中国、フジタ開放。「尖閣」、日本人は怒りを忘れてしまったのか!!! | 東京リーシングと土地活用戦記

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【3邦人解放】解放で安堵も…「恩着せるつもりか」専門家ら批判 東京・フジタ

2010.10.1 sankei

上海の浦東国際空港に到着したフジタの社員(ノーネクタイの3人とみられる)=30日(共同)


 中国河北省で拘束されていた準大手ゼネコン「フジタ」(東京都渋谷区)の日本人社員4人のうち3人が30日、解放されたことで、関係者には「最悪の事態からは一歩前進した」との受け止め方が広がった。ただ、依然1人は身柄拘束されたまま。恫喝同然に揺さぶりを加える中国のやり方に専門家からは「恩に着せるつもりか」と批判の声が上がっている。

 「ご迷惑をおかけして大変申し訳ありませんでした」。30日に解放された井口準一さん(59)は中国・上海の空港で、報道陣の問いかけに頭を下げた。
 橋本博貴さん(39)の母親は都内の自宅で「ほっとしました」と胸をなで下ろした。父親に橋本さん本人から「無事でいる」と電話があったといい、「ほかの親御さんもそうでしょうが、心配でした」と不安な心境を振り返った。
 だが、高橋定さん(57)は依然、拘束されたまま。フジタ本社では高山浩一郎総務人事部長が「一刻も早く帰国できることを祈る」と硬い表情
を崩さなかった。
 同社では解放後、3人と直接連絡が取れず、拘束時の状況も不明。中国側の対応について「なぜ1人だけ拘束しているのか理解しがたい」とし、「外務省や現地の大使館に尽力をお願いしたい」と訴えた。
 4人は、旧日本軍の遺棄化学兵器関連事業受注に向けた視察のために河北省を訪問。軍事管理区域に侵入、撮影をしたとして20日に軍事施設保護法違反の疑いで拘束された。

 早稲田大学大学院法務研究科の小口彦太教授(中国法)によると、軍事施設の撮影などの違反行為には、課徴金納付などの行政処分が適用されるのが一般的だが、組織的犯行など「より悪質なケース」と認定されれば、3年以上7年以下の懲役刑が科される。

 拘束が続く高橋さんについて、小口教授は「3人のリーダー、つまり主犯格と捜査当局が判断したのであれば、予断を許さない状況にある」といい、「中国は政治と捜査が密接にかかわっている。(高橋さんが)外交のカードとして残された可能性もあり、先行きは不透明だ」と話す。

 また、平松茂雄・元防衛研究所研究室長は「3人釈放で恩に着せるつもりではないか」と分析し、1人の拘束を続けるのは「取引材料にしようとしている」と中国を非難。官邸筋からは「衝突事件を起こした中国漁船の乗組員14人はすぐに帰国させ、船長だけを拘束した日本政府への当てつけではないか」と先行きを懸念する声が漏れた。


田原総一朗の政財界「ここだけの話」

「尖閣」、日本人は怒りを忘れてしまったのか

2010年9月30日 nikkei bpnet

 今、非常に不思議に思っていることがある。なぜ、日本でデモが起きないのか、ということだ。
中国漁船の衝突事件後、なぜビデオ映像を公開しなかったのか

 尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で、どんどんエスカレートする中国の姿勢は、日本人から見れば、きわめて異常である。

 中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突するビデオを観た人の話では、明らかに中国漁船の体当たりだったという。その証拠ビデオ映像は事件発生後、なぜ公開されなかったのか。理由は二つある。
 一つは中国を刺激しないため。対日感情が悪化するのを恐れたためだ。もう一つは、日本の対中感情が悪くなるのを恐れたためである。だが、今にしてみれば考えが甘すぎた。政府はようやくビデオ映像の公開を検討し始めている。

 中国漁船の船長は9月8日に公務執行妨害容疑で逮捕されたが、その後から中国の対日姿勢はどんどん強硬になっていった。そして那覇地検は24日、突然、船長を処分保留のまま釈放すると発表した。この突然の釈放には、いくつかの事情があった。
 実は、船長の祖母が9月8日に亡くなり、葬儀が27日に決まっていたそうである。中国では葬儀は非常に重要で、何かの犯罪で逃げ回っている犯人が葬儀に戻っても、それを見逃すという話さえある。今回は船長の祖母の葬儀に間に合うように釈放したという。また、10月1日から中国の国慶節の連休が始まる。その前に事態を収拾したという見方もある。

那覇地検の釈放説明に込められた意味

 中国人船長を釈放する前日の23日午前(日本時間同日夜)、前原誠司外相はニューヨークでヒラリー・クリントン国務長官と会談した。その席上、クリントン氏は「尖閣諸島は日米安全保障条約第5条の適用対象範囲内である」と発言した。この発言の意味は大きく、「もし尖閣諸島に中国の軍が来れば、アメリカも軍を派遣するぞ」という中国へのメッセージだと考えられる。そしてその後、米国側から何らかの意思表示があったのではないか。

 中国人船長の釈放について、那覇地検は記者会見で、巡視船の被害が軽微だったことなどを挙げたうえで、「わが国国民への影響と今後の日中関係を考慮すると、これ以上、身柄の拘束を継続して捜査を続けることは相当でないと判断した」と説明したが、これはいったい何であろうか。
 検察が政治事情を鑑(かんが)みて容疑者を釈放するなど、あってはならないことだ。国会が始まれば、これはおそらく大問題になるだろう。

 那覇地検の説明は日本政府への抗議ととらえることができないだろうか。那覇地検は「船長を釈放したくはなかったが、政府の圧力によって釈放せざるを得なかった」という気持ちを表したのではなかろうか。
 政府にしてみれば、まさか那覇地検がこのように述べるとは思ってもみなかっただろう。もし政府が圧力をかけて釈放されたということなら、これもあってはならないことだ。

中国の思惑に関する民主党内の4通りの解釈

 民主党政府は船長を釈放すれば事件は一件落着だと考えたのではないか。船長はVサインをしながら中国のチャーター機に乗り込み帰国した。すると今度は、中国政府は日本に謝罪と賠償を要求してきた。さらにエスカレートしたのである。
 民主党政府には予想外の出来事だったろう。今、政府は対応に困っている。前回の連載でも書いたが、政府は「中国がいったい何を求めているのか、真意がわからない」と、民主党幹部は私の取材に答えている。
 中国の思惑について民主党内には4通りの解釈があった。

 第一は、中国国民の強い反日感情である。それが爆発するのを抑えるため、中国政府は日本に対して強硬な姿勢をとらざるを得なかった、という見方である。

 第二の見方はこうだ。中国では、北京や上海など都市部と地方の格差が日本人には想像もできないほど大きい。特に太平洋沿岸地域の人々はとても豊かな生活をしているが、その富裕層はたかだか1億人ほど。残る12億人以上は貧困のどん底であえいでいる。そうした貧しい人々は中国政府に対して反発や憤りを感じているものの、政府が怖くて憤りを直接ぶつけられないから、反日という形で表れる。
 中国政府は、反日感情の底にある憤りが実は政府に向かっていることはわかっている。だから、それを抑えるために日本に対して強硬姿勢をとらざるを得ない。

「資源戦争」の始まりという見方もある

 第三は、中国の軍事的プレゼンスの強化である。この20年、中国の軍事費は年率2ケタの伸びを示している。特に海軍力を強化しており、今年から来年にかけて航空母艦を2隻造るとも言われている。
 現に、中国が南シナ海を仕切ると述べたことに対して、東南アジア諸国連合(ASEAN)はとてもナーバスになっている。ゆくゆくは太平洋を中国とアメリカで二分すると考える専門家もいる。今回の問題も軍拡を進める中国との間で生じた一つの事件、という見方である。

 そして第四は、「資源戦争」の始まりではないかという見方だ。日本には資源がないと言われるが、それは間違っている。南北に細長い日本列島は、周囲に島々が多く、四方を海に囲まれている。日本の排他的経済水域(EEZ)の広さは世界第6位とされる。
 その経済水域の海底などには資源がたくさん眠っているため、実は日本は世界有数の資源大国なのである。今、日中間で問題になっている東シナ海ガス田をはじめ、海の資源をどう掘り起こしていくかは、これからの大きな課題だ。

鄧小平の戦略的「先延ばし」発言に乗った日本政府

 さて、尖閣諸島と言えば、思い出すのは中国の最高実力者だった鄧小平である。日中平和友好条約の批准書交換のために訪日した1978年10月、鄧小平は「尖閣諸島の問題は次の世代、次の次の世代に持ち越して解決すればよい」と述べた。先延ばしが好きな日本はこれを安易に受け止めたが、実はこれこそ、中国の中国たる戦略ではなかったか。
 この鄧小平発言があったとき、日本はハーグ国際司法裁判所に訴えて、尖閣諸島が日本固有の領土であることを、きちんと決着すべきだった。そうせずに鄧小平の戦略的「先延ばし」発言に乗ってしまったのは失敗だったと思う。いまや中国としては経済大国、軍事大国になり、次の次の時代が来たということではないか。
 今年10月末にレンタルが始まる中国の大作ドラマ「三国志」を観る機会があった。全95話に及ぶ長大なドラマである。その一部を何度か観たのだが、そこには義理人情などまったく通用しない世界が描かれていた。裏切りあり、密告あり、何でもあり、なのである。要は、勝つか負けるかの世界である。日本の歴史ドラマに見られる正義とか信義といったものはない。
 今や中国は経済力を高め、軍事大国にもなった。何でも言えるような立場になった。そうした中国と向かい合うには、日本は確たる戦略を持たねばならない。日本には平和憲法があるのだから武力の行使をしてはならない。あくまでも、外交で勝負するしかないのだ。日本はあらゆる外交手段をもって対応していくべきだと思う。

デモ活動は外交の手段でもある

 私は、日本人はもっと怒るべきだと思う。日本国民は中国に対してもっと意思表示をしたほうがよい。「大人の対応」などしても相手には通じないのだ。
 今回のようなケースだと韓国やアメリカでは当然、デモが起きているだろう。日本人はデモをヒステリックな行為だと考えているが、決してそうではない。民主主義が認める、集団で意思や主張を表すための合法的な活動である。
 もし日本でデモ活動が行われ、それが中国側に伝われば、「日本は怒っている。これは何とかしなくては」と思わせることができるかもしれない。デモ活動は外交の手段でもあるのだ。
 総合建設会社「フジタ」の社員4人が中国に拘束されている問題で、駐中国大使の丹羽宇一郎さんが26日に中国外務省に会談を申し入れたが、中国側はそれに応じなかった。これに対して、日本政府はもっと憤りを示すべきだった。
 自民党幹部に「谷垣禎一さんや石原伸晃さんを先頭に官邸を取り巻くデモをやったらどうか。もっと怒れ」と言ったら、「デモ? 田原さんに言われて気が付きましたが、デモもありなんですね」と答えた。そもそもデモ活動で抗議の姿勢を示すという発想がないのだ。

もう一度言う、小沢氏を特使にしたらどうか

 前回も書いたが、もう一度述べたい。今こそ小沢一郎氏を中国への特使にすべきだと思う。
 小沢さんは約140人の国会議員を連れて訪中し、胡錦濤国家主席と一人ずつ記念撮影をしてもらっている。
 その後、習近平国家副主席が来日した際、宮内庁や世論の批判にかまわず、「1カ月ルール」を無視して天皇との面会を実現している。小沢さんは中国に大きな貸しがあるではないか。
 もし、中国とのパイプが太い小沢さんを中国特使にするなら、菅直人首相は「結構、度量があるじゃないか」と見直されるだろうし、小沢さんも国のために働くことで見直されるだろう。
 ところが、どちらにもその気がない。私は民主党幹部を通じて菅さん側にも小沢さん側にもこのことを打診したが、双方にその気がない。私はそれが残念でならない。

田原総一朗(たはら・そういちろう)
1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリーランスのジャーナリストとして独立。1987年から「朝まで生テレビ!」、1989年からスタートした「サンデープロジェクト」のキャスターを務める。新しいスタイルのテレビ・ジャーナリズムを作りあげたとして、1998年、ギャラクシー35周年記念賞(城戸賞)を受賞。また、オピニオン誌「オフレコ!」を責任編集。2002年4月に母校・早稲田大学で「大隈塾」を開講。塾頭として未来のリーダーを育てるべく、学生たちの指導にあたっている。最新刊に『田原の眼力 嘘ではない真実の取材ノート』(扶桑社新書)、『オフレコ!スペシャル 2020年、10年後の日本』(アスコム)、『田原式 つい本音を言わせてしまう技術』(幻冬舎)がある。
Twitterを始めました。ぜひご覧ください。@namatahara


まー・・フジタの社員さん、3人だけでも、解放されてよかったですね。