六本木の知り合いの不動産デベロッパーさんに伺う途中、電車の中で、ひさしぶりに、安岡正篤一日一言を読んでいて、中国の明末の儒者、崔後渠の「六然」のところをまた読み返しました。
『自處超然(自ら処するに超然)』
自分自身に関してはいっこう物に囚われないようにする。
『處人藹然(人に処するにあい然)』
人に接して相手を楽しませ心地よくさせる。
『有事斬然』(ユウジザンゼン)
事があるときはぐずぐずしないで活発にやる。
『無事澄然』(ブジチョウゼン)
事なきときは水のように澄んだ気でおる。
『得意澹然』(トクイタンゼン)
得意なときは淡々とあっさりしておる。
『失意泰然』(シツイタイゼン)
失意のときは泰然自若としておる。
私はこの六然を知って以来、少しでもそうした境地に心身を置きたいものと考えて、それとなく忘れぬように心掛けてきたが、実に良い言葉で、まことに平明、しかも、我々の日常生活に則して生きている。と書かれていました。
私も、この書は10年前ぐらいに、前職の会社で初めて読んだのですがとてもいい言葉だと思いました。
安岡正篤氏について
* 昭和20年8月15日の終戦の詔書(玉音放送)の草案に対して、加筆したとされる。
* 歴代首相に施政方針演説の推敲を依頼されていたと言われる。
* 池田勇人の派閥研究会「宏池会」の命名者である。
* 佐藤栄作の首相就任前の訪米時に応対辞令の極意を授け、このときのケネディ大統領との会談がケネディに沖縄返還交渉開始を決断させたと言われる。
* 最近は細木和子との関係が有名。
* 1983年(昭和58年)12月13日に逝去、享年86。