満座の中で恥をかかされた鳩山首相、国民にはもはや「ガン」か!!?? | 東京リーシングと土地活用戦記

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花岡信昭の「我々の国家はどこに向かっているのか」

満座の中で恥をかかされた鳩山首相、国民にはもはや「ガン」か

2010年4月14日 日経 BPNET

政治大国になろうとしなかったツケが噴出

 ワシントンで開かれた核安全保障サミットは、日米同盟関係の冷却化と日本の国際的地位の低下をもろに証明するものとなった。

 その背景にあるのが、周知の通り、米軍普天間基地の移設問題をめぐる鳩山政権の迷走だ。
 鳩山首相は自らの不用意な対応が招いた「普天間危機」によって、その政治生命を断たれようとしているかに見える。

 47カ国首脳が参加したハイレベルの国際会議となったが、全員の記念写真が日本の置かれた地位を象徴している。4列に並んで写真におさまったのだが、鳩山首相は3列目の右端である。

 日本はG8サミット(主要国首脳会議)のメンバーでありながら、こうした核をめぐる安全保障という舞台では、中央に位置することができないのである。
 世界第2の経済大国という立場は、中国にGDP(国内総生産)で追い抜かれたばかりか、トヨタがアメリカで狙い打ちされるという国際戦略の脆弱さを見せつけ、すっかり影が薄れてしまった。
 筆者はトヨタ問題について車の技術的欠陥といった問題ではなく、追い落としの策謀だと考えている。機敏に対処できなかった官民あげての対応の稚拙さを反省すべきだろう。
 経済大国の座が揺らぎ、一方で、政治大国にはなろうとしてこなかったツケが一気にここで噴出したといっていい。

日米会談はわずか10分、米中会談の9分の1

 オバマ大統領は13カ国首脳との正式会談を行った。
 中国とは予定時間を大幅に超えて90分間の会談となった。鳩山首相とは夕食会の冒頭、10分間だけの非公式「会談」にかろうじて応じただけだ。
 オバマ大統領が「みなさん、食事をはじめていてください」と声をかけ、隣席の鳩山首相のほうへ向きなおって言葉を交わした。
 米側の精いっぱいの配慮という見方もあるが、これは満座の中で恥をかかされたようなものだ。
 「会談」で普天間の話がどこまで出たかははっきりしない。米側の発表でも「普天間」の固有名詞はなかった。
 鳩山首相は「5月末決着」を公約としてきたが、ここにいたっては、事実上、断念せざるをえないだろう。

 首相周辺からは「決着というのは、ある方向を決め、それに沿って米側との協議を続けていくこと」といった言い訳がましい声も聞こえてくる。これでは決着ではなく、ごまかしだ。
 昨年2月のできごとを思い出している。

 非公式な話だから、あまり外部では明らかにしてこなかったのだが、鳩山政権の本質を知るには参考になるかと思う。こういう状況にいたっているのだから、もう時効だろうと勝手に判断した。

民主党政権誕生に向けた経済人主催の会合で……

 ある経済人から声がかかった。「このままいけば、民主党政権が誕生する。そのとき、どういう内外政策が必要か、多方面から集まって議論する場をつくりたい」という。
 そういう機会もおもしろいかなと思い、第1回の会合に参加した。会場は国会裏手の十全ビル。鳩山事務所のあるビルの会議室である。
 ちょっと早めに着いてしまったので、1階の喫茶店で時間をつぶしていたら、そこへ田岡俊次氏が入ってきた。朝日新聞出身の著名な軍事ジャーナリストである。筆者よりも5歳ほど年長だ。
 「あれ、田岡さんも呼ばれたの。何をどう話し合おうというんだろうね」「なんだか、よく分からないなあ」などと、双方とも首をひねった。
 田岡氏は朝日の社会部出身で、建設談合のスクープなどその取材力には定評があった。
 筆者は産経新聞出身だが、朝日と産経は基本路線が違うものの、現場の記者同士がいがみ合っているわけではない。筆者も朝日に友人知己は多い。
 田岡氏は「朝日新聞初の軍事専門記者」を目指してきたそうで、かつて防衛庁(現在の防衛省)詰めとして、ご一緒したこともある。

元朝日記者の田岡俊次氏は防衛庁担当時の好敵手

 その当時のビッグニュースとして思い出すのが、1983年9月の大韓航空機撃墜事件である。
 慣性航法装置の入力ミスにより、大韓機がソ連(当時)領空に入りこんでしまい、サハリン沖でソ連空軍機に撃墜された。
 このとき、田岡氏も筆者も防衛庁を担当していた。夕刊の締め切りぎりぎりのきわどい時間帯であった。「サハリンに着陸」という外電ニュースが入り、どこの夕刊も「よかった、よかった」という雰囲気の紙面であった。
 その中で、かろうじて朝日と産経が「撃墜されたという情報もある」と触れた。朝日はもちろん田岡氏の取材によるのだろうと思う。しばらくして、田岡氏に確認し否定されなかったことを覚えている。
 産経は防衛庁にやたら強い先輩記者がいて、この人が自宅にいながら核心情報をつかんだ。筆者はこの先輩が社に一報を入れる直前に「サハリン着陸は間違いかもしれない。空幕のようすがどうもおかしい」とデスクに電話を入れていて、なんとか記者クラブ担当の面目を保った。
 後で聞くと、このデスクは筆者の電話が事前にあったため、その先輩の情報の精度を確信して製作工場に走り(当時は鉛の活字を使うアナログ時代で、編集局と製作局が隣接した位置にあった)、製作担当者に口で言いながら記事のリード部分を修正したという。
 余計な話になるが、フリージャーナリストの上杉隆氏らが記者クラブの横並び体質を批判している。同じ記者クラブにいても、こういうスクープ合戦が行われているのだということを知ってほしいものだ。

鳩山氏が何を求めているのか判然としなかった

 で、鳩山事務所会議室での初会合には、30人ほどが集まった。リベラル系の政治学者などもいたが、ほとんどが企業関係者であった。
 初回なので、各自が短時間、話をしろというので、筆者は、「田岡氏と外交、安全保障問題を議論するのは結構だが、路線の違いは明白で(田岡氏は対米追随批判派、筆者は日米同盟重視派といえた)、いくら話し合ってもかみ合わないと思う。それでいいのかどうか」といった提起をした。
 途中で休憩が入ったので、鳩山氏に「そういうことですから……」と、考えを聞こうと声をかけたのだが、ぐっとこちらをにらみつけているだけで、何も言わなかった。
 初回会合が終わって、近くの中華料理店に場所を移し、会費制で懇親会も行ったが、筆者の提起に対して、だれからも話はなかった。
 その後、この会合に出るのはやめた。出席すると数時間も拘束されるので時間の調整がつかなかったこともさることながら、鳩山氏が何を求めているのか判然としなかったためだ。
 いま考えると、両論併記でもいいから、日米同盟や外交・安全保障の基軸となるべき考え方をまとめるべく、無理をしてでも出席していたほうがよかったかなとも思う。
 もっとも、「友愛」を先頭に押し立てたのでは、現実的な外交・安保政策は確立しようがない。外交とは、手で握手しながら、足でけり上げるといったたぐいの権謀術数の世界だ。
 鳩山首相のそうした「あやうさ」は政権発足当時から指摘されていたのだが、やはりその通りになった。

米「サギ」、中「カモ」、日「ガン」、その鳥の正体は?

 普天間移設問題では、すでに4年前に日米間で名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部にV字型滑走路をつくるという合意ができている。
 鳩山首相は政治的な巧みさを見せようとしたら、「不本意ではあるが日米合意ができている。国家間の合意なのでこれを踏襲せざるを得ない」という態度を取るべきであった。
 これが政治の知恵というものだ。
 それが「沖縄県民のみなさまのお声を踏まえて」とやったものだから、20年前の状況に戻ってしまった。移設受け入れを容認していた名護市では反対派の市長が誕生した。
 その後の迷走ぶりはもう言葉にならない。キャンプ・シュワブ陸上部への移設案、ホワイトビーチ沖埋め立て案、さらには徳之島などへの分散移転など、さまざまな移設案が飛び交った。
 鳩山首相は「トラスト・ミー」とオバマ大統領に明言し、「腹案がある」と大ミエを切った。現地に自ら乗り込んで説得するといった場面はなかった。
 永田町にはざれ歌が流行している。バージョンはいくつもあるが「永田町には奇怪な鳥がいる」というものだ。
 この鳥はアメリカには「サギ」、中国には「カモ」と見られているが、本人は「ハト」だと言っているものの、日本人には「ガン」として受け取られている、といった内容だ。
 半年前の衆院総選挙圧勝がウソに思えるほど、悪しざまに言われる首相となってしまった。
 自民党内には「追い詰められて、やぶれかぶれの衆院解散に打って出ないともかぎらない」と衆参ダブル選挙を懸念する声が急浮上している。

花岡 信昭(はなおか・のぶあき)
1946年長野市生まれ。69年早大政経学部政治学科卒、産経新聞東京本社入社。社会部を経て政治部。政治部次長、政治部長(日本の新聞社で戦後生まれの政治部長第1号)、編集局次長、論説副委員長などを歴任。2002年産経新聞退社、評論活動に入る。2007年産経新聞客員編集委員。現職は拓殖大学大学院教授(地方政治行政研究科)、国士舘大学大学院講師(政治学研究科)。政治ジャーナリストとしていち早くインターネットに注目、自身のブログ、メルマガで活発に独自の政治分析を発信している。




まったくね・・