お茶会のお呼ばれの作法といえば? | WABI×SABI〜日本のレキシが選んだ美のカタチ〜

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現在に伝わる日本の歴史・美を伝えていきたいと考えています。

特に茶道を通じて、日本独自の精神や美について記事を書いています。




はじめてのお茶会に行くのは、
なかなか緊張するものかもしれません。

ですが、怖がるような必要はありません。
誰一人として、
はじめからお茶の飲み方を知っている人はいないでしょうし、
誰しもが「はじめてのお茶会」を経験するものです。

最初のうちは、最低限の知識さえあれば、
あとは周りの客の様子をチラッと見ながらでも、
それで十分なのです。



流派によって作法の違いは若干ありますが、
これから、初めての茶会にお呼ばれした際に、
知っておくと便利で助かる作法を紹介します。



茶会の種類について



茶会には大きく分けて、二種類あります。

◇茶事(ちゃじ)

懐石・炭点前・濃茶・薄茶をふるまう、正式な茶会。
正式な茶会だけに、
客もそれに準じた作法を知っておく必要がありますが、

お茶をはじめられたばかりの方が、
茶事に招待されることはまずないはずですので、
ここではその作法を心配する必要はないでしょう。



◇大寄(おおよ)せの茶会

大人数を対象に行われる茶会のことです。
大寄せの茶会では、気軽に洋服で行けるものから、
きちんと着物を着て行かないといけないものがあります。




お茶会へ行く準備とし


先に述べたように、お茶会へは、
必ずしも着物を着て行かないといけないわけではありません。

実際、洋服で行けるものかどうかは、
事前に確認しておくといいでしょう。

ただし、洋服で行く際には、いくつかのルールーがあります。


◇女性
パンツスタイルで行くことは避けましょう。
膝が隠れる長さのスカートにブラウス、
またはワンピースなどが好まれます。

注意しないといけないのは、
立っているときは膝が隠れていても、
正座をしたときに膝が出てしまうものはNGです。


派手なデザインは避け、
落ち着いた色合いや柄を選びましょう。


また、髪の長い女性は、
髪の毛がお辞儀の際などに前に掛からないよう、
すっきりとまとめておくことも必要です。



◇男性
ジーンズなどのパンツは、お茶会では好まれません。
一般的にいう、オフィスカジュアルのような装い
(比較的、本格的な茶会の場合はスーツ)で良いでしょう。



◇男女共通
アクセサリーは、全て外しておきましょう。
洋服の場合、男女共に、茶室に入る前には『白い靴下』を履きます。
必ず、一足持参するようにしましょう。




用意するもの



茶会に参加するのに、最低限必要なものがあります。

◇扇子


◇懐紙

懐紙は白いものを選ぶようにしましょう。

◇菓子切り(楊枝)

菓子切りは、懐紙の間に挟んでおきます。



「たったこれだけ?」と思われるかもしれませんが、
これだけあれば、気軽な茶会には参加することが出来ます。




茶室内で注意すること



茶会では、一般的に受付を済ませた後、
待合で自分の番が来るのを待ちます。

茶室に入る案内が来たら、いざ茶室に入るのですが、
ここで注意しないといけないことがいくつかあります。


まず、席に入る際には、
立ったまま入って良い場合と、にじって入る場合があります。

一般的に大寄せの茶会の場合、
立ったまま入ることが多いですが、
分からない場合は、
少し周りの様子を見てから、それに倣うと良いでしょう。


畳の上を歩く時に、
絶対にしてはいけないことが、畳の『縁』を踏むことです。

畳の縁は避けて歩くよう心掛けましょう。
また、畳と畳を跨いで座ることも避けましょう。



いざ、席に座る際、
避けて座らなければならない席が三つあります。


◇正客(しょうきゃく)

正客とは主賓のことで、
通常、茶道の経験を長年積んだ先生方が座ります。


◇次客(じきゃく)

正客の隣に座る人のこと。
正客同様、やはりお茶に精通した人が座ります。


◇末客(まっきゃく)

「お詰(おつめ)」とも呼ばれ、席の一番最後に座ります。
主に片付けの役割を担う立場で、
そのため茶道の技量をやはり問われます。


上記以外の席に座れば、なんら問題はありません。


以上ここまで述べてきたことは、
基本中の基本になります。

お茶会に行く際に、
これらのことを頭の中に入れておけば、
あとはなんとかなるものです。


お茶の飲み方や、お菓子の取り方は、
流派によっても多少違ってきますし、
そこまで神経質になる必要はないと思います。

周りの客の様子を見ながら、
それを見よう見まねするくらいで良いのです。

多少作法を間違えても、とやかく言う人はまずいないですし、
隣に座られている方が経験者であれば、

『今日がはじめてのお茶会で、
お作法が分からないのですが、どうすればよいでしょうか?』
と言えば、喜んで親切に教えて下さるはずです。


実際私も、
はじめてお茶会に来た方がたまたま隣に座られた際に、
お菓子の取り方や、お茶の飲み方を
お教えする機会が何度かありました。


作法は徐々に身に付いていくものです。
最初のうちは、お茶を飲むことを楽しむ…
それで十分だと思います。

怖がることなく、はじめてのお茶会を楽しまれて下さい。