野田首相が喜んだ「田中角栄との共通点」!!?? | 東京リーシングと土地活用戦記

東京リーシングと土地活用戦記

ニーチェ・ツァラトゥストラの言葉「神は死んだ、神なんかもう信じるな」「強い風が吹く所に一人で立て!そこは非常に厳しいけれど、人間自分自身が主人公だ!風を受けて孤独になれ!」「真理などない。あるのは解釈だけ」いいねー。スバム読者申請コメント削除します。

$東京リーシングと土地活用戦記


野田首相が喜んだ「田中角栄との共通点」

プレジデント 2011年10.3号

野田佳彦首相と田中角栄元首相には共通する点が少なくない。

若林亜紀=文

野田佳彦首相と田中角栄元首相には共通する点が少なくない。ひとつは「辻立ち」だ。田中氏は「辻立ち5万回」を信条とし、街頭演説を重視した。その手法を受け継ぐ民主党の小沢一郎元代表は、前回の衆院選で大勝を導いた。

一方、野田首相も、財務相に就任する前日まで24年間、千葉・船橋の地元駅前で「朝立ち」を続けた。野田首相の朝立ちを手伝ってきた落語家の三升家う勝(かつ)氏には、こんな思い出がある。

「野田さんと私は同じ5月生まれなんです。さらに田中氏や小沢氏、中曽根康弘氏も5月生まれという話になり、『5月はいいですよね』と言っていました」

田中氏は28歳で衆院選新潟3区で初当選。大蔵相などを歴任し、当時戦後最年少の54歳で首相になった。最終学歴は建築の専門学校である「中央工学校卒」だが「高等小学校卒」のイメージが強い。本人も大蔵相就任時に「小卒」をアピールして、国民の共感をつかんだ。

2人とも5月生まれ、54歳で首相になった
野田首相は29歳で千葉県議に初当選。1993年に衆院千葉1区(現千葉4区)から出馬し当選。財務相を経て、54歳3ヵ月で首相になった。52歳の安倍晋三氏、54歳2ヵ月の田中氏に次ぐ若さだ。民主党代表選の演説では「父は富山県の農家の末っ子。母は千葉・船橋の農家の末っ子」と話し、さらに自身の外見を「選挙区は都市部ですが、なぜかシティボーイに見えない理由はそこにあるかもしれません」と評して笑いをとった。泥臭い実直さをアピールしたいのか、自らを「どじょう」に喩えたのもこの時だ。

田中氏は自民党幹事長として、財界からの献金を差配することで力を得た。前任の佐藤栄作首相は「財界の男妾」と揶揄され、その後を襲った田中氏も金権政治への批判を受けて退陣に追い込まれた。

野田首相はカネを握る政治家ではない。2010年7月の閣僚資産公開によると銀行からの借入金が3589万円あり、公開時は「国も厳しいが、わが家も厳しい」と話した。握るのは国のカネだ。財務副大臣時代に仕えた若手官僚が話す。

「藤井、菅両財務相の下で、政権交代して初の予算編成や税制改正大綱のとりまとめを仕切っていました。部下が失敗してもイライラせず、ねぎらいの言葉をかけることを忘れない。器が大きく協調的で、しっかり判断できる方です」

官僚からの評価は高いが、裏を返せば、官僚にとって都合のいい人物でもある。明確な増税路線はその一つだろう。

「党内融和」を目指すほど「官僚主導」になるジレンマ

政治家としては「保守」の側面が目につく。政治を学んだ松下政経塾は自衛隊への体験入隊があるなど右派色が強い。民主党の国会議員には政経塾出身者が目立つが、自民党は世襲などで空白区が少なく、やむなく民主党を選んだ議員もいると聞く。そんな政経塾出身者の集まりを源流とするのが、党内でも右派色が濃いとされる野田グループ「花斉会」だ。

野田首相の掲げる復興増税、原発再稼働、日米同盟機軸といった政策は自民党の政策にもよく似ている。

昭和を代表する政治家だった田中氏は、「日本列島改造論」を唱え、全国に高速道路と新幹線を張り巡らせた。

象徴的なエピソードがある。本州四国連絡橋は、兵庫、岡山、広島の3本のルートがある。当初計画は1本だった。3人の大物政治家が熾烈な誘致合戦をくり広げたが、田中氏のウルトラCで決着した。「3本とも通す」。

時代は変わった。金権政治の反省から、企業・団体献金を減らそうと95年に政党助成金が導入された。民主党には10年173億円が交付されている。財界の影響力は相対的に薄れ、党と官僚の力が強まった。民主党は保守から革新までが政権交代のために集った党である。野田氏は代表選を巡る恩讐を超えるため「ノーサイド」を呼びかけ、「党内融和」を強調する。しかし八方美人ではカネがかかりすぎる。党の支持基盤である官僚と労組に遠慮して、公務員制度改革や歳出削減は遅れ、復興を錦の御旗にした増税論が進む。割を食うのは国民だ。

政経塾の後輩で国会当選同期の中田宏元横浜市長は、野田首相をこう評する。

「僕より100倍は品行方正。人の話をよく聞き、じっと考えて結論を言う。自己主張するタイプではなく謙虚です。でも景気や雇用の話をする人ではなかった

増税は景気を冷え込ませる。その寒気を防ぐような目新しい経済政策は、まだ示されていない。田中氏は官僚を遠ざけ、カネの力で奇抜な発想を具体化させた。果たして野田首相はどうか。官僚の言いなりに終わるようでは、政権再交代は避けられないだろう。

若林 亜紀
ジャーナリスト

わかばやし・あき●1965年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。大手建設会社に就職後、日本労働研究機構へ。10年勤務後に退職。著書に『公務員の異常な世界』(幻冬舎新書)、『独身手当』(東洋経済新報社)などがある。


まったく似てないと思いますけどネーー・・