「点検営業」ってこのことだったのか。 | みゃもが行く!

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パンクな性格、ソウルなヴォイス。

土日に帰省して、老母と一緒に昼食後をのんびりしていた時分のこと。
ピンポンが鳴った。
この時間帯に郵便や荷物が来る手配もしていない。
と、誰かが来た。
割烹着を来てダウンベストを来て、薄手のマフラーを巻いて、いかにも家事をやっている「ザ・おばちゃん」の格好で玄関に出ていくと、中年男性がそこにいて、J:COMの営業部の名刺を渡された。
「突然申し訳ないですが、あそこのケーブルの件でお邪魔しました」と言い「あそこにケーブルがひかれてますよね」と向かいの家方向の空のほうを指す。
細い電柱が立っていて、そこから何本かケーブルが伸びてはいるが、そのうちのどれのことを言っているのかはわからずに「なんかありますね」と答える自分。

「実は、あのケーブルは、以前、この辺に発生した電波障害が原因でテレビが見られなくなったお宅があったので、その時にひかれたケーブルなんです。でも、その後、ケーブルをひいたこととは別に、電波障害の原因が解消したので、本来ならあのケーブルは外してもいいところなんですが、せっかくひいてあるので、他の用途への転用を予定していまして、そのご説明に回っています」とのこと。
はあ、そうなのか、と思っていると、その転用については詳しく説明をしたいので、日をあらためて訪問したいのだが、都合のいい日時はあるかと聞かれた。
火・水が休みなので、土日でも大丈夫と相手は言う。
「え?今、説明されるのではないんですか?」と聞くと「ちょっと説明に時間がかかるし、寒い時期なので、家に入れて頂きながら、少しテレビも確認しながら話させてもらえないか。後日あらためてで構わないので」と来た。
あ、そうですか、と思って、じゃあ来週の日曜もこの時間なら自分がいますのでと言うと、本来、ここの家の方はどなたですか?と。

ここは母の独居ですが(実は少し違うが説明がめんどくさいのでそう言った)高齢で耳も遠いので、時々様子を見に来ているんですと答えたところ、ああ、ご高齢なのでお母さまだけにご説明してもよろしくないので、じゃあ来週またお目に書かれますか?とのこと。

日曜の午後の時間を指定すると、その時間帯をくれた名刺の裏に書き、またこちらに渡してくれた。
「もしも都合が悪くなるようであれば、日時を再設定しますので、この名刺の携帯電話にご連絡下さい」と相手が言った。

こちらの電話番号も聞かれたので、自分の携帯電話番号を伝え、じゃあまた来週、これくらいの時間で、ということで彼は帰って行った。

「じゃあ来週のこの時間に…」とやってしまったが、


土日なので帰省して、老母と一緒に昼食後をのんびりしていた時分のこと。
ピンポンが鳴った。
この時間帯に郵便や荷物が来る手配もしていない。
誰かが来た。
割烹着を来てダウンベストを来て「ザ・おばちゃん」の格好で玄関に出ていくと、中年男性がそこにいて、J:COMの営業部の名刺を渡された。
「突然申し訳ないですが、あそこにのケーブルの件でお邪魔しました」と言い「あそこにケーブルがひかれてますよね」と向かいの家方向の空のほうを指す。
細い電柱が立っていて、そこから何本かケーブルが伸びてはいるが、どれのことを言っているのかはわからずに「なんかありますね」と答えると「実は、以前、この辺で電波障害の申告があってテレビが見られなくなったお宅があったので、その時にひかれたケーブルなんです。でも、その後、ケーブルをひいたこととは別に、電波障害の原因が解消したので、あのケーブルは外してもいいところなんですが、せっかくひいてあるので、他の用途への転用を予定しているんです」とのこと。
はあ、そうなのか、と思っていると、その転用について説明をしたいので、あらためて回ってきたいが、都合のいい日時はあるかと聞かれた。
火・水が休みなので、土日でも大丈夫と相手は言う。
「え?今、説明されるのではないんですか?」と聞くと「ちょっと説明に時間がかかるし、寒い時期でもあるので、家に入れて頂いて、少しテレビも確認しながら話させてもらえないか。後日あらためてで構わないので」と来た。
はあ、そうですか、と思って、じゃあ来週の日曜もこの時間なら自分がいますのでと言うと、ここの家の方はどなたですかと聞かれたので、ここには母が一人で住んでいるのですが、高齢で耳も遠いので、時々様子を見に来ているんですと答えたところ、ああ、ご高齢なのでお母さまだけにご説明してもよろしくないので、じゃあ来週またお目に書かれますか?とのこと。
くれた名刺に来週の午後の時間を書き、また渡してくれた。
「都合が悪くなるようであれば、この名刺の携帯電話にご連絡頂けたら、また再設定します」と相手は言い、こちらの電話番号も聞かれたので、自分の携帯電話番号を伝え、じゃあまた来週、これくらいの時間で、ということで彼は帰って行った。

「じゃあ来週のこの時間に…」と確かに言ってしまったとはいうものの、寒いのは寒いとしても、ケーブル転用の説明のためにうちの中にはいってきて、テレビも確認しながら、というのはどうも釈然としない。
確かに実家には、5~6年前に電波障害の件で総務省から案内のチラシなどが来ていたことはあった。

しかし、それよりなにより、数年前の大きな台風被害に見舞われ、自宅のテレビのアンテナが倒れてどこかに飛んで行ってしまったことが大問題だった。

母の唯一の楽しみであるテレビが見られなくなる大ピンチに陥ったため、思い切って実家のネット環境を変え、ひかりTVにしたので、もうアンテナも電波障害も関係ないはずなのだ。
どんどん疑念が膨らんだので、もらった名刺をよく見て、書かれているURLを検索しても、普通にJ:COMのサイトしか出てこない。
もらった名刺には営業部のダレソレと書かれているが、そんなケーブルの転用の話を技術者でもない営業部の人がしに来るって、なんか変だ。
外回りの人には本当に敬意を表するが、これまで、外のことで何かあった場合の説明を聞くために、家に靴を脱いで上がってもらったことはない。
きちんとした予定していたネット回線の付け替えや電気器具の取り付けみたいに、家の中で実際に作業がある場合を除き、説明のためだけに家を上がると言われると、やっぱりおかしい。

老母と、怖いものなしのおばちゃんではあるが、物騒な世の中だし、女2人の家に上がり込ませるというのもとだんだん不安になってきた。
何か本当に説明が必要とか、説明された後で同意が必要な内容なのであれば、メールか紙の郵送をお願いしてやれと思い始め、月曜に電話することに決めた。

そして、月曜。

いろいろとネットで調べていると、どうもJ:COMは、戸建てよりもマンションを中心に「点検商法」と言われるような「点検に来ました」方式で訪問の糸口を見つけ、最終的にはJ:COMの勧誘に回っているらしいという内容にいくつも行き当たった。
あー、これか…と思った。


ともかくもらった名刺に連絡し、そういう営業なら不要とはっきり言おうとしたが、電話しても出ない。
出ないだけではなく留守電にもならない。
まあ、来週までに通じれば断れると思ったが、なにせこういう件ではいつまでもボールを持っていたくない。
お昼に自宅に帰り、自宅からその電話番号に電話したら、留守電になった。
なので理由も言わず「来週、日曜の午後に来られるということでお話ししていましたが、すみません、キャンセルをお願いします。日時変更ではありません。キャンセル、ということです」と録音した。
それだけでは不安なので、J:COMのカスタマーセンターにも連絡しておこうと0120に連絡したところ、これもまた「オペレーターと話す」というIVRの選択肢までには漕ぎつけたものの、そこから先が出ない。
そのうちに電話が鳴って、恐らく例の営業さんからの折り返しだと思ったが、カスタマーセンターのここまで来たので、そのまま待っていようと思ったら、一向に出ないので切電した。
すると、さっきカスタマーセンターへの架電で先方の対応待ちの間に、営業さんが留守電に録音をされていたのだが「キャンセル、わかりました。来週はおうかがいしませんので。また何かあればご連絡下さい」で終わっていて拍子抜け。

いやいや、やはり「こんなのあり?」と思ったら、まずネット先生に聞くべし、を実感したプチ事件(未遂)なのであった。