間違いだらけの東日本大震災復旧復興戦略【その1】
誠に残念なことではありますが、政治主導を掲げた官邸は、事態を収拾できす、戦略不全に陥っています。緊急提言の前に、
官邸の初動対応における致命的なミスを指摘しておきましょう。
それは菅総理が非常事態(有事)を認定せず、緊急対応が後手後手に回ってしまったことです。言うまでもなく、東日本大震災は、被災者の人数、被害の規模も範囲(エリア)も阪神淡路大震災をはるかに越える大災害であり、戦後の最大の危機です。特に大津波によって、被災者の救助や行方不明者の捜索に大変な負荷がかかっています。菅総理は、直ちに被災者の救出、避難、保護のための緊急態勢を整え、総力戦で臨むべきでした。そして、壊滅的被害を受けた被災地の市町村は、行政機能が喪失している以上、官邸が司令塔となって、米軍の協力を得ながら、自衛隊や警察を直接指揮を執るべきだったのです。さらに官邸は、被災者を緊急避難的に保護した後、速やかに津波で全滅した地域周辺の被災者及び住民のうち、首長、地方議員、市町村職員、警察官、消防署員、医者・看護師、そして被災地で捜索、救助、治安維持等に貢献できる健康で体力の方を除き、被災者全員を西日本に移動してもらうべきでした。遅くとも3月15日(火)、すなわち、原発事故処理の長丁場が確実になった時点で決断し、移動作戦を開始しなければならなかったのです。阪神淡路大震災では、建造物の崩壊によって死傷者が大勢いましたが、東日本大震災の場合は、津波が死亡原因のほとんどなので、津波から避難した生存者は無傷だったのです。ところが、その生存者の中から病院や避難所において震災(災害)関連死との疑いがある死者が相当数(NHKの報道によると既に500人を超えているそうです)出ています。ライフラインが壊滅した避難所の劣悪な衛生環境に加え、物資も薬もないため、病人や高齢者への二次被害が発生してしまったのです。結論的に言えば、東北地方の地域拠点病院や大学病院だけで対応できる状況ではないのです。岩手県は九州・中国地方、宮城県は関西地方、福島県は中部地方、その他地域は関東・甲信越地方、とそれぞれ担当地域を分け、自衛隊や警察の誘導によって、被災者は二週間以内に集団移転するべきでした。火山噴火によって三宅村の住民は全員避難したわけですから、二週間あればできないはずはありません。3月15日には、生存可能性が高いとされる大震災後の72時間は経過している以上、福島第一原発周辺の住民とともに、一斉退去に振み切るべきだったのです。この場合、避難勧告より強い(強制力が伴う)かたちでないと意味がありません。当然被災地の場合は、行方不明者の捜索や治安維持などのため、地元の事情に精通した方も必要なので、健康で体力のある方は除きます。こうした独善的な強硬策は、野党やマスメディアは非難や批判を浴びせるでしょうが、菅総理のやるべきことは、非常事態宣言で「有事」を決定し、超法規的措置を取り、国民の生命を守ることを最優先しなければならなかったのです。
1 最終更新日 : 2011-05-15 10:03:46
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間違いだらけの東日本大震災復旧復興戦略【その2】
行方不明者も多いことから、被災地への残留を強く希望される被災者もいるでしょうが、被災地の復旧・復興の担い手である市町村職員、警察官、医療・介護従事者なども全員被災者なのです。大勢の被災者が被災地に留まれば、被災者の保護や生活支援と復旧・復興の二正面作戦を余儀なくされ、精神的にも肉体的にも限界に達し、過労死さえ想定されます。集団避難の長期化が予想されることから、孤独死にならないように、コミュニティ(集落や地域)単位とした移転など、被災者に対して配慮しつつも、地元を離れた経験がない高齢者が多いことから、代替地を用意した上で強制的措置も必要だったのです。ところが、日本政府は国民を真正面から真摯に説得しようとせず、非常事態宣言から生じる様々な軋轢から逃げてしまったため、被災地は一層混乱を極め、そして生き残った被災者は余震の恐怖に怯えながら避難所を転々とさせられたあげく、石巻市役所に至っては、役場を避難所代わりにしていた被災者全員の退去を求めるという苦渋の決断をせざるを得ない羽目に追い込まれてしまったのです。結局、経済的余裕があり、健康な方が先に退避してしまい、弱者だけが被災地に残される、まさに最悪のパターンです。
これ以上、民主党の失策をあげつらってところで詮無い話です。
思考停止の「生殺し」策は、八ッ場ダムや沖縄普天間基地でもわかるように、民主党政権のお家芸です。では、議論を前に進めましょう。本稿のアプローチとしては、個別の論点を取り上げ、その問題点とその問題解決に向けた示唆を抽出、整理した上で、最後にトータルパッケージとしての戦略を提示することにします。
先ずは、
被災者の保護や生活支援です。さきほど私は西日本への集団移転を主張しました。遅きに失している感じはありますが、今からでも、病人、高齢者、子供(学生)及びその保護者・介助者は、一旦被災地から離れた内陸部や東北・関東各県(秋田、山形、青森、新潟、群馬、栃木の中で、ライフラインが毀損していない地域など)に集団での移転に協力してもらうべきでしょう。被災者からすれば、何故そこまで不利益を被るのかと憤る気持ちは理解できますが、大津波で全滅地域に仮設住宅を用意することは残念ながら不可能です。避難所暮らしが長くなるつれ、病人や高齢者の体力は衰え、持病が悪化しても、被災地に近い病院では通常の医療行為は難しく、仮設住宅建設の最中に、二次被害の犠牲者が大勢出ることが予想されます。今回の大震災の被害がかつてないほど多大なため、復旧・復興の長期戦は避けられません。被災者に被災地からなるべく離れたところに避難してもらえれば、仮設の役場、事務所、商店、工場などを復旧の拠点建設に重点配分できます。被災者でもある市町村職員や警察官、消防署員、そして復旧・復興の担い手(被災地外から赴任にする医療関係者、建設従事者、その他専門家など)が被災地で復旧・復興業務に邁進できる環境を整えるべきです。
2 最終更新日 : 2011-05-26 09:55:29
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間違いだらけの東日本大震災復旧復興戦略【その3】
仮設住宅の入居に持病が重い高齢者を優先することは、一見人道的に思えますが、復旧・復興を遅らせるだけです。ライフラインが壊滅し、物資やマンパワーなど全てが不足している被災地において、精神論だけで乗り切れる状況ではないことを直視するべきです。また、被災地で早く復旧・復興を着手するためには、早急に金を配る必要があります。例えば、身寄りを頼って避難地を見つけられる被災者(自主避難を含む)には、見舞金(仮払)を支給(一人当たり100万円)し、その金を持参して、しばらくの間、避難地で生活してもらいます。既に一千億円を超える金が日本赤十字等に集まっており、不可能ではないはずです。被災者の受け入れ先に必要以上の負担をかけたいため、あるいは避難先で安心して学校や病院にいけるはずです。また、そうした避難先を見つけられない被災者には、コミュニティ(集落や地域)ごとに集団移転を受け入れる仮住まいを西日本で探します。既に関西広域連合は被災者の受け入れを表明しております。被災者には、物資が豊富で、医療・介護の体制が整っている西日本に集団避難した上で、心と身体を癒していただき、その一方で被災地に留まった方々は、復旧・復興業務に従事し、雇用の場を得ることができます。なお、被災者の中には、病人・怪我人以外にも、震災孤児や、家族・親族など親しい方を亡くして精神的ケアが必要な方がいますので、別途専門家による特別対策チームを編成し、避難先の選定及び避難先でのメンタルケアの体制づくりを支援します。
さて、被災地の被害状況は、全階・半壊のパターンばかりではありません。死者・行方不明者は出ていなくても、ライフラインやインフラの機能不全に陥ったケースも多くあります。こうした地域では、がれきの撤去や、ライフラインやインフラの復旧にテコ入れすれば、後は資金を投入することで民間部門が動き始めるはずです。そして、自衛隊、海上保安庁、米軍、その他応援部隊は、全滅地域や福島第一原発周辺に重点的に投入します。地方自治体は、地方交付金の仮払金を地元や東北地方を地盤とする建設会社などに手付金として支払うことで、西日本から必要物資や機材を調達するなど、復旧のスピードは格段に上がるはずです。公共事業削減によって、建設会社の多くは資金繰りに苦しいでしょうから、ボランティア精神では限界があります。農林水産業は相当の時間がかかるでしょうが、工業(地元にある中小企業の工場)や商業(商店街)は、金さえあれば再稼働できる会社はあるはずです。マスメディアでは、元請会社や知り合いの会社の工場の一部を間借りして生産を再開したり、青空市場で商売を始めている商店主が紹介されています。物流の混乱は深刻な問題ではありますが、それでもやれるところから順次仕事を再開されることでしょう。その上で、ライフラインやインフラの復旧や、仮設事務所(臨時の工場、仮店舗、仮事務所)の建設が進めば、さらに事業を継続する環境は整ってくると思います。
3 最終更新日 : 2011-05-14 17:27:17
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間違いだらけの東日本大震災復旧復興戦略【その4】
なお、事業主が高齢等の理由で、被災地で再建する気力・体力が萎えてしまった場合、義援金を仮払いして、一旦立ち退いてもらい、その後農地の買い上げや金銭補償によって転居や廃業(現役引退)を支援する法整備の準備も同時に考えなければならないでしょう。もう少しマクロ的視点で、被災地の産業の復旧・復興(雇用維持を含む)について考えてみると、政策金融(信用保証協会を含む)の低金利(若しくは無利子)の貸し出し(10兆円規模)枠を用意し、仮払による貸し出しを順次スタートさせます。また、日本政府や日本銀行の発起人となった『<仮称>東日本復旧復興ファンド(15兆円規模)』を立ち上げ、国内外の官民の企業団体にも出資を仰ぎ、被災した企業に対して投資(増資などによる資本充実)や貸付を実施します。信用危機と連鎖倒産が引き起こさないように当座の資金繰りを支援しないと事業を継続できません。また、元請企業や得意先からの納入の確約がないと動けません。また、元請企業や得意先が被災していなくても、サプライチェーンの寸断や自粛ムードによる景気悪化も想定されますので、こちらにも緊急融資以外の様々な支援が必要です。例えば、経済産業省(その後は東日本復興院)や中小企業庁が専門家を派遣し、地方自治体が共同でサプライチェーンの回復をバックアップすると同時に、パイプ役となって、必要な情報を提供します。素材・部品メーカーなどでは、日本全国、そして世界へとつながっており、ボトルネックを解消しないと、経済活動の停滞がさらに拡大してしまいます。被災者の保護や生活支援だけでなく、産業の復旧にも目配りを怠ってはなりません。経済基盤を整えれば、自立できる被災者は増えるため、それが被災地を元気にするはずです。
なお、金融庁は、仙台銀行への公的資金の注入を決定しましたが、私はむしろ東日本復興院の傘下として設立する東日本再生機構で被災者への貸出債権を買い取る方法が良いと思います。仙台銀行の場合は、直接的被害が多いので、ある程度仕方ないのかもしれませんが、原則論を言えば、金融機関の財務体力によって、被災された事業者や住宅ローンを借り入れている方への対応が変わるのはフェアではないからです。最終的には、津波によって住宅が全壊した方は、債務減免など、特別立法で対応することになりますが、いずれにしろ、東日本復旧再生機構が一旦は引き受けるべきだと考えます。
さて、ここからは電力不足について取り上げましょう。計画停電については、経済界全体で一致して、西日本の拠点での稼働率を上げるほか、東日本の工場や拠点(店舗等)における生産の調整(特に輪番操業)の導入は不可欠です。しかし、多分それだけでは夏のピーク時は乗り切れないでしょう。そこで私の提言は、国の首都機能及び大手企業の本社機能を西日本方面に二年間限定で集団移転することです。
4 最終更新日 : 2011-05-12 18:19:35
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間違いだらけの東日本大震災復旧復興戦略【その5】
政府主導による大口需要家を中心とした大幅な電力削減策は、デフレと低成長が抜け出せずにいる日本経済へのマイナスの影響、特に国内総生産(GDP)の押し下げ効果を考えると、筋の悪い政策と言わざるを得ません。第一生命経済研究所の試算によると、実質GDPへのマイナス効果は今年度だけで最大0.7%、金額に換算すると約3兆円となり、これに機会損失を考慮すると、移転コストの方が安上がりなのは明らかです。特に気になるのが、単なる数字の問題だけでなく、その隙を狙って、韓国や中国といった海外勢に日本企業の牙城を崩されれば、例え数年後通常モードに戻ることができたとしても、円高の足枷(ハンデ)がある日本企業にとって挽回は難しいわけです。
首都機能移転の影響によって、天皇陛下始め皇族の皆様方におかれましては、誠に申し訳なく、また大変なご不便をおかけするとは存じますが、二年間は京都の然るべき場所(例えば、京都御所)にてご滞在いただきます。勿論、官邸、国会、最高裁判所は大阪に、中央官庁や各行政機関は、大阪、京都、神戸に分散します。また、各国大使館にも大阪に移動(既にそうしている国はあります)について協力してもらいます。こうすれば、ブラックアウトのような最悪のパターンでも被害を最小限に抑えることが可能になります。さらに言えば、国家の中枢を司るための建物や施設の耐震化など、首都が西日本に仮移転している間、首都直下地震への備えを施すこともできます。橋下大阪府知事は、首都のバックアップ機能を大阪が担うべきだとの持論ですから、大阪にとっての予行練習にもなります。そして、石原東京都知事には、東日本の守護神となっていただくと同時に、東日本での不測の事態に備えて、自衛隊や警察、消防などについては、相当規模の要員を首都近郊に配置します。また、首都機能の仮移転によって、諸外国や海外市場から、『日本の放射能汚染はそんなに酷いのか』との風評被害の拡大が懸念されますので、石原知事と犬猿の仲である蓮舫大臣は、特命大臣としてそのまま東京に常駐していただき、東日本の「顔」として風評被害を回復する役割を担ってもらいます。また、毎月福島産の野菜や茨木の漁港で獲れた刺身を使った料理番組にレギュラーとしてTVに生出演してもらい、その番組の中においしそうに食べてもらいます。勿論、経済の自粛ムードで苦しむ飲食店をフォローするため、東日本を視察し、函館の毛蟹、仙台の牛タン、喜多方ラーメンも食べていただければと思います。都内のコンビニ巡りより、日本のためになります。
さて、経済界はさきほども述べたとおり、生産調整だけでなく、西日本に本社機能を移転することを申し合わせ、集団移動によって混乱が生じないように、互いに連絡を取り合い、順次移動を開始し、夏が来る前に完了させます。
5 最終更新日 : 2011-05-12 18:20:41
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間違いだらけの東日本大震災復旧復興戦略【その6】
勿論、民間企業ですから、西日本方面ではあれば、名古屋でも福岡でも那覇でも構いません。アジア重視の観点から、九州に本社機能の拠点を移す企業もあるでしょう。さらにこの際だから、海外に本社機能を移転するケースが想定されます。雇用の空洞化の観点から決して望ましいことではありませんが、やむを得ません。これからの2~3年間は、公共事業予算は東日本の復旧・復興に重点配分することになるでしょう。よって、西日本は公共事業予算が削減されるマイナス効果を首都や本社の一時移転及び工場の稼働率向上によるプラス効果でカバーし、日本経済の全体のバランスさせます。
次に財源(資金調達)です。私は日本の国債残高を軽視しているわけではありませんが、日本国民の生命が日々失われている緊急事態に、国債残高だけを気にしている政府首脳の無神経さに唖然とする一方、民主党はバラマキ政策を止めようとはしません。さらに言うと、東日本大震災の復旧・復興に手間取り、日本の国力が衰えてしまえば、そもそも財政の健全化など絵に描いた餅です。さきほど述べたような予算措置や義援金・支援金の配分を急がないと、被災者の気持ちも萎えてしまうのです。先ずは、被災者の保護・生活支援と生活インフラ・産業の復旧・復興を最優先しなければなりませんから、復興(特例)国債による20兆円の財源を確保するべきです。巨額の国債増発となりますが、現時点では、市場の信認が揺らぐことはなさそうです。内閣府の試算では、16~25兆円ですが、原発事故に伴う国の負担は想定されていません。また、政府系金融機関の特別融資枠(10兆円)は必要ですが、当然のことながら、回収不能分(被災者の生活債権のための債権放棄などを含む)が通常のケースを相当多くなるでしょうから、その分は税金で補填することになります。また、<仮称>東日本復旧・復興ファンド(15兆円)を政府系ファンドとして立ち上げ、政府が直接的に投資することにそぐわないケースに関してはこちらを活用します。ちなみに、国内外の民間の投資銀行や証券会社も、ビジネスチャンスとして復興ファンドを立ち上げることは間違いないでしょう。なお、ファンドの黒字分は復興国債の償還に充て、さらに、日本郵政会社の株式売却や公共サービス事業(上下水道など)などの現業部門の民営化、公務員給与20%削減、国会議員・地方議員の大幅削減、そして民主党のバラマキ政策の全面廃止などによって、財源を捻出します。それでも、原発関連の多額の補償金の支払いもあって、10~15兆円は国が負担することは避けられません。私は、復旧・復興に関するファイナンス(財源論を含む)は、あらためて詳しく取り上げることにします。多少予告的に言うと、<仮称>富裕税が望ましく、消費税は、社会保障に充てるためであって、復旧・復興の財源にはしません。なお、日銀には一層の金融緩和、例えば、東日本復旧復興ファンドが動き出すまでの間は、国債5兆円、リスク性資産5兆円、計10兆円の枠(基金)の増額が必要です。
6 最終更新日 : 2011-05-15 10:26:57
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間違いだらけの東日本大震災復旧復興戦略【その7】
では、『東日本復興院』について説明しましょう。総理、財務大臣、総務大臣、防衛大臣、官房長官ら重要閣僚がメンバーである東日本復旧復興戦略本部(本部長は総理大臣)は、特別立法及び補正予算(数回に及ぶでしょう)を国会に提出し、東日本復興院の設立(期間限定)と、復旧・復興予算(補正予算)を決定します。東日本復興院は、所管官庁や各地方自治体から、権限、予算、職員などを引き継ぎ、一元的に復旧・復興を進めます。なお、東日本復興院の総裁には、昔の土光氏のような財界の実力者を充てるべきでしょう。また、戦略補佐、財務・予算管理、広報・コミュニケーション担当の副総裁三人と、総裁・副総裁を補佐する理事(上級幹部)には、岩手、宮城、福島、三県以外(茨木、千葉など)、地域別責任者4人、東電(原発事故、計画停電、風評被害など)、産業、生活インフラ、防災の各担当4人、そして法務、安全保障・治安維持の各担当2人、総勢14人が東日本復興院を運営します。
また、東日本復興院には、内閣が直轄する組織として独立した強い権限を付与します。例えば、全ての被災地をそのまま復元ではなく、また、地元の市町村の希望に沿えない、もっと言えば、地元住民の私権(財産権)を制限するケースも想定されます。全壊地域に隣接している地域の住民には移転をお願いする場合や、あるいは、防災的視点から高台に移転してもらう場合もあるでしょう。また、死者や行方不明者が多く、また生き残った被災者にも、それぞれ新しい街づくりのイメージを持っているでしょうから、地元住民や関係者全員の合意にこだわれば、復興は成し遂げられません。さて、こうした東日本復興院が機動的に動くためには、政治(政権)を安定させるしかありません。民主党は、統一地方選に惨敗しましたが、直ちに自民党と公明党と政策協定(アコード)を締結した上で、期間限定(半年程度)で三党連立(大連立)政権を発足(国民新党とは連立を解消し、社民党とは完全野党として対応します)し、大幅な内閣改造に振み切るべきです。そして、半年後に話し合い解散(衆議院選挙)を行い、勝った政党が新内閣を発足し、来年度の予算編成を行い、復興のイニシアティブを握るのです。
菅総理に対する私の評価は歴代総理の中でも低い方ですが、それはそれとして、民主党が衆議院の過半数を占めている以上、菅総理には有能な民主党議員と民間人を登用した内閣改造を行い、最強の布陣で国難に臨んでいただきたいと思います。自民党と公明党は閣外協力が良いでしょう。連立の枠組みとしては、三党が合意(例えば、三党政策協議会での決定)すれば、両院の過半数の議決によって、東日本復旧復興戦略の骨子(特別立法、予算、財源など)と選挙制度改革(一票の格差是正<違憲状態の解消>及び議員定数削減)を成立させることができます、また、東日本復興院は強力な後ろ盾を得ることになり、仕事に邁進できるわけです。また、菅総理及び東日本復旧復興戦略本部もまた、実質的には三党政策協議会の傘下に入ることで、執行(行政機能)に専念する一方、政治家の復旧・復興利権への関与を排除するため、個別の予算執行は、東日本復興院の専権事項とします。
7 最終更新日 : 2011-05-14 17:35:54
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間違いだらけの東日本大震災復旧復興戦略【その8】
では、個別の論点について一通り触れたところで、東日本復旧復興戦略の全体像の説明に入りましょう。今回の東日本復旧復興戦略は、日本の新しい国家戦略の試金石と位置付けるべきです。つまり、三党は再生・再興の青写真(グランドデザインとロードマップ)とその実現に必要なファイナンス(資金調達・財源を含む)を具体的に提示します。国民は、その青写真を通して、三党がこれからの日本をどういう方向に導こうとしているのかを理解し、それを投票行動の判断材料とするわけです。三党は一旦政権与党になることで、被災者の保護・生活支援、被災地の復旧(例えば、補正予算<主に復旧部分>や暫定措置的特別立法)に関する応急策を講じた上で、選挙で国民の審判を受けるわけです。三党政策協議会では、どの党が政権を担うことになっても早く復興に着手できるようにするため、その前提となる復旧については協力しますが、最終的には解散(衆議院選挙)で国民の信任を受け、あらためて仕切り直します。東日本復興院では、復旧作業と並行して、地元意向を確認しつつ、様々な復旧・復興のたたき台を比較検討し、選挙結果によって国民の意志が示されれば、直ちに着手できるように準備を進めます。復旧に関しては三党政策協議会の合意によって東日本復興院が迅速に進めますが、復興については政党間の違い、対立軸を明確にした上で、三党が解散に向けた独自の政権公約(マニュフェストやアジェンダ)を準備します。税と社会保障、外交・安全保障、経済成長戦略と雇用のような従来の政策課題に加え、エネルギー政策の転換、防災、道州制、産業政策についても、様々な切り口で議論することになるでしょう。
例えば、自民党が「強い国(例えば、小泉・竹中路線:キャッチフレーズは構造改革)」、民主党が「やさしい国(例えば、鳩山・小沢路線:キャッチフレーズは生活が一番)」、そして公明党は、「強い」と「やさしい」の適度に組み合わせる中庸路線、といったようにメリハリがあるかたちで国民に選択肢を提起し、その投票行動の結果が、日本の将来と、東日本の復興ビジョンに反映されなければなりません。国民の支持を受けた新しい政権与党は、東日本復興院に具体化を指示し、東日本復興院は、本格的な復興フェーズへと入ります。繰り返しになりますが、日本国民は、東日本の復興を契機に、あるいは、それを通じて、自らの未来を、自らの責任で、新しく選択し直さなければなりません。
例えば、自民党は、日米関係強化と経済成長・規制緩和、具体的には、原子力発電は当面継続する一方で、日本の領海に眠っている海洋資源開発、中国のガス田開発に対する強硬路線、地域電力10社体制の抜本的再編、そして全滅地域や福島原発周辺をコアにしたゼロベースの新都市開発を推進する立場となるでしょう。一方、民主党は、アジア重視と成熟化の中の豊かさの追求・消費者保護、具体的には、原子力発電は段階的に縮小と、再生可能エネルギーへの強化、中国のガス田開発に対する穏健路線、電力会社は現状維持、そして、被災地について原状の復元を基本原則とする立場となるものと予想されます。
8 最終更新日 : 2011-05-15 10:29:18
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間違いだらけの東日本大震災復旧復興戦略【その9】
では、トータルパッケージとしての東日本大震災復旧復興戦略の説明に入りましょう。今回の戦略は大きく三つに分かれます。一つ目は三党連立による戦略、二つ目は三党がそれぞれ政権公約を提示し、衆議院選挙(解散)で雌雄を決する戦略、そして三つ目は、選挙で勝利した政党(政権与党)が、選挙戦を通じて集約した国民の意志や地元の意向を踏まえ、まさに日本版ニューディール政策ともいえる日本の再生・再興を具現化するための戦略シナリオを提示することです。では、順番に解説しましょう。
では、一つ目は三党連立による戦略、すなわち、被災者の保護と生活支援、そして、ライフラインの復旧などの応急的措置を速やかに行い、国民の生命と生活をある一定レベルまで回復する戦略です。戦略の柱は、義援金の早期の支払い、避難所暮らしゼロ作戦、ライフラインの復旧、原発問題の沈静化、組織体制づくりと金融支援・予算(財源)の確保、そして、国民に向けてのポジティブなメッセージです。
先ずは、避難所生活者ゼロ作戦です。私は西日本への集団移転を主張していますが、無理であれば西日本でなくても構いません。とにかく、被災者及び原発周辺住民には、仮住まい(一旦落ちつく場)や病院などを用意し、震災関連死やダメージから寿命を縮める被災者を一刻も早く救助しなけれはなりません。と同時に、義援金を早急に支給(仮払)し、生活の立て直しを支援します。早急に避難所暮らしとなっている被災者をゼロにすること、これを最優先にします。過度な自粛は日本経済を縮小するだけですが、避難所暮らしで苦労している被災者が大勢いる現状では、とてもじゃないが消費する気にはならないというのが多くの国民の偽らざる心境ではないでしょうか。そして繰り返しになりますが、仮設住宅は、津波で流され、壊滅状態の役場などの行政機能の復旧、裁判所、警察、消防などの公的機関や、そこで働く職員の拠点にしないと、被災地に金も情報もデリバリーできず、何も前には進みません。ライフラインの復旧については、自衛隊や米軍はGW明けあたりまでが限度でしょう。それまで、ライフラインの復旧に一定の目途をつけ、市町村や地元の民間企業にバトンタッチできるようにします。現地に金が降りてくれば、長年不況で資金繰りが苦しい建設会社も動けるようになり、雇用の場となるはずです。そして、こうした方々の消費が新たな需要となって、地元の商店にも金が廻り始めます。ライフラインが整えれば、多少インフラの復旧が遅れても、農林水産業は別にして、民間部門は自発的に動き出します。原発問題は、長期化が予想されるため、今すぐどうにもなりませんが、東電の完全国有化(後ほど詳しく取り上げます)によって、日本政府が前面に出ることで不安感を取り除きます。株式市場や社債市場の暴落や混乱を防ぎながら、完全国有化するやり方は幾通りもあり、したがって、日本政府は責任の所在を明確にするためにも完全国有化に踏み切るべきです。
9 最終更新日 : 2011-05-15 10:28:47
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間違いだらけの東日本大震災復旧復興戦略【その10】
ところで、野田財務大臣をはじめとする政府首脳の財源に関する発言が大変気になります。たしかに日本国債の残高は無視できない問題ではあるのですが、国民の生命と安全を最優先するという断固たる決意が感じられません。これでは、被災者は不安感を募らせ、国民の消費意欲は減退するばかりです。既に述べたとおり、復興国債、復興ファンド、政府系金融機関の貸出枠拡大など、必要な金をドーンと用意していることを内外に示し、日本経済の底割れを防ぐ覚悟を明確するべきです。電力不足は民間企業の自助努力には限界があります、電力に比較的余裕がある春先に供給部門を立て直し、早急に供給を増やさなければならないタイミングで、民間経済を委縮させるような雰囲気を醸し出すことに何のメリットがあるのか私は全く理解できません。GW中でも工場をフル操業するなど、急ピッチで増産しようとしている民間企業のマインドをバックアップする政策を最優先するべきです。こうした応急的措置を講じた上で、東日本復興院を創設し、中長期戦略の策定や縦割り行政を一元化した上でスピーディに実行する組織体制を整えます。そして、最後に、自粛ムードの払拭、日本は必ず再興するという強いメッセージを国内外に向けて日本政府には打ち出していただきたいと思います。日本国内の風評被害もさることながら、海外の風評被害も深刻です。外国人の来日が減るだけでなく、日本の農作物は全て放射能汚染されているような雰囲気が蔓延しています。今こそ日本の現実を日本政府が率先してメッセージを出すことです。福島原発しか日本の話題が海外から取り上げられないようでは、日本の再興はありえません。日本復活の狼煙と旗印を上げ、暗闇に一筋の光を照らし、強くで前向きなムードを醸し出すことが必要です、そうでないと、東日本大震災に日本が負けたことになり、犠牲となった方々も成仏できないでしょう。三党連立でオールジャパン体制を明確することが国民の安心につながります。
次に、衆議院選挙に向けた戦略です。莫大な国費を投入することになる東日本大震災復旧復興に際して、タイムラグがあるにしても国民も財政的支出増に伴う増税の負担は避けられません。したがって、被災者は勿論、国民全体の意志としてどのような復興を臨むか、その選択を迫られることになります。したがって、各政党は、衆議院選挙前に代表選を行い、総理(候補)として押し立てる新しい代表(総裁や党首)を選任し、その上で再生・再興の青写真とその実現に向けたファイナンス(資金調達・財源を含む)を提示する必要があります。絵空事のようなマニフェストはもうこりごりです。特に、政権与党となる可能性が高い、三党(民主党、自民党、公明党)には、実現が可能で、国民を鼓舞する政権公約を考えていただければと思います。
10 最終更新日 : 2011-05-14 17:32:47
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間違いだらけの東日本大震災復旧復興戦略【その11】
さて、自民党には国民の反発を恐れず、日本の新しい国のかたちをはっきりと提示してもらいたいものです。民主党は、大衆迎合的な政策の羅列となる疑念が払拭できないからです。私は被災者にはひんしゅくをかいそうですが、全壊地域周辺は、農林水産業の復旧は断念し、代替地に集約・移転した上で、空いたスペースは復興(経済)特区として再開発します。そして、世界最先端の企業を誘致し、シリコンバレーやスマートシティを創るくらいの意気込みでないと多額の投資を行う意味はありません。冷酷に思われるかもしれませんが、農林水産業だけでは投資の回収が難しい現実を直視するべきです。もし、全壊地域や福島原発周辺について、ゼロベースで創ると仮定するなら、当然のことながら、生活や産業のインフラを新都市に合わせた仕様にする必要があります。例えば、今回の東日本大震災とそれに起因する大津波には耐えられる防災の仕組みは用意するものの、それ以上は投資せず、むしろ、不測の事態を前提とした様々なバックアップ体制を整備します。例えば、ITを駆使して、全ての情報を西日本のデータセンターに自動的に保存・保管されるようにしておけば、人的被害を防ぐ危機管理システムを用意しておれば、最悪のケースは回避できます。
さて、解散総選挙の期間中であっても、東日本復興院の総裁が復旧作業の遅れがないように、あるいは、本格的な復興に向けた準備作業を進めているので、その間のタイムロスは最小限に留めることができます。そして、国民の声を聞き、その信任を得た政権与党が青写真と財源をセットにした特別立法と予算を成立させ、東日本復興院はそれに受けて戦略を策定し、実行するというわけです。
では、第3フェーズである復興戦略の議論に入りましょう。新しい政権与党の青写真が魅力的であれば、当然のことながら、国内外の民間部門から投資は活発に行われるはずです。例えば、東日本復興院が提示した戦略を元にした競争入札を行います。つまり、区域ごとに、前提条件を提示し、魅力的で、防災的視点でも申し分なく、斬新なアイデア(シリコンバレーでも、スマートシティでも、モノづくりの集積<クラスター>でも構いません)を含んだ事業者(当然一社単独ということではなく、不動産、商社、大手設計会社、ゼネコン、メガバンクや証券会社、投資銀行などのジョイントとなります)が落札し、かれきの埋め立てを含む、全壊地域を中としたゼロベースの再開発というかたちで被災地の復興を推進するわけです。当然のことながら、誘致のため様々な優遇策を用意します。こうして得られた収益金は、住居移転や廃業を余儀なくされた被災者がその後安心して暮らしていける<仮称>東日本大震災補償基金に全て組み入れられます。
11 最終更新日 : 2011-05-15 10:20:12
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間違いだらけの東日本大震災復旧復興戦略【その12】
地域によっては、再開発にそぐわない場合もありますので、それは県や市町村と相談しつつ、国費で復興を進めることになります。例えば、高台での住宅建設は必要不可欠です。被災者は、国の補償金だけでなく、各基金で、地元の高台に住居を建設し、新しい生活をスタートしていただくというわけです。今回の東日本大震災から得られた大津波の教訓、そして塩害等の被害を考えると、農林水産業は代替地への移転・集約は避けられず、その利害調整には、補償金も絡んできて、泥沼になる可能性もあります。地域でお互いに助け合い、支え合った同士のいさかいが予想され、何ともやりきれない感じがします。
さて、沈んでばかりもいられません。再生・再興に勢いをつけるためには、未来に向けた実験都市的な試みも面白いかもしれません。例えば、少子高齢化社会に備え、海外から移民を呼び込む、昔流でいえば、入植地にするという選択肢もあります。目覚ましい経済発展を遂げた将来の大国であるブラジルと協定を締結し、日系ブラジル人に永住していただくことなどが想定されます。また、英語を公用語とする復興特区を設定し、カジノ誘致(リゾート)や外国人の富裕層向けの医療ツーリズム(高度な医療施設)など、多くの外国人に仕事をしていただきます。インドネシアから来日された看護師のうち、日本語では不合格となった方もここでなら働けるのではないでしょうか。
被災地だけでなく、福島原発周辺をどう再生・再興するかです。第一は勿論第二も廃炉し、その際、石棺方式ではなく、核燃料及び原発及び関連施設の解体・移動した上で、その周辺も含めて、全ての土地を除染や土壌改良します。そして、がれきを埋め立て、自衛隊・在日米軍・国連軍(国連安全保障理事国入りへの戦略的布石です)の合同軍事基地、軍施設、訓練場所とし、沖縄に駐留している在日米軍の一部を移動することも考えられます。つまり、沖縄に集中している在日米軍を福島原発跡地に移転し、沖縄の普天間問題の抜本的解決に目指します。また、日本全国にある自衛隊や在日米軍の基地や軍事施設を再編し、全面返還ができる地域もあるでしょう。中国や北朝鮮に備えて、全ての沖縄の基地を移転することは地政学的見地から現実的ではありませんが、それでもかなり負荷は減らせるでしょう。嫌な言い方ですが、福島に公共事業予算が投入されるので、経済的メリットは大きいはずです。軍事施設による再生・再興では、地元の住民の皆さんは怒り心頭でしょうが、放射能を封じ込めるだけなら1年程度ですが、核燃料や原発施設の解体・移動には、5~10年といった気が遠くなるような長期間の作業が必要です。日本政府が責任をもって代替地を用意した上で、元々の土地は国(実際には、東日本復興院となりますが)が適正な価格で買い上げた方が現実な対応ではないでしょうか。また、高齢者で後継者がない場合には、廃業に伴う補償を加味したを代替案を用意します。金で済む問題とは思いませんが、こうしたやり方でご容赦いただくほかはありません。
12 最終更新日 : 2011-05-12 18:23:46
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間違いだらけの東日本大震災復旧復興戦略【その13】
さて、放射能汚染と風評被害で、日本を出国する外国人が急増しています。今後復旧・復興には地元住民だけでなく、多くの人手は必要です。現在、健康であってもスキルや経験が不足しているため、失業している方や生活保護を受けていた方が大勢います。放射能汚染や風評被害の収束には時間がかかり、来日する外国人は激減するはずです。そこで、時給千円でこうした方々にその穴を埋めてもらいます。当然、スキルや経験が不足していますから、雇用者(事業主<経営者>)としては、時給千円は払えません。そこで、都道府県ごとに決められている最低賃金までは、雇用者が負担し、不足分は国が補填します。
こうした雇用支援は国として相当負荷はかかりますが、それでも、時給千円もらえれば、生活を立て直せるきっかけになるかもしれません。日本でこれだけの大規模な公共事業予算が一気に投入されるのはこれが最後でしょう。これを雇用対策と結びつけるのは当然です。出国した外国人のうち、単純労働に従事していた方々の再入国を全面的禁止し、と同時に、外国人労働者の抜け道となっている研修制度などは即刻中止し、母国への帰国を支援します。また、不法滞在者の一斉摘発を徹底し、強制送還によって、国外に退去させます。その上で、移民政策や外国人の労働法制を抜本的に改め、気持ち良く日本で働ける環境を整備するべきです。日本もかつてのように豊かな国ではない以上、高度な技能や専門分野を有する外国人が、日本で仕事したいと思わせるためには、痛みが伴う改革を避けては通れません。蛇足ですが、日本国内にある外資系高級ホテルや外資が購入した不動産やゴルフ場などは、今回の混乱に乗じて日系の復旧・復興ファンドが安く買い叩き、日本を再生・再興した上で、高く転売し、その利ざやを復興の原資とします。「禍に転じて福と為す」のような不謹慎な言い方はしたくありませんが、ハゲタカファンドのやり口の逆手に取ったしたたかな対応も時には必要です。
ここからは、エネルギー政策を取り上げましょう。原子力安全神話がもろくも崩れ去った今日において、エネルギー政策の大転換は避けられず、そしてそれは日本という国のかたちを根本的に変えることになります。短期的には、企業が有している自家発電所の稼働率交渉による供給力アップしかありません。しかし、中長期的には、再生可能エネルギー、そして海洋資源(メタンハイドレードなど)開発について真正面から論じる必要があります。ちなみに、私が東電の完全国有化を主張しているのも、国策としてのスマートグリットやスーパーグリット(直流のため、周波数は関係ありません)のほか、海洋資源開発の将来を睨んだ戦略的布石でもあります。勿論、中国が尖閣諸島を狙っている本当の理由は、海洋資源(液化天然ガス)ですから、こちらについても外交戦略を立て直す必要があります。その上で、海洋資源開発に必要な莫大な投資(リスクマネー)の資金調達と、国内外の利害関係者との調整という難関を乗り越えなければなりません。
13 最終更新日 : 2011-05-12 18:24:16
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間違いだらけの東日本大震災復旧復興戦略【その14】
石油や原子力に代表されるエネルギー利権には、政官財のトライアングルに加え、大手マスメディアもどっふりとつかっており、もはや切っても切れない関係です。そのため、海洋資源開発について、様々な妨害工作が予想されます。そしてそれは国内だけではありません。脱石油、脱原子力について日本が本気で決断すれば、海外の大手エネルギー企業が本国政府へのロビー活動を強化し、「日本潰し」を目論む勢力との壮絶な頭脳戦が繰り広げられることになるでしょう。日本領海における海洋資源の埋蔵量は、国債残高は一括で返済できるほどですが、そのためには、国会議員を大幅に入れ替え、既得権益の利害関係を遮断することが先決です。原発事故については私の専門外なので、本稿では取り上げることができませんが、少しだけコメントしたいと思います。米、露、仏、中といった原子力大国の戦略は、核兵器と原子力発電が二枚看板です。日本の場合、核兵器は選択肢には入りませんから、完全な片肺飛行であり、被爆国という特有な問題とあいまって、様々な無理があったということでしょう。ロボット先進国であった日本が、原発事故の際に米国製のロボットに頼らざるを得なかったのも、米国の膨大な軍事予算を投入された成果として完成した軍事用ロボットは、皮肉にも危機管理には適していたわけです。ほか22迄・・
こんなに・・・考えている人いるんですねぇ・・
今の日本の政権は・・・・約束は守らない・・
嘘はつく・・・やめるって言ってやめない・・
何をいっても・・ムダと感じますけどねぇ・・・