世界の株、時価総額2000兆円目減り 金融危機が直撃
世界の株式時価総額が急減している。9月末の主要な証券取引所の株式時価総額合計は、過去最高だった2007年10月末に比べ2000兆円以上減ったもようだ。
米金融危機で株安に拍車がかかり、世界の名目国内総生産(GDP)の4割強に相当する価値が目減りした。
株安による家計や年金の資産減少が消費や投資を冷やし、世界の実体経済に影を落とす懸念が広がっている。
国際取引所連盟(WFE)が集計する世界の株式時価総額は8月末で49兆628億ドル(約5100兆円)と、昨年10月末に比べ14兆ドル減少。
一方、世界の株価動向を反映する指数で、米モルガン・スタンレー系が算出する「MSCI世界株指数」は8月末に比べて直近は14%下落している。
社説 米国は金融恐慌回避へ責任ある行動を (10/1 Nikkei Net)
世界の市場関係者があぜんとしたのではないか。米下院は29日、深刻化する金融危機に対応して打ち出された米金融安定化法案を否決した。市場の混乱を深め、世界的な金融恐慌を招きかねないという認識がまるで欠けた無責任な行為である。
米政府と議会は、公的資金を使った不良資産の買い取りという大枠を維持しつつ、速やかに修正法案をまとめ、成立させるべきだ。日本政府も米国に対して強い危機意識を明確に伝えるべきだろう。
市場の不安感を増幅
世界はいま金融恐慌寸前にあるといっても言い過ぎではない。
米証券会社のリーマン・ブラザーズの破綻を機に、米欧では金融機関の破綻や救済が相次いでいる。金融機関が短期の資金の貸し借りをする市場もマヒ状態にある。日米欧の中央銀行が巨額のドル資金を大量に市場に供給しているのはそのためだ。公的な支えをはずせば、その瞬間に金融市場が崩壊してしまうような状況なのだ。
その直接的な原因は信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の膨張にあり、価値が急落した住宅関連の証券を大量に抱えこんだ金融機関への信認が崩れていることが危機をもたらしている。こうした不良資産を公的資金を活用して金融機関から分離し、市場の不安感をぬぐうことに今回の金融安定化法案の狙いはあった。
現在進行している金融危機を放置すれば、ウォール街だけでなく、企業や家計にも深刻な影響が及ぶ。経済を支える金融という大動脈がつまったままでは、世界経済は計り知れない打撃を受ける。法案の否決で、世界の市場の不安を増幅してしまった米下院の責任は極めて重大だ。
30日の自民党総務会では、津島雄二税制調査会長が「金融恐慌もあり得る時に選挙をしていたら世界の笑いものになる」と述べ、解散・総選挙による政治空白は避けるべきだとの考えを示した。町村信孝前官房長官も札幌市内で記者団に「株価下落など経済が大変な時に解散などやっている暇があるのか」と語った。
アナリストの視点(国内株式・モーニングスター)
まさかの否決
2008-10-01
「議会と政府が大筋で合意」と誰もが思っていた米国の金融安定化法案が29日、下院で否決された。誰も予想していなかった「まさかの否決」を受け、NYダウは777ドル安と史上最大の下落幅を記録、ナスダック総合指数は2000ポイントを割り、3年4カ月ぶりの安値水準まで下落した。9月30日の東京株式市場では日経平均株価が一時582円安と急落、終値は前日比483円安の1万1259円だった。
金融システムの安定化に向けた大きな一歩になるとみられていただけに、大きな失望を誘った。もっとも、皆がみんな弱気になっているわけではない。否決の背景は高給、高収益を享受してきたウォール街の救済に税金を投入することに対する世論の反発に配慮した、共和党議員が自身の選挙に備え反対に回ったためと言われている。この事態が、さらなる金融不安の拡大、一般企業の倒産などにまで拡大するようなら、やはり公的資金の投入を避けて通ることはできないとみられるためだ。ただでさえ、「骨抜き」といわれた金融安定化法だが、何らかの修正を加えて、可決される可能性はある。しかし、最終的には「不良債権の買い取り」「資本注入」に加え、景気対策に向けた利下げや財政出動に踏み切らざるを得ない状況になるとみられる。来年1月に新大統領が就任して、抜本的な対策が打ち出される可能性もある。
日本では98年10月に長銀(現新生銀行)が、12月に日債銀(現あおぞら銀行)が一時国有化された。長銀が国有化された同年10月に日経平均株価は1万2879円の安値を付けた後、2000年4月には2万833円まで上昇している。2行の政府救済を受け、株価は大きく反発した。その後は2003年4月に7607円の安値を取りに行くなど、金融システムの修復には長い時間がかかったわけだが、米国で何らかの形でも金融危機収束に向けた対策がまとまれば、安心感からいったんは大きく戻す可能性がある。
現時点では楽観的なシナリオといえるが、このような可能性は頭に入れておきたい。日本株の相対的な魅力も高まっている。例えば、少し前までは「余分な現金を持っている」とみられた企業は「財務体質がいい、キャッシュリッチ企業」になるし、資源・エネルギー価格の上昇に伴う業績の悪化もほぼ織り込んだとみられている。日本株をアンダーウエートにしている外国人投資家は多く、わずかな変更でも、買いのインパクトは大きくなる可能性がある。
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