「投票用紙届いたら『バカ』と書く」 民主への失望は予想以上…
2010.8.28 産経
民主党代表選について地元住民の意見を聞く横粂勝仁衆院議員(比例南関東)=8月28日午前、神奈川県横須賀市の京急・横須賀中央駅前(小田博士撮影)
民主党代表選で、菅直人首相と小沢一郎前幹事長の対決構図が固まってから初の週末となった28日、同党議員らは地元に戻り、街頭やミニ集会で党員や一般有権者から意見を聞いた。「政治とカネ」問題を抱える小沢氏への批判は根強かったが、円高・株安を解決できないまま抗争にかまける民主党への失望の声も出た。議員は「民の声」をどう受け止めるだろうか-。
28日午前、当選1回の横粂(よこくめ)勝仁衆院議員(比例南関東)は神奈川県横須賀市の京急・横須賀中央駅前で、行き交う人々に「どちらの候補がいいですか」と、尋ね続けた。
1時間ほどで約20人の回答を得たが「小沢さんは自分の問題を説明してない」(60歳代男性)などと小沢氏に厳しい声が多く、大半が首相を支持した。とはいえ、首相の良さを語る人もゼロだった。
党内でどのグループにも属さない横粂氏は記者団に「消極的な首相支持が多い。(候補を)積極的に応援してもらえる代表選になれば…」と語った。
関西地方のベテランは後援会合で絶句した。代表選で投票権を持つサポーターの男性から「(代表選の)投票用紙が届いたら(菅氏とも小沢氏とも書かず)『バカ』って書く。民主党はなに考えとんのや」と言われたからだ。
一方、小沢グループの高山智司
衆院議員(埼玉15区)が27日夜、戸田市内で開いたミニ集会では「小沢さんの剛腕が今こそ必要だ」「国民は小沢さんを支持しないのでは」と、両論が出た。(小田博士、山本雄史)
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小沢ビビる帳簿流出!国会での野党対策“生け贄”情報も
2010.08.28 ザクザク
過熱する民主党代表選の影で、小沢氏が幹事長や代表時代の帳簿が流出したとの情報が飛び交っている
9・14民主党代表選に向け、菅直人首相(63)と小沢一郎前幹事長(68)が、それぞれ経済対策パフォーマンス、支持団体回りに乗り出す一方、所属グループ議員らが多数派工作と情報戦を激化させている。こうした中、「官邸周辺が『小沢潰し』に動いている」「マスコミに極秘データが流出したらしい」といった情報が永田町に広まっている。権力の座をめぐり、まさに“仁義なき戦い”に突入したのか。
「話は聞いている。『(マスコミが報じる)Xデーはいつか』とささやかれているようだが、事実なら、同じ政党の同志とは思えない」。小沢氏に近い党関係者は、こう吐き捨てると、その衝撃情報について解説した。
「小沢氏が、代表時代と幹事長時代の帳簿など党内資料がコピーされ、大手新聞社Aと出版社Bに提供されたという話だ。『反小沢』色が強い議員2人の名前が挙がっている。小沢氏の失脚を狙ったものだろう」
党で帳簿が必要なものといえば、党の予算管理、政党交付金の使途などが考えられるが、データ流出が確認されたわけではない。そもそも、帳簿などに曇りがなければ流出も恐れることもない。ただ、この情報が菅支持、小沢支持両グループで語られ、双方を疑心暗鬼にさせ、対立をあおっているのは事実だ。
現時点で、菅首相は「影の宰相」こと仙谷由人官房長官(64)を軍師として抱え、岡田克也外相(57)や前原誠司国交相(48)、野田佳彦財務相(53)ら、「脱小沢」系グループの支持を集める。
これに対し、小沢氏は党内最大の小沢グループを中心に、所属議員や支持団体への多数派工作を仕掛ける。菅内閣の経済無策や挙党態勢無視を批判し、「反菅」感情を際立たせている。
帳簿流出情報に限らず、さまざまな情報が跋扈する。グループの中堅議員は、小沢氏支持グループを激怒させた話を明かす。
「菅首相周辺が、国会での野党対策に『小沢カード』を使うという話が出ている。代表選を乗り切っても、菅民主党が参院少数であることに変わりはなく、国会運営は至難の業。遅くても、来年の通常国会での予算審議の入り口でつまずく。このため、予算審議などと引き換えに、野党が望む小沢氏の証人喚問に同意し、離党勧告や議員辞職を迫るつもりらしい」
これと合致するのか、「菅首相支持」を明言している蓮舫行政刷新相(42)は27日、BS番組の収録で、小沢氏について「政治資金問題に関する国会招致に応じるべきだ」との考えを示した。
一般国民とすれば、小沢氏が堂々と国会で説明責任を果せばいい気もするが、小沢氏支持グループとしては「ねじれ国会を動かすための“貢ぎ物”として、小沢氏を野党に差し出すのはケシカラン。卑劣な『小沢潰し』だ」とみているのか。
確かに、小沢氏が「勝算不透明」といえる代表選出馬に追い込まれたことも、「小沢潰し」の一環と見る向きもある。
「影の宰相」こと仙谷氏は以前から、周囲に「小沢氏に出てもらって白黒つけたい」と正面突破を主張していた。「小沢氏が代表選で敗れれば求心力を失い、政治的に死ぬ」(若手議員)との思惑のようだ。
菅首相も歩調を合わせるように、鳩山由紀夫元首相(63)が求めた小沢氏の要職起用を拒否し、「小沢外し」を継続する意向を示した。
今週行われた衆院1回生との会合でも、党内非主流派を「抵抗勢力」と攻撃して自らの支持拡大に利用した小泉純一郎元首相(68)を例に出して、小沢外しを正当化した。
さらに、26日には側近議員と会食した際、「小沢氏という時代を乗り越える」と述べた。完全に、小沢氏は自らの“引き立て役”であるかのような扱いだ。
政治評論家の浅川博忠氏は「攻めの政治家である菅首相と、シビアな仙谷氏が組めば、そういう戦略は十分考えられる」といい、こう続ける。
「離党勧告まで追い込めば、即、小沢氏や側近は党を割るだろうが、菅官邸は『小沢氏に付いていく議員は少ない』と踏んでいるのでは。菅官邸としては、1回生議員の切り崩しとともに、こうした情報を流すことで小沢グループを揺さぶっている。小沢陣営としては徹底抗戦しか手はなくなる。やはり現実に権力を握っている方は強い」
両陣営の亀裂が、二度と修復できない事態に向かっているとすれば、代表選後の党分裂や政界再編は今後、一気に現実味を帯びてきそうだ。
【主張】小沢氏出馬 国の指導者に不適格だ 「政治とカネ」で信頼失った
2010.8.27 産経
「とことんクリーンな民主党」を実現すると鳩山由紀夫前首相が、小沢一郎前幹事長とともに身を引いてから2カ月余りで再び小沢氏を担ぎ出す所業には、開いた口がふさがらない。
小沢氏は東京第5検察審査会から「起訴相当」の議決を受け、再度同じ議決が出れば強制起訴される。一連の疑惑を晴らそうとせず、国政の最高指導者を目指す姿には、強い疑問を呈さざるを得ない。25日の講演でモラルの破綻(はたん)に言及したが、信なくば政治は成り立たない。
日本の最高指導者として不適格なことは明白である。
■「訴追逃れ」では論外
代表選は小沢氏と菅直人首相の一騎打ちになる情勢だ。首相も参院選で大敗したのに、なぜ続投するのか。説得力ある説明に欠ける。さらに両氏以外の選択肢もなさそうな点に、日本が滅亡の淵(ふち)に立つ窮状が示されている。
小沢氏は野党の再三の証人喚問要求を拒み、説明責任を果たしてこなかった。役職辞任というけじめはつけても議員辞職に相当するとの厳しい批判があるなか、政治的・道義的責任を取り切ったとは言い難い。そのうえ刑事責任の有無を今も審査されている。
小沢氏の出馬について、強制起訴を逃れることが目的ではないか、との指摘が党内外にある。憲法75条が「国務大臣は首相の同意がなければ訴追されない」と定めていることから、首相になることで「政治とカネ」の問題に決着をつけようというものだ。
