富士見ファンタジア文庫:冴えない彼女の育てかた 4巻 | ラノベの研究室

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冴えない彼女の育てかた 4

 

4巻について、ネタバレ含めて構成の考察などしていきます。

まだ本作お読みでない方は、引き返して下さい。

 

◼︎表紙

4巻の表紙は美智留。元気系幼馴染ヒロイン。またキャラ濃い幼馴染が増えます。まだメインヒロイン表紙は来ません。

◼︎プロローグ

場所:視聴覚室

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽

シナリオと原画がある程度進んできたところで、ゲームの組み立てが全く手付かずな状態だと発覚。安芸くんがスクリプトを担当することになり、消去法で加藤さんが音楽担当になりました。加藤さんにもちゃんと仕事振ってあげて

 

◼︎第1章 ラブコメだったら1冊に1度はお風呂シーン入れましょうよ(編集)

場所:安芸自宅

登場キャラ:安芸、美智留

お風呂シーン(覗き役:美智留、覗かれ役:安芸くん)にて初登場の美智留。バンドを結成していたのが親にバレてケンカし、安芸くんの家へ逃げ込んできたそう。年に2回は会う、露出過多の元気系幼馴染ヒロイン

前章で加藤さん音楽担当になったのに、早くも音楽要員現れました。加藤さん、メインヒロイン以外のポジションは奪われまくりです。結局、しばらく安芸くんの家に滞在することとなりました(南アフリカに転属になった叔母さん。お元気で)

 

◼︎第2章 そういえば、イトコ同士って結(ry

場所:視聴覚室

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽

美智留が来てから1週間後。安芸くんへのメールをたまたま加藤さんが見てしまったことで、サークルメンバーにも美智留の存在がバレることに。

実は美智留とは同じ日(1218日)に産まれたことも発覚し、英梨々は幼馴染としての格の差にノックアウトされてしまう。ついでに、安芸くんが加藤さん(メインヒロイン)の誕生日(923日)をスルーしてたことも発覚。うわぁ。

イトコとの関係を詩羽先輩に詰められますが、加藤さんも2巻の圭一くんエピソード時の安芸くんのセリフを引用改変して追撃。

『同い年のイトコってさ、あまりにも頑強な恋人フラグだと思うんだけどどうかな?』

 

◼︎第3章 いいか?先読みするなよ?ちゃんとラストで驚けよ?

場所:安芸自宅

登場キャラ:安芸、美智留

引き続き安芸くんの家に居候している美智留。美智留はオタクに偏見があり、安芸くんを脱オタさせたがっている様子。この日も口論しつつドタバタやっていたところ、美智留のオリジナル曲を聞いた安芸くんの様子が変わる。戸惑う美智留に対して一言。

『俺と一緒に、最強のギャルゲーをつくらないか?』

 

◼︎第4章 一週間でスプリクト習得とかないから

場所:安芸自宅

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽、美智留

美智留を音楽要員として迎え入れることにした安芸くんは、早速他のメンバーとの顔合わせをセッティング。予想通りバトる美智留と詩羽先輩(英梨々は2章から壊れたまま)。加藤さんはいつの間にか安芸くんの家の台所も自由に使うようになり、ますます確固たる『安芸くんのメインヒロイン』ポジを構築。

会話の流れで美智留と安芸くんの過去のエピソードが披露。山奥で足を挫いた美智留を探し出し、おんぶして家まで連れて帰ったという、以前(2巻第1章)で安芸くんが加藤さんを責め立てていた際の内容と丸かぶりしていたことから、加藤さんは静かにお怒りになりPCハードディスクのデータを吹き飛ばしてしまいます。

美少女ゲーム『みずいろ』には、初回プレス版をアンインストールするとHDDが初期化されてしまう伝説のバグがあります。

今回のネタ元かと思いますが、事故なのか加藤さんの故意なのかは不明です

 

◼︎第5章 背景使い回しはゲーム制作において必須の技術です

場所:安芸自宅

登場キャラ:安芸、美智留

引き続き安芸くんの部屋。4巻はここでの描写ばっかりです。そして5章は、毎度おなじみの主人公がヘタれるターン。

美智留がバンドを続けられる条件は、安芸くんがマネージャーを引き受けること。安芸くんも美智留にゲーム音楽を担当してもらいたいため、両者の思惑は平行線に。

言い合いになりつつも、美智留は安芸くんへ『他のサークルメンバーは、安芸くんに無理に合わせているように見えた』と伝え、不信感を煽ります。安芸くんも美智留の煽りにヘタってしまい、今のサークルは歪なのかもしれないと迷い始めてしまうのでした。

 

◼︎第6章 同じレーベルだとネタの貸し借りがしやすくていいよね

忘れた頃に追加、サークル瓦解の法則⑦:代表にだけ連絡がない。ヘタレている時に限って、メンバーの都合が悪く活動できず、更に安芸くんは迷います。

結局1人では解決できないので、深夜に加藤さんへ相談することにした安芸くん。電話しようとした所で、加藤さんからスクリプトが組まれた一部シナリオデータが送られてきていることに気付きます。

非オタの加藤さんも、安芸くんのスクリプトの本を借りて勉強し、積極的にゲーム制作へ参加してくれていることを知って、迷いはなくなります(ついでに、4章でバレたイトコとのエピソードに対する皮肉も受け取ります)。加藤さんと相談して、美智留さんをサークル加入させるため、一計を投じることに。1つのイヤホンを2人でシェアして、いい雰囲気です。

 

◼︎第7章 ちょ!?最終章で新キャラ3人とか!(深崎)

場所:ライブハウス

登場キャラ:安芸、加藤、英梨々、詩羽、美智留、トキ、エチカ、ランコ

実は美智留以外の3人がオタクだったことで、気付けばオタク界デビューさせられた美智留。最初は安芸くんに怒りますが、結局ライブが盛り上がって大円団。ゲーム音楽も担当することになりました。

ライブハウスからの帰り道、加藤さんと英梨々はそれぞれを名前呼びすることを約束。親友になります。ただ、英梨々は安芸くんが好きで、加藤さんもメインヒロインポジは譲る気がない以上、後に揉めることは必然で。詩羽先輩も分かっていたから、加藤さんに助言してくれたんですよね。

英梨々はこの時点では気付いていないようですが、加藤さんの方はある程度覚悟を持った上で親友になることを選んだように見えます。

 

◼︎エピローグその一 

登場キャラ:安芸、美智留

ライブ成功後の安芸くんの部屋。しみじみと直近の出来事を振り返り、いい話で終わろうとしています。結局、安芸くんの徹夜アニメ鑑賞会が始まってしまうのですが

あと、美智留が『来年の春』フラグを立てました。

 

◼︎エピローグその二

登場キャラ:詩羽、町田

次巻への引き。次は一周して詩羽先輩のエピソードになりそうです。

 

◼︎感想とか

4巻は美智留の加入がメインのストーリーになっていますが、実は重要な所は他のシーンにあったように感じます。

スクリプト及び演出作業で加藤さんがサークルの作業へ本格参戦

:実際のゲーム作りでは、今まで殆ど参加できていなかった加藤さんが参戦。地味ですけど、加藤さんが積極的にサークルへ参加している数少ない描写。

②加藤さんと英梨々の友情成立

:加藤さんは後々揉めることをある程度予測しつつも、英梨々からの友達申請を受け入れることに。自身がメインヒロイン枠に少し固執しつつあることを自覚し、英梨々が安芸くんのことを好きなのも理解している分、申請の受け入れは覚悟が必要です。4巻で最も重要なイベントだったのではないでしょうか。

 

裏が重要だった分、美智留のエピソードはサラリと流れてしまった印象ですが、美智留自身のスペックが高いので、これくらいの扱いで丁度バランスが取れるのかもしれません。

それぞれの関係や感情の少しずつ変化を、コメディを交えつつ細かに描写されていて、いい作品だなと感じます。