広縁から外を見ると道に弾丸の如く飛び出し
風を切って走り抜ける者がいる。
またたく間の出来事である。
ウッドデッキ側から見わたすことができる。
女学生は下から登ったり、上から降りたり
何度も同じことを繰り返し走っている。
オレは前後を忘れて眺めている
太陽は光線を女学生の足の皮膚に投げかけ
足は美しく輝いていた。
足音を聞きつけ女学生の足下を見つめ
まじめな顔をして
シューズがメラメラと燃えて
まるで炎のようだ🔥
シューズが大好きなご主人様は
おおいに感動した様子である。
夜、玄関に好物があるかとのぞく。
あると人目を忍んで紐に力を込めて
食い付き飲み込む。
次の日、ご主人様はまたやられたと
思いながらうつむいて
うまい具合にかみ切っている。
左右が違って面白い。
今夜はシューズは下駄箱に入り
玄関に転がっていない。
赤いバラは花びらが散り始めた