子供の頃好きだった番組のひとつが『野生の王国』です。動物園では決して見ることの出来ない野生動物の生態を見ることが出来る貴重な番組だったと思います。
生態系としての弱肉強食の世界を捉えた映像は、とても刺激的なものでした。そしてカメラ性能の進化や個人撮影、ドローンの普及に伴って、当時見ることの出来なかったような映像を今では見ることが出来るようになりました。
可愛い動物の動画も好きですが、同時に捕食動画も好きでよく見ます。Tiktokなんて完全に"この人グロい捕食動画大好きなはず"認定されてます(笑)。かなりの高頻度でオススメとして出て来ます。最近は見た事のある動画ばかりになってきて、新着を待っている感じです。
あの手の動画が苦手な人も多いとは思います。生々しくグロテスクなものも少なくはないですからね。ただ、ペットで飼われてる動物でもない限り、自然界では非情で無慈悲な運命に直面することになります。動物が生き抜くことがいかに過酷なことかという現実がある訳です。
例えばライオンの子供なんて挙動も含め底抜けに可愛いんですね。でもその可愛さってのは母ライオンが餌を獲ってくるから成立してる訳です。持ち帰った獲物にかぶりついている子ライオンたちを少し離れた所でじっと見ている母ライオン。常に周りを気にしてます。種を保存する絶対的な本能というのはいろんな形で存在してます。見ていて飽きることがありません。
…で、改めて思う訳です。
よくテレビとかで野生動物の生態とか紹介されることもあると思うんですが、出て来る動物って想像以上にキレイなんですね。アフリカのサバンナでのんびりくつろぐライオン家族…とか定番の如くよく出てきます。みんな動物園とほとんど変わりません。土汚れひとつない。撮影用にブラッシングでもしてるかのようなモデルっぷりです。しかし、家族のために狩りをする捕食動画を見てると、傷だらけ血だらけだったりします。特に獲物を食べ始めてからはもう顔中真っ赤で血だらけです。頭を振るたび血飛沫が水浴びをしてるかの如く飛び散る時もあります。
動物は人間と違って食後に歯を磨いたり、シャワーを浴びたりする訳ではないことを思うと、テレビが見せる動物園で見るようなキレイな状態、乾いた血の1滴の跡すらまるでないあの姿、あの顔になるには、それなりに時間が掛かってるんだろうな…と。
場所的に乾燥してるだろうし、水飲み場で水浴びしたり、仲間とじゃれあったりしてる間に汚れは落ちていく…とは言え、あの無心に獲物に喰らいつく姿とは雲泥の違いがあります。その落差が物凄く面白く、ドラマチックに感じるのです。
獲物に喰らいついて血だらけになったあの顔が、元のキレイな顔になるまでの間には、途方もないドラマと時間があるはずで、無邪気にはしゃぐ子ライオンたちの背景にある過酷さを想像させます。
ライオンに限らずどの動物の捕食動画もとても興味深いです。"残酷"という単語を履き違えること程バカバカしいことはないと思います。人間が何を基準に残酷さを語れるのかと。その資格はあるのかと。そしてこれは余談にはなりますが、たまにサバンナツアー客の撮ってる捕食動画には、泣きながら"オーマイガー！"を連呼し、"あの子を助けてあげて！"と叫んでるようなものもあります。
おいおい…あのね？…
何のツアーかわかってきてるんじゃないの？と。リアルな弱肉強食が見たくないならスマホでハンティングゲームでもしてたらどうだ？と。
捕食動画のほとんどは、とてもインパクトがあって恐怖しか感じないかも知れません。ただ前述した通り、生きるため、生き抜くためという避けようのない最大の目的に向かって必死な動物たちの姿から得られるものの大きさに、特に小さい子供たちの世代には気付いて欲しいと思います。
腹黒さMAXの腐った政治家のニュースは"人間のみ"の話です。連日流れてくるそのニュースでは想像力は育たない気もするのです。また、世界で起きてる紛争も、サバンナで繰り広げられている動物的本能同士の闘いとは全く違うものです。
今回はここまでの覚え書き…。
この番組のテーマ音楽を聴いて懐かし～！と思う人には、わかってもらえるといいな…と。
