんは英梨々が崇拝すべきクリエイターであることに気付かされてしまいます。6巻終了時点では、『守らなければいけない女の子』として英梨々を側に置いておきたい気持ちと、ファンとして予想を超える作品を見たいという気持ちの両方を持ちつつ、前者がまだ強い状況と考察。

英梨々は、安芸くんや加藤さんと、今の友達関係が続いて欲しい様子。

②加藤さんの怒り

冬コミを諦める件、英梨々の件、納期の件など、安芸くんからの相談がなかったことによりケンカに発展。シリーズ通して、初めて本気で怒った加藤さんです。

加藤さん自身が話した理由のうち、特に冬コミを諦めた件が一番ウェイトが大きいと考察。常に側で安芸くんを支えていて、『誰もが羨む魅力的なヒロイン』にする約束や、ゲームの完成=加藤さんがメインヒロインでいてくれる条件(3巻参照)等があるにも関わらず、全く相談されずに英梨々を優先された訳ですから。自身の扱いの酷さと少しの嫉妬心は混じっているだろうなぁと思います。

冴えない彼女の育てかた 5

 

5巻について、ネタバレ含めて構成の考察などしていきます。

まだ本作お読みでない方は、引き返して下さい。

 

◼︎表紙

5巻の表紙は詩羽先輩。2周目のトップバッターですが、今後の巻き返しに期待です。

◼︎プロローグ

場所:視聴覚室

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽、美智留

シナリオが全アップして、詩羽先輩の作業が終了。いつも通り、英梨々と詩羽先輩がテンプレコントを始め、美智留がそれに合流。

蚊帳の外の安芸くんは、加藤さんのポニーテール(髪伸びたそうです)で遊んでいたとろ、急に団結した他の3人から総批判。

加藤さんは英梨々をオチにすることで、何とか火種を回避します(前巻からの英梨々の負け犬感が凄い)。

 

◼︎第1章 最初からクライマックスって言ってても、大抵後でもっと大変になるよね

場所:池袋

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽

担当分が終了した詩羽先輩へのお礼として、池袋での買い物に付き合うことになった安芸くん。もちろん(?)英梨々もストーキングを開始。前巻で親友になった加藤さんも呼び出されます。

詩羽先輩は3月で卒業。今後の進路など考える時期にきています。安芸くんは先輩が遠くへ行ってしまうのではないかと、オロオロ。

そんな中、詩羽先輩は安芸くんに『もう一つのトゥルールート』を提示。どちらが良いか、安芸くんに選択するように伝えます。

卒業を前にして、過去の因縁とも決着をつけるべく、過去同様に安芸くんへ選択を迫ります。

 

◼︎第2章 作者が全然考えていなかった物語の空白について大論争されるとモヤモヤするよね

場所:安芸自宅

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々

詩羽先輩からの第2稿を徹夜で読んだ安芸くん。第1稿よりも霞詩子節が強く、何よりメインヒロインが違う話になっていた。

巡璃がメインの第1稿、瑠璃がメインの第2稿、どちらを選ぶか、悩む安芸くん。

そんな中、加藤さんは、『rouge en rouge』の体験版データを安芸くんのPCへダウンロードしてプレイ。出海ちゃんが、原画担当として参加していることに気付く。

 

◼︎第3章 そのうちこの二人大活躍するからね?本当だからね?

場所:公園

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、出海、伊織

伊織からの宣戦布告と、英梨々と出海ちゃんのライバル的な掛け合いが中心。

伊織は、シナリオでは霞詩子には負ける気がしないと宣言。意図が汲み取れない安芸くんは、困惑してしまう。

 

◼︎第4章 本物のアンチになれるのは熱狂的な信者だけだから

場所:教室、安芸自宅

登場キャラ:安芸、加藤、美智留、エチカ、トキ、ランコ

伊織の忠告の意味が分からず、シナリオも選べず迷い続ける安芸くん。いつも中盤はヘタレます、加藤さんの提案により、一度ゲームとしてシナリオを組み上げてみることに。通常なら一週間かかる作業を、加藤さんやエチカ、トキ、ランコの協力を経て、2日程度で組み上げるのに成功する。

安芸くんは、組み上がったゲームをプレイするが

『なんだよこれクソゲーじゃん』

 

◼︎第5章 そういえば最終章の舞台まだ決めてなかったっけ

場所:教室

登場キャラ:安芸、加藤

月曜日から数日、様々な改善を試みた安芸くんでしたが、結局納得できるものはできず。とうとう詩羽先輩へ結論を伝えることを決意します。

加藤さんが緊張しつつどちらを選ぶのか尋ねると、安芸くんからは、よく分からない答えが。

 

詩羽先輩:初稿の巡璃(加藤)シナリオか、第2稿の瑠璃(詩羽)シナリオを安芸くんに選択させ、加藤さんか詩羽先輩のどちらを選ぶのかを確かめたかった。

加藤さんもこの意図に気付き、安芸くんへ質問したと思われる。

安芸くん:どちらのシナリオを選ぶとかではなく、そもそもシナリオがゲームのものになっていない。全ボツして修正しつつ、初稿、第2稿、新たなルートの3本を本筋のルートとして残すことを決意。

詩羽先輩の意図には気付かず、ディレクターとしては正しいが、斜めの方向にぶっ飛んだ回答となる。

 

◼︎第6章 破壊と再生の学園祭

場所:教室、安芸自宅

登場キャラ:

安芸くんは現状のシナリオに以下の問題点を見出します。

2種類のメインルートを、1つのゲームの中に収められていない。

②派生するIFルートが弱い。

③選択肢とゲーム性の関係の希薄さ。

④ゲームテキストとしてのバランスの悪さ。

詩羽先輩を説得し、何とか修正を開始。安芸くんは、更に追加のメインルートを自分で書き上げることに。

2日間詩羽先輩と徹夜して、シナリオの修正とグランドルートの作成を完成させます。

詩羽先輩の提案で、この作品のライター名は霞詩子でなく、TAKI UTAKOとすることに。

TAKI:安芸くんの運営する霞詩子先生ファンブログでの管理人名。

UTAKO:ペンネームの霞詩子より。

 

◼︎第5.5章 2周目以降からは、5章と6章の間に読んでください(丸戸)

場所:視聴覚室

登場キャラ:加藤、詩羽

安芸くんが先輩へ回答を言う前の根回しフェーズです。先に安芸くんから回答の内容を聞いた上で、安芸くんの代わりに謝って、拗れないようにフォローする加藤さん。正妻感がハンパないです

 

◼︎エピローグ

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽

文化祭最後のキャンプファイアー。中庭で詩羽先輩は加藤さんへ結果を報告。

 

霞ヶ丘先輩って、安芸くんに、大事にされ過ぎてるんですよ』

加藤さん、僅かにですが、嫉妬のような感情が芽生えてるのでしょうか。まぁ普段、安芸くんは加藤さんの扱い酷いですし

 

『どれだけ大事にされても、妹だとか、憧れだとか、師匠だとか、いつも特別扱いされて、結局、普通に側にいられない』

詩羽先輩の最大のジレンマ。安芸くんから崇拝される作家であるが故に、ただの女性として側にいられない。

いつも普通に安芸くんの側にいるのは加藤さんで、それに対しての嫉妬。

 

お互い感情を少しずつ見せつつ、詩羽先輩は加藤さんへ、今日だけは瑠璃を演じるように依頼。加藤さんは瑠璃を演じつつ、安芸くんとフォークダンスを踊ります。

 

安芸くんと加藤さんのフォークダンスを遠くから見る英梨々。学校では安芸くんを避けているため、見守るしかありません。

 

◼︎感想とか

今巻は詩羽先輩のエピソード。過去同様にシナリオに自分の気持ちを込めて、安芸くんへ伝えるという作家らしいアプローチでした。

 

この巻での重要な描写は、以下2点。

①加藤さんのメインヒロインへの執着心

:今巻は作品が始まって以来初めて、メインヒロインのポジションに大きな影響を与える可能性のあるストーリーだったと思います。

仮に安芸くんが瑠璃のシナリオを選んでいれば、本質的なメインヒロインは詩羽先輩になってしまうので。

まだそこまで強い執着心ではないようですが、『嫌じゃないので、譲りたくない』くらいの拘りは、セリフ等から感じ取れました。

②詩羽先輩のジレンマ

『どれだけ大事にされても、妹だとか、憧れだとか、師匠だとか、いつも特別扱いされて、結局、普通に側にいられない』

このセリフに集約されるように、安芸くんから崇拝されると、女性として以上にクリエイターとしてしか見られなくなり、普通に女性として側に寄り添うことが難しくなるようです。ただ、安芸くんは信者としてとても大切(ある意味メインヒロイン以上)に先輩を扱うため、離れるに離れられないという

安芸くんの天然同人ゴロスキル、ハンパないですね。

冴えない彼女の育てかた 4

 

4巻について、ネタバレ含めて構成の考察などしていきます。

まだ本作お読みでない方は、引き返して下さい。

 

◼︎表紙

4巻の表紙は美智留。元気系幼馴染ヒロイン。またキャラ濃い幼馴染が増えます。まだメインヒロイン表紙は来ません。

◼︎プロローグ

場所:視聴覚室

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽

シナリオと原画がある程度進んできたところで、ゲームの組み立てが全く手付かずな状態だと発覚。安芸くんがスクリプトを担当することになり、消去法で加藤さんが音楽担当になりました。加藤さんにもちゃんと仕事振ってあげて

 

◼︎第1章 ラブコメだったら1冊に1度はお風呂シーン入れましょうよ(編集)

場所:安芸自宅

登場キャラ:安芸、美智留

お風呂シーン(覗き役:美智留、覗かれ役:安芸くん)にて初登場の美智留。バンドを結成していたのが親にバレてケンカし、安芸くんの家へ逃げ込んできたそう。年に2回は会う、露出過多の元気系幼馴染ヒロイン

前章で加藤さん音楽担当になったのに、早くも音楽要員現れました。加藤さん、メインヒロイン以外のポジションは奪われまくりです。結局、しばらく安芸くんの家に滞在することとなりました(南アフリカに転属になった叔母さん。お元気で)

 

◼︎第2章 そういえば、イトコ同士って結(ry

場所:視聴覚室

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽

美智留が来てから1週間後。安芸くんへのメールをたまたま加藤さんが見てしまったことで、サークルメンバーにも美智留の存在がバレることに。

実は美智留とは同じ日(1218日)に産まれたことも発覚し、英梨々は幼馴染としての格の差にノックアウトされてしまう。ついでに、安芸くんが加藤さん(メインヒロイン)の誕生日(923日)をスルーしてたことも発覚。うわぁ。

イトコとの関係を詩羽先輩に詰められますが、加藤さんも2巻の圭一くんエピソード時の安芸くんのセリフを引用改変して追撃。

『同い年のイトコってさ、あまりにも頑強な恋人フラグだと思うんだけどどうかな?』

 

◼︎第3章 いいか?先読みするなよ?ちゃんとラストで驚けよ?

場所:安芸自宅

登場キャラ:安芸、美智留

引き続き安芸くんの家に居候している美智留。美智留はオタクに偏見があり、安芸くんを脱オタさせたがっている様子。この日も口論しつつドタバタやっていたところ、美智留のオリジナル曲を聞いた安芸くんの様子が変わる。戸惑う美智留に対して一言。

『俺と一緒に、最強のギャルゲーをつくらないか?』

 

◼︎第4章 一週間でスプリクト習得とかないから

場所:安芸自宅

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽、美智留

美智留を音楽要員として迎え入れることにした安芸くんは、早速他のメンバーとの顔合わせをセッティング。予想通りバトる美智留と詩羽先輩(英梨々は2章から壊れたまま)。加藤さんはいつの間にか安芸くんの家の台所も自由に使うようになり、ますます確固たる『安芸くんのメインヒロイン』ポジを構築。

会話の流れで美智留と安芸くんの過去のエピソードが披露。山奥で足を挫いた美智留を探し出し、おんぶして家まで連れて帰ったという、以前(2巻第1章)で安芸くんが加藤さんを責め立てていた際の内容と丸かぶりしていたことから、加藤さんは静かにお怒りになりPCハードディスクのデータを吹き飛ばしてしまいます。

美少女ゲーム『みずいろ』には、初回プレス版をアンインストールするとHDDが初期化されてしまう伝説のバグがあります。

今回のネタ元かと思いますが、事故なのか加藤さんの故意なのかは不明です

 

◼︎第5章 背景使い回しはゲーム制作において必須の技術です

場所:安芸自宅

登場キャラ:安芸、美智留

引き続き安芸くんの部屋。4巻はここでの描写ばっかりです。そして5章は、毎度おなじみの主人公がヘタれるターン。

美智留がバンドを続けられる条件は、安芸くんがマネージャーを引き受けること。安芸くんも美智留にゲーム音楽を担当してもらいたいため、両者の思惑は平行線に。

言い合いになりつつも、美智留は安芸くんへ『他のサークルメンバーは、安芸くんに無理に合わせているように見えた』と伝え、不信感を煽ります。安芸くんも美智留の煽りにヘタってしまい、今のサークルは歪なのかもしれないと迷い始めてしまうのでした。

 

◼︎第6章 同じレーベルだとネタの貸し借りがしやすくていいよね

忘れた頃に追加、サークル瓦解の法則⑦:代表にだけ連絡がない。ヘタレている時に限って、メンバーの都合が悪く活動できず、更に安芸くんは迷います。

結局1人では解決できないので、深夜に加藤さんへ相談することにした安芸くん。電話しようとした所で、加藤さんからスクリプトが組まれた一部シナリオデータが送られてきていることに気付きます。

非オタの加藤さんも、安芸くんのスクリプトの本を借りて勉強し、積極的にゲーム制作へ参加してくれていることを知って、迷いはなくなります(ついでに、4章でバレたイトコとのエピソードに対する皮肉も受け取ります)。加藤さんと相談して、美智留さんをサークル加入させるため、一計を投じることに。1つのイヤホンを2人でシェアして、いい雰囲気です。

 

◼︎第7章 ちょ!?最終章で新キャラ3人とか!(深崎)

場所:ライブハウス

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽、美智留、トキ、エチカ、ランコ

実は美智留以外の3人がオタクだったことで、気付けばオタク界デビューさせられた美智留。最初は安芸くんに怒りますが、結局ライブが盛り上がって大円団。ゲーム音楽も担当することになりました。

ライブハウスからの帰り道、加藤さんと英梨々はそれぞれを名前呼びすることを約束。親友になります。ただ、英梨々は安芸くんが好きで、加藤さんもメインヒロインポジは譲る気がない以上、後に揉めることは必然で。詩羽先輩も分かっていたから、加藤さんに助言してくれたんですよね。

英梨々はこの時点では気付いていないようですが、加藤さんの方はある程度覚悟を持った上で親友になることを選んだように見えます。

 

◼︎エピローグその一 

登場キャラ:安芸、美智留

ライブ成功後の安芸くんの部屋。しみじみと直近の出来事を振り返り、いい話で終わろうとしています。結局、安芸くんの徹夜アニメ鑑賞会が始まってしまうのですが

あと、美智留が『来年の春』フラグを立てました。

 

◼︎エピローグその二

登場キャラ:詩羽、町田

次巻への引き。次は一周して詩羽先輩のエピソードになりそうです。

 

◼︎感想とか

4巻は美智留の加入がメインのストーリーになっていますが、実は重要な所は他のシーンにあったように感じます。

スクリプト及び演出作業で加藤さんがサークルの作業へ本格参戦

:実際のゲーム作りでは、今まで殆ど参加できていなかった加藤さんが参戦。地味ですけど、加藤さんが積極的にサークルへ参加している数少ない描写。

②加藤さんと英梨々の友情成立

:加藤さんは後々揉めることをある程度予測しつつも、英梨々からの友達申請を受け入れることに。自身がメインヒロイン枠に少し固執しつつあることを自覚し、英梨々が安芸くんのことを好きなのも理解している分、申請の受け入れは覚悟が必要です。4巻で最も重要なイベントだったのではないでしょうか。

 

裏が重要だった分、美智留のエピソードはサラリと流れてしまった印象ですが、美智留自身のスペックが高いので、これくらいの扱いで丁度バランスが取れるのかもしれません。

それぞれの関係や感情の少しずつ変化を、コメディを交えつつ細かに描写されていて、いい作品だなと感じます。

冴えない彼女の育てかた 3

 

3巻について、ネタバレ含めて構成の考察などしていきます。

まだ本作お読みでない方は、引き返して下さい。

 

◼︎表紙

3巻の表紙は出海ちゃん。懐き系後輩巨乳ヒロインです。キャラ濃いのが次々出てきますが、メインヒロイン頑張って!

◼︎プロローグ

場所:放課後の視聴覚室

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽

週明けの平日、加藤さんの髪型がショートボブからショートポニーに変化。みんなで楽しく逆転裁判ごっこをやっています。

因みに作中に出た『神岸あかり』は、To Heartのキャラクターで、お下げ髪からリボン髪へ途中で髪型をチェンジする。

最終的に、加藤さん自身が裁判長(安芸くん)へ主観で判断(新しい髪型似合ってる?)するように進言。ヘタれた安芸くんは、結局何も言えませんでした。

加藤さん、キャラ立ってきてますよ。

 

◼︎第1章 春、それは出逢いの季節(注:今は夏です)

場所:公園、ログハウス風喫茶店

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽、出海

懐き系後輩ヒロインの出海ちゃんが登場。3年前に名古屋へ引越すまで、安芸くんのオタク弟子として一緒に遊んでいたそう。現在はリトラプの同人誌製作をやっており、夏コミでも出店予定。安芸くんに2枚、サークルチケットをプレゼントします。

作中のウタ姉は、To Heartのタマ姉が元ネタ。アイアンクローが得意技。

 

◼︎第2章 嵐を呼ぶ再会(注:今は快晴です)

場所:探偵坂

登場キャラ:安芸、英梨々、伊織

冬コミのギャルゲー出品に、とうとうライバルが出現。安芸くんの昔のオタク友達で、オタク界の交渉・政治を得意とする伊織くん。伊織くんは、『rouge en rouge(大規模シャッター前サークル)』の代表として、冬コミにギャルゲーを作ること、英梨々に原画のオファーを出したことなど宣戦布告。

前章含めて安芸くんをオビワン、英梨々をダースベイダー、伊織をシス卿に例えてますが、ピッタリすぎて恐ろしい

 

◼︎第3章 展開に困ったら主人公をヘタレさせるべし

場所:安芸自宅

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々

安芸くんの自宅でサークル活動開始。

ただ、英梨々の夏コミ作業が終わっておらず、そちらの対応に追われる状況。暇になった加藤さんは、出海ちゃんから聞いたリトラプをプレイすることに。

1ルートクリア後、結局泊まることになり、さっさとお風呂へ向かう加藤さん。2回目の訪問にして、色々準備整え過ぎですよ。

加藤さんがいない間に、安芸くんは英梨々へ『rouge en rouge』の誘いをどうするのかを確認。誘いを受けるつもりが無いことと、夏コミ以降はサークルに専念するという英梨々の意思を聞けました。

ただ、安芸くんと英梨々の因縁のゲームであるリトラプについては、結局話すことが出来ませんでした。

 

◼︎第4章 同人作家なら一度はこういう夢見るよね?

場所:東京ビッグサイト

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、出海

出海ちゃんのサークルブースを手伝いに来た安芸くんと加藤さん。商品陳列などをサクッと終わらせ、何気なく出海ちゃんの作品を見た安芸くんは、そこに凄まじい才能を感じます。居ても立っても居られなくなった安芸くんは、宣伝用のポスターを作るために1人ブースを離れることに。

今回も置いていかれた加藤さん。何となく安芸くんのやろうとしている事は予想しつつも、少し不機嫌に。

加藤さんですが、3巻から安芸くんへちょっとした嫌味を言う機会が増えました。第2章では懐き系後輩の例で、主人公(詩羽)と懐き系後輩(安芸くん)を出したり、第4章での六天場モールの『前半は』気にしなくていい発言などなど。2巻終盤で六天場モールに置いていかれ、詩羽先輩の所へ行ってしまった件をかなりお怒りです。。。

安芸くんの活躍で出海ちゃんの同人誌は見事完売します。その事実を聞いた英梨々は、①安芸くんのNo.1原画家のポジション、②リトラプ仲間の幼馴染ポジションの両方を出海ちゃんに奪われたと思い、怯えて泣いて帰ってしまいます。

 

◼︎第5章 別にまだ脱落したわけじゃないから〈霞ヶ丘〉

場所:安芸自宅

登場キャラ:安芸、加藤、詩羽

英梨々を傷付けた安芸くんは、加藤さんに回収されて自宅に帰ります。加藤さんからの連絡で、すぐに詩羽先輩も集合。詩羽先輩が全力ダッシュで来たため、加藤さんがチクリと攻撃。前巻のストレスが先輩にまで

詩羽先輩に事情を話し、英梨々との仲直りを手伝ってもらうことに。加藤さんは相談中気を利かせて、部屋の外で待機。

加藤さんから、リトラプに沿ったアプローチで英梨々と仲直りするよう提案。詩羽先輩がシナリオを作成して、安芸くんがセルビス役を演じることに。

翌朝、安芸くんはセルビスの衣装を確保する為、夏コミ会場へ。出発前に加藤さんへ、自分を見捨てず、引き続きメインヒロインでいて欲しいとお願い。加藤さんは自分のワガママを聞いてくれるならOKとし、①英梨々と仲直り、②英梨々と出海の仲直り、③サークルから誰も抜けないこと、④ゲームを完成させること、の4つを提示。安芸くんは、加藤さんのワガママが『自分の願い事』と完全一致していることに感動しつつ、今日1日だけ英梨々のヒーローになることを決意。

 

◼︎第6章 リトルラブ・ラプソディ~セルビス・スペシャルイベント~

リトラプのセルビスシナリオ。お城のバルコニーから姫を誘い、2人で抜け出すというイベント。

 

◼︎真・第6章 英梨々スペシャルイベント(注:まだ共通ルート!〈霞〉)

場所:島村小学校

登場キャラ:安芸、英梨々

リトラプのセルビスイベントと同じシチュエーションで英梨々を外へ連れ出すことに成功した安芸くんは、過去について語り始めます。

オタク趣味の2人は小学校3年生の時に、いじめをきっかけに仲違い。安芸くんは嘘をつけないので正攻法で、英梨々は表と裏を使い分けて隠れオタクになることで、いじめを解消しようとしました。安芸くんは正攻法でオタクの居場所を勝ち取りますが、英梨々は結局戻ってこず、お互いに恨み・悲しみを残して決裂。

結局、今回も主張は平行線で仲直り出来ませんでしたが、安芸くんの喝で英梨々はクリエイターとして安芸くんのNo.1を目指す決意をし完全復活することとなりました。

 

◼︎エピローグその一 

登場キャラ:安芸、英梨々、出海、伊織

加藤さんのワガママ②を完遂するため、出海ちゃんと英梨々が会うことに。謝罪しつつ、宣戦布告していくところが、英梨々らしいです。

 

◼︎エピローグその二

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽

サークルカットを作成。サークル名は『blessing software』:恵ソフトウェアに決定。

 

◼︎感想とか

3巻の見所は、『加藤さんの正妻オーラ』『英梨々の選択』2つかと思います。

 

3巻の加藤さんは、殆ど安芸くんと共に行動しつつ、適切な人を呼び出したり、最適なアドバイスをしたりと、多少毒気はありますがメインヒロインの位置は全く譲る気がなさそうです。あまり目立っていませんが、気付くと正妻感がハンパないです。

 

英梨々は3巻で『安芸くんのNo.1イラストレーター』を目指す決意をしました。安芸くんは、ファン(信者)になったクリエイター(作家、原画家など)を恋愛対象から除外する傾向があるので、皮肉にもこの選択が英梨々のメインヒロイン化最大の障害となります。

今回は英梨々回でしたが、全ヒロインの中で英梨々が1番メインヒロインの座に着くまでの障害が多いキャラだと思います。ここまで関係性が絡まっていると、なかなか厳しいですね

ただ、本作においては詩羽先輩同様、ストーリーに動きを付けてくれるキャラなので、何らかの形で幸せになってくれると嬉しいです。

PS vita:冴えない彼女の育てかた

 

PS vita版『冴えない彼女の育てかた』

ゲーム版シナリオが気になったので、PSstoreでダウンロードしてプレイ開始。

 

以下、原作との大きな違いまとめとエンディングのネタバレがありますので、ネタバレNGの方は引き返して下さい。

 

 

ゲームはアニメ1期終了後、4巻の美智留のエピソードが終わった時点からスタートします。

 

《加藤ルート》

◼︎原作との相違点など

5巻シナリオとは別軸になる為、瑠璃ルートや安芸くんの書いたグランドルートは存在しない。

・冬コミのゲームシナリオは、2巻シナリオで改稿したシナリオがベース。

・英梨々の急病+7枚の神CGイベントも発生しないため、原画は普通のレベルで完成。

・冬コミでの評判はまずまずで、昼前には完売。

・茜さんは登場しません(英梨々、詩羽先輩の脱退なし)。

・ライバルである伊織くん達のゲームに、内容と売上共に敗北。更に、冬コミ後に大容量の追加シナリオ及びCGを発表され差を開けられる。

 

 

伊織くんのサークルに完全敗北。

加藤さんと安芸くんは、自分達の担当しているスクリプトや、演出部分で特に大きな差が出ていることに気づきます。

安芸くんは本格的に演出の勉強を始めますが、何が良い演出なのかが全く分からなくなり、大スランプに陥ります。

スランプの原因は『加藤のことが分からなくなった』から。クラスメイトの皆とカラオケで遊ぶ、普段見ない加藤さんの姿を見て、安芸くんは混乱してしまいました。

加藤さんのことが分からなくなり、更に加藤さんをモデルにした巡璃、瑠璃についても分からなくなって、自信がなくなっちゃったみたいです。

~エンディングエピソードへ~

 

◼︎恋ってなんなのさ?

(加藤 normal end

スランプの原因は加藤さんへの恋だと詩羽先輩より教えられた安芸くん。ただ、加藤さんと話してみても何も感じず、やはり気のせいではないのかと疑います。

詩羽先輩に設定されるまま、加藤さんと六天場モールへお出掛け。そこで安芸くんは、加藤さんの仕草を脳内変換し、自分好みの萌えヒロインへ変化させるスイッチに目覚めます。

1日かけて習得した変換スイッチを活用して、自分の理想像を具体化し、ゲームシナリオ修正へ活用します。おかげでゲームシナリオは洗練され、2月の販売会では伊織くんのサークルと同等の評価をされるにいたりました。

 

ただ、あくまで理想なのは脳内の加藤さんで、現実の加藤さんではなく。現実の加藤さんを見るたびに、あくまで理想は存在しないことを突きつけられ、安芸くんは寂しい気持ちになります。。。

 

◼︎明けない夜もある①

スランプの原因は、現実の加藤さんを気にしすぎていただけだと気付いた安芸くん。これからは二次元だけを見つめると宣言。

開きなおって、巡璃と瑠璃を安芸くんの好みの萌えヒロインになるよう修正してしまいます。

修正されたヒロイン達を見た加藤さんは、どことなく寂しそうな顔。

「なんか安芸くんが遠くに行ってしまった気がするよ

1年前に『俺は、お前を、胸がキュンキュンするようなメインヒロインにしてやる!』と言っていた安芸くんはもう居なくなってしまいました

 

◼︎明けない夜もある②

スランプの原因である加藤と巡璃・瑠璃のキャラの違い。これは、安芸くんだけでなく、シナリオ担当の詩羽先輩、イラストの英梨々の要素も入っていることに気付く。

つまり、安芸くんは加藤さん、詩羽先輩、英梨々の3人みんなが好きなのだという結論。みんなダイスキダー!

それを後ろで聞いていた美智留さんがお怒りになり、ドタバタしつつも何とかスランプを脱出。無事、2月の販売会に出店できましたとさ。

 

◼︎冴えてる彼女

(加藤 good end

スランプの原因は安芸くんがリアルの加藤さんのことで知らないことが多すぎるからということに気付き、加藤さん自身に巡璃、瑠璃の演出を依頼。

加藤さんが自身で演出したキャラは、加藤さん自身のような印象をプレイヤーに与えてしまい、あまりにも他のシナリオのキャラとブレてしまっていた。結局加藤さんの演出部分は総ボツに。

ただ、加藤さんが演出したキャラ(=リアル加藤さん)に萌えを感じたことから、リアルの加藤さんへの好意があることに安芸くんは気付きます。

特に告白などはしませんが、次回作含めて引き続き加藤さんをメインヒロインにしていくと宣言。

加藤さんが風の音に紛れて何かを呟きますが、安芸くんは聞き取れません。本人曰く、『宣戦布告』らしいのですが…。

安芸くんに対して『絶対ドキドキさせてやる!』とかでしょうか?分かりません。。。

メンバーも欠けることなく、これからも頑張っていこうエンド。

 

◼︎感想など

加藤さんルートを攻略。他のヒロインルートをクリアすることが条件でしたので、大変でした。サブヒロイン→メインヒロインの順。伊織くん方式ですね。

 

メインヒロインのエピローグですが、安芸くんがリアルの加藤さんへの恋心を自覚して、これからも一緒にゲームを作っていく~というハッピーエンドでした。

クリアしてみて思ったのは、原作の展開との違いについてです。

 

原作6巻から7巻で描かれた、加藤さんと安芸くんのケンカと、茜さんによる英梨々・詩羽先輩の引き抜き。かなり辛いイベントですが、これらの事件があったからこそ、11巻とか12巻(後半巻)の加藤さんのメインヒロイン的な魅力が輝いて見えるのだと実感しました。

 

今回のゲームでは、冬コミ後の加藤さんとのケンカもなく、茜さんも登場しません。その分加藤さんの感情が表に出るようなシチュエーションがなく、人物描写が浅いままエンディングになってしまう印象でした。

 

でも、サークル外のクラスメイトと話す加藤さんなどレアな描写もあったので、一見の価値ありなゲームだったと思います!

 

PS vita:冴えない彼女の育てかた

 

 

PS vita版『冴えない彼女の育てかた』

ゲーム版シナリオが気になったので、PSstoreでダウンロードしてプレイ開始。

 

以下、原作との大きな違いまとめとエンディングのネタバレがありますので、ネタバレNGの方は引き返して下さい。

 

 

ゲームはアニメ1期終了後、4巻の美智留のエピソードが終わった時点からスタートします。

 

《美智留ルート》

◼︎原作との相違点など

5巻シナリオとは別軸になる為、瑠璃ルートや安芸くんの書いたグランドルートは存在しない。

・冬コミのゲームシナリオは、2巻シナリオで改稿したシナリオがベース。

・英梨々の急病+7枚の神CGイベントも発生しないため、原画は普通のレベルで完成。

・冬コミでの評判はまずまずで、昼前には完売。

・茜さんは登場しません(英梨々、詩羽先輩の脱退なし)。

・ライバルである伊織くん達のゲームに、内容と売上共に敗北。更に、冬コミ後に大容量の追加シナリオ及びCGを発表され差を開けられる。

 

 

伊織くんのサークルに完全敗北。

加藤さんと安芸くんは、自分達の担当しているスクリプトや、演出部分で特に大きな差が出ていることに気づきます。

安芸くんは本格的に演出の勉強を始めますが、何が良い演出なのかが全く分からなくなり、大スランプに陥ります。

スランプの原因は『加藤のことが分からなくなった』から。クラスメイトの皆とカラオケで遊ぶ、普段見ない加藤さんの姿を見て、安芸くんは混乱してしまいました。

加藤さんのことが分からなくなり、更に加藤さんをモデルにした巡璃、瑠璃についても分からなくなって、自信がなくなっちゃったみたいです。

~エンディングエピソードへ~

 

◼︎これからとこのまま

(美智留 good end

1月に美智留以外と慰安旅行で来た温泉に、美智留に誘われて宿泊。

部屋で美智留に提案されて、安芸くんは巡璃(加藤)への想いを詩で表現することに。詩にすることで、安芸くんはこれからどうすべきか思い出し、スランプを抜ける。

その後、安芸くんの詩を男女ではなく女男に変えた曲を美智留がライブで披露。美智留からの想いが安芸くんに届く。

半年後、美智留の家族の許可も得て、安芸家にて美智留との嫁入り前提の同棲が開始。

 

 

◼︎感想など

3つ目は美智留のルートを攻略。

 

美智留の場合、原作でもそもそものエピソードが弱かっただけで、特に英梨々や詩羽先輩のような『付き合うまでに乗り越えないといけない壁』がなかったキャラになります。

加藤さんのように、好感度0からのスタートでもなく、初期から好感度MAXの幼馴染。

この情報だけだと、ただの救済キャラですね

 

エピソード的には、詩で安芸くんの悩みを解決して、その詩を更に曲にすることで告白するという、美智留らしい良いエピソードだったかと思います。

英梨々のサクッとしたエピソードより、こっちの方が好きかもですね。

 

エピローグもベタベタの押しかけ同棲エンドで、ハッピーエンド。

 

安芸くんにこの先どんな試練があっても、この幼馴染が近くにいてくれるなら、心強いだろうなぁと思うシナリオでした!