日本の景気は長期拡大を続けているが、その背景にあるのは世界経済全体の高成長である。好調な世界経済は、輸出の増加や海外進出企業の収益拡大などを通じて日本経済の成長を支えている。最近は、世界の高度成長国をBRICsやVISTAのようにひとまとめに取り上げて論じる傾向があるが、こうしたBRICs型成長論は本当に有力な成長国をとらえているのだろうか。
BRICs論の系譜と限界
本年4月に公表された国際通貨基金(IMF)“World Economic Outlook”によって近年の世界経済の姿を具体的に見てみよう。この報告によると、世界の実質成長率は2006年が5.4%、07年は4.9%を予想している。日本は2%程度の成長率で喜んでいるが、世界全体はその2倍以上、日本のバブル期並みの高成長である。
先進国の成長率は06年3.1%、07年2.5%とそれほど高くないが、新興国・途上国の成長が著しい。アジアの新興国(06年9.4%、07年 8.8%)をはじめとして、アフリカ(06年5.5%、07年6.2%)、中・東欧(06年6.0%、07年5.5%)などの成長率が高い。
こうした新興国・途上国の高成長をめぐる議論に先鞭(せんべん)をつけたのが、ブラジル、ロシア、中国、インドをとりあげたBRICs論だ。最近ではこれに続く成長グループとして、VISTA(ベトナム、インドネシア、南アフリカ、トルコ、アルゼンチン)や「ネクストイレブン」(バングラデシュ、エジプト、フィリピン、インドネシア、イラン、韓国、メキシコ、ナイジェリア、パキスタン、トルコ、ベトナムの11カ国)が登場している。いずれも有力な成長国をピックアップするという点では共通している。
では、こうした国々は世界的に経済成長率が飛び抜けて高いのだろうか。前述のIMFのレポートの巻末には、各国の近年の成長実績と07年の成長見通しが掲載されている。これを使って、03年から07年の平均成長率を計算し、上位20位までを並べてみたのが次の図表である。
図表.各国成長率ランキング
これを見ると、上位20位までの中で、BRICsとVISTAに属するのは中国とアルゼンチンの1国ずつにすぎず、ネクストイレブンは1カ国もないことが分かる。BRICs型の成長論に登場するのは、世界で最も成長率が高い国々とは言えないのである。
人口小国にも注目を
ではなぜこれらベスト20に入った国は、高成長にもかかわらず、BRICs型の成長論で取り上げられないのだろうか。それは、人口・経済規模が小さいからである。図表の下にはBRICs型で取り上げられている国を掲げてみた。
これらの国も、成長率が高いことは確かだが、人口規模がベスト20より大きい。BRICs型の国の中で最も人口が少ないのはアルゼンチンの3900万人である。最低でも4~5千万人の人口規模がないと、BRICs型では取り上げられないようだ。例外はミャンマーだけだ。
BRICs型の成長論がある程度の人口・経済規模を持った国だけを取り上げるのは、人口・経済規模が大きければ投資先、輸出先として有望だからである。いくら成長率が高くても、経済規模が小さいとマーケットとしての魅力に乏しい。
しかし、こうした取り上げ方はやや一方的である。小国は経済発展の実績と可能性があっても、先進国から投資先、貿易相手として注目されないことになってしまうからだ。経済成長が重要なのは、その国が豊かになるからであり、成長によって投資した国、貿易相手国の利益機会が増えることは副次的な効果に過ぎない。しかし、人口・経済規模が小さいと成長しても、投資した国、貿易相手国の利益機会は小さいものにとどまる。
こうして考えてみると、BRICs型の成長論は、成長する国の立場に立った議論ではなく、もっぱら投資・貿易相手国にとっての利益機会を広げようとする議論になってしまうのではないか。私はこれがBRICs型の成長論の最大の問題点だと考えている。
注目すべき天然資源保有国の成長
さらにこの図表を見ていると、もう1つ重要な点に気が付く。天然資源保有国の成長が著しいということだ。ランキング上位の国で、具体的に見てみよう。
(1) 1位のアゼルバイジャンは、バクー油田などの天然資源が豊富で、ロシアに対抗しうる原油パイプラインも建設され、海外からの投資が活発化している。
(2) 2位のアンゴラは、豊富な石油資源があり、ダイヤモンドの産出国としても知られている。内戦で疲弊していたが、政治情勢が安定してきたことから経済が成長している。
(3) 3位のアルメニアは、ダイヤモンド、モリブデン鉱石などの鉱物資源が豊富である。モリブデンは、日本ではハイブリッド車や液晶パネル製造装置で使われており、重要鉱物資源として位置づけられている。
(4) 同じく3位の赤道ギニアは、かつてはプランテーション(大規模農園)の貧しい農業国だったが、アフリカ有数規模の油田が開発されたため、高成長が続いている。
(5) 5位のトルクメニスタンは、天然ガスの埋蔵量が世界4位で、その輸出が経済を支えている。
(6) 7位のチャドでは、03年にドバ油田からカメルーンに至るパイプラインが完成し、石油生産が急増している。
こうしてみると、高成長の途上国は天然資源活用型が多いことが分かる。このことはBRICsのロシア、ブラジルにもあてはまる。冒頭述べたように、世界経済の好調さが天然資源の需要を拡大させ、資源保有国の成長を促進した。また、これらの天然資源が順調に供給されてきたことが、世界経済を支えた面もある。
これまでの途上国の成長モデルは、日本を先例とし、輸出をテコに産業構造を高付加価値化していくというものだった。日本に続いて高度成長を遂げつつある東アジア諸国の場合は、いずれもこの日本型モデルを踏襲していた。
世界では、これに代わって「天然資源活用型」モデルが勢いを増しているわけだ。問題は、その成長がどの程度持続可能かということだ。資源が尽きるまで成長は続くのか、資源をテコに工業国への転進を遂げるのか、資源ブームの中での一時的な高度成長にとどまるのか。そうした意味でも、これらの国々の成長には多くの注目すべき点がある。
[6月28日-bizplus.nikkei]
小峰隆夫(こみね・たかお)
「官庁エコノミスト」を代表する1人だったが、2003年4月から大学教授に転身。経済企画庁(現・内閣府)時代には2年連続で経済白書の執筆を手がけた。「シンプルかつ基礎的な論理に基づいて、通説の間違いを正す」というのが信条。著書は「最新日本経済入門」(日本評論社)など多数。1947年生まれ、埼玉県出身。
世界はとても成長しています。それなのに、日本は政治が混迷しています。株式も下がってきていますね。
日経平均株価 8/2
日経平均 16984.11 +113.13
JASDAQ 76.02 +0.01
ドル/円 117.77 -1.21

駐日大使のシーファー氏は、3月16日には新潟の横田めぐみさん拉致現場を視察し「大統領に直接会って伝えたい」と言っていた。同行していた横田滋さんは「大使が直接大統領に言ってくれるなら、会えるかもしれない」と思ったという。
ブッシュ大統領に横田めぐみさんの家族との面会に苦力されたかたであり、
ブッシュ大統領の信任の厚いとても日本びいきの方です。小沢氏が、門前払いをしたのはちょっとまずいですよね???
