Ryan Kennedy
2012-02-01 13:25:00

秘密にすることではないが、ここ数年NCAAとカナディアン・リーグ(CHL)の間の緊張が高まっている。あと2、3年様子を見てみよう。伝統のあるこの二つの組織が文字通り互いの芝に侵入しようとしているからだ。そして、嬉しいことに、勝者となるのはファンなのだ。

決まったことはまだ何も無いが、二つの注目イベントがこの緊張をさらに高めることになりそうだ。2013年のウィンター・クラシックではデトロイトがプレーすることになっている。メジャー・ジュニア、特にオンタリオ・リーグ(OHL)にとってはその開催地であるミシガン州アン・アーバー(Ann Arbor)がとっかかりになるだろう。確かに同州にはOHLのチームがいくつかある。レッド・ウィングスとメープル・リーフスはミシガン大学の”Big House”*で対戦することになっているが、評論家たちは前座試合が行われるのではないかと憶測を立てている。しかし、カレッジ・ホッケーのプログラムに自分のアウトドア・リンクでメジャー・ジュニアの選手をプレーさせることが含まれているはずはない。また、一方で、レッド・ウィングスのオーナー、Mike Ilitch*がデトロイトのコメリカ・パーク(Comerica Park)での開催を主張しており、二つ目の屋外試合開催が目されている。

この大リーグのタイガースの本拠地で、ミシガン州をフランチャイズとすOHLのチーム、プリマス(Plymouth Whalers)とサギノー(Saginaw Spirit)のダブルヘッダーが噂されている。対戦相手としては地理的に近いカナダのウィンザー(Windsor Spitfires)とロンドン(London Knights)が考えられる。

ウィンザーのスピットファイヤーズは最近NCAAからCam Fowler、Jack Campbell、Kenny Ryanといったアメリカの有望選手を引きぬいた。従って、ウィンザーがこのようなアメリカの大舞台でメジャー・ジュニアのための派手な立ち回りを演じるというアイデアはカレッジ・ホッケーにとって嬉しいことではない。しかし、NCAAにも弾がない訳ではない。

カレッジ・ホッケーのチャンピオンシップ・トーナメントであるThe Frozen Fou*rが2015年にはトロントで開催されるかもしれない。今年はタンパで行われ、来年以降ピッツバーグ、フィラデルフィアでそれぞれ開催される。(ペン・ステート大学はこのトーナメントがフィラデルフィアで行われる頃には完全なDivisionⅠ校になっているはずだ。そして、同校のNittany LionsがFrozen Fourに進出することが期待されているが、そうなれば新しいビッグ10カンファレンスが大いに活気づくだろう。)

2015年以降の開催地はまだ決まっていないが、トロントが主催地になるという考えは関係者にとってよだれが出そうな話だ。昨年トロントで行われたCHLのプロスペクツ・ゲーム*は観客数が多くなかったので、エア・カナダ・センターは青と白のユニフォームを着ていない間借り人には決して理想的な環境ではないことが証明されたが、Frozen Fourは奥の手を隠し持っている。このトーナメントには筋金入りのカレッジ・ファンが集まるので、試合の組み合わせが決まる前でもチケットの大部分は前売りではけてしまうのが一般的だ。従って、開催地にとっては大幅に負荷が軽減される。

ホッケーについて言えば、トロントはリーフス以外には興味がない街とされている。しかし、もしそこにリーフスの将来の芽がいるとすれば、Frozen Fourの意味合いも変わってくるのではないだろうか。2011年のドラフトの第1ラウンドでトロントに指名され、現在マイアミ・レッドホークスにいるTyler Biggsは2015年には最上級生になる。同じくトロントからドラフト指名を受けているTony Cameranesi(来シーズンはミネソタ-ダルース大学(UMD)でプレーする)とMax Everson(ハーバード大学の新入生)も恐らくまだ在学中であろう。それらの有望選手を急いでリーフスに入団させる必要はない。また、マイアミ大学もUMDもチーム力を強化しており、このうちの少なくとも1チームがFrozen Fourに進出する可能性はかなり高い。NCAAの有望選手の中にはリーフスのドラフト指名選手がさらに3人おり、そのうちの何人かが将来のリーフスになることは間違いない。

北アメリカのトップ・レベルの10代のホッケー選手を巡る戦争が起きている。利害関係が大きく、目玉となるイベントが最新兵器になっても驚くことではない。少なくともファンにとっては楽しいはずだ。


*Big House : デトロイトの西に位置するAnn Arborにあるミシガン大学のスタジアム。110,000席を備え、カレッジ・フットボールのスタジアムとしては全米最大。NHLはウィンター・クラシックの入場者数の記録を更新したいためにこのスタジアムを会場にしたがっている。

*Mike Ilitch : レッド・ウィングスと大リーグのデトロイト・タイガースのオーナー

*Frozen Four:NCAA Division Ⅰの準決勝と決勝。Penn Stateは2012-13年シーズンからNCAA DivisionⅠでプレーすることになっている。また、ホッケーのビッグ10カンファレンスは2013-14年シーズンからPenn Stateを含めた6チームでスタートすることになっている。

*CHLプロスペクツ・ゲーム(Prospects Game):CHLでNHLにドラフトされそうな選手上位40人によるゲーム。CHLのオール・スター・ゲームのようなもの。

- end -
2012-01-30 18:26:00

ミネソタ州セント・ポール - NHLは全ての公式戦の勝者を決める大胆で新しい方法を備えてロックアウトから戻ってきた。

シュートアウトが導入された時、スポーツの純粋主義派が多くの疑問を呈した。65分の試合の決着をスキル・コンペティションでつけることに対する不満がなくなることはないだろう。それは、野球で10イニングが終わって引き分けだった時にホーム・ラン競争で勝敗を決めるのと同じことだからだ。

しかしながら、導入当初は疑問を感じていても、その後シュートアウトに納得した人もいる。現在の団体交渉協約はこの夏に満了するが、その際、改めて大きなルール変更が協議される可能性がある。しかし、コミッショナーのGary Bettmanはこのタイブレーカーが定着しているといった口ぶりだ。

「定期的に行っている調査によれば、ファンがシュートアウトを喜んでいるという結果が圧倒的です。」とBettmanはオール・スターの週末にオタワで熱く語った。「70~80パーセントのファンがシュートアウトを受け入れているという数字があります。これはどう見ても非常に高い数値です。余談ですが、私は全てのアリーナに少なくとも1度は行って試合を見ようと思っています。シュートアウトにもつれ込んだ試合を見ていると、観客の反応は物凄いものです。誰もが立ち上がっています。」

8年前にゼネラル・マネジャー達がラスベガス郊外のリゾートに集まり、いくつかの根本的な変更について重大な決定をした時にシュートアウト導入の種は蒔かれていた。労使紛争で2004-05年シーズン全体が中止になった後、NHLはファンを取り戻さなくてはならなかった。タイブレーカーは、ふらりと見に来たファンでも熱烈なファンでも再び競技場に足を運んでもらうのに十分エキサイティングな公式戦にするための工夫のレシピに加えられた香辛料の一つだった。

派手な1対1の練習のようなシュートアウトが引き分けという結果になった試合を安っぽいものにしてしまうという懸念はあるものの、引分けが嫌いなのは誰も同じだ。

「ファンはどちらかが勝つのを見たがっています。『ワーォ、今夜は素晴らしい引き分けだった』というような虚しい思いで競技場を後にしたくないはずです。」とミネソタのコーチ、Mike Yeoは言った。ワイルドはNHLの中で最も多く引き分け、今シーズン10回のシュートアウトをしている。「誰だって試合に勝ちたいはずです。負けたくありません。しかし、負けを知れば勝つことの重みがより増します。私たちがここにいる理由。それは試合に勝つためです。」

オーバータイムかシュートアウトの結果、負けても1ポイントが与えられる。そのため、不自然な現象が起こる可能性があるのがこのシステムの欠点だ。

STATS LLC社(*)の調査によれば、今シーズンの735試合のうちの164試合が3ピリオドを終わった時点で同点だった。それは、22.3%の試合で1試合あたり2ポイントではなく3ポイントが与えられていることを意味する。プレーオフ出場権をかけた争いはこのように複雑になり、実際には負け越しているチームでも順位表では上位になってしまうことがあるのだ。
*STATS LLC社:スポーツデータの収集、配信を専門にしている会社(http://www.stats.com/japanese.asp)

この164の引き分け試合のうち、95試合はシュートアウトで決着がついた。ほぼ58%で、シュートアウトが導入されて以来の通算56%よりも少し高い値になっている。

ワイルドのシーズン・チケットを持っているGreg Hobanは自分のことを改宗者と呼んでいる。

Hobanはブラックホークスのファンとしてシカゴで育ち、このスポーツの伝統に対して強いこだわりを持っている。しかし、彼は二つのチームが1対1のシュートをし合い、ゴールキーパーがそれを止めようとする時のスタジアムの興奮を経験してから、このやり方が好きになった。シュートアウトは大凡3回に1回は成功する。

「最初は人目をひくための手に過ぎないと思いました。」とHoban。「『このスポーツの純粋さに反するのではないか』とも思いました。しかし、何年も見ていて、それが意図されていたものが解ってきました。今やこのスポーツに欠かせないものです。」

一流のプロ・スポーツ選手は競争を通じて成長する。したがって、アドレナリンの分泌を活発にすることならどんな些細なことでも喜ばれるのだ。

「興奮します。人々はそれを見たがっています。ファンは1対1の対決を見たがっています。」とアナハイム・ダックスのライト・ウィング、Cory Perryが言った。「私は気にしません。チームの一番良い選手を選び、シュートをし、チームを勝たせようとする。選手もシュートアウトが好きです。そのプレッシャーが欲しいのです。」

コロラドでは確実にシュートアウトが好まれている。

アバランチは今シーズン、この状況では7勝0敗で、2005-06年シーズンにダラス・スターズが作ったシュートアウト連勝記録より一つ少ない10連勝中だ。

「恐らく多くのファンが気に入っていると思います。」とコロラドのライト・ウィング、Milan Hejdukが言った。「必ずどちらかが勝ちます。サッカーのように引き分けがありません。良い方法だと思います。」

アバランチはシュートアウトで通算44勝23敗、これはNHLで最も高い勝率だ。ニュー・ジャージー・デビルズ(50勝27敗)がそれに続く。このリストの最下位にはフィラデルフィア・フライヤーズ(20勝37敗)とフロリダ・パンサーズ(27勝50敗)がいる。Jussi Jokinenの通算30ゴールが最多で、Radim VrbataとPavel Datsyukが28でそれに続いている。

もし投票をすれば、コーチと選手がシュートアウトに賛成する割合はファンほど高くはないだろう。

「複雑な気持ちです。」とモントリオール・カナディアンズのゴールキーパー、Carey Priceは言う。「シュートアウトはチーム全体での戦いではなく、選ばれた選手だけによるものです。そこが一番難しいところだと思います。中心選手がシュートアウトが苦手だと、特定の選手に非難が集まってしまいます。それでも、勝ち負けが決まらないよりはいいと思います。色々考えてみると、チケットを売るためには試合に決着を付けるのが良いことなのだろうと思います。」

「ファンにとってはとても面白く、楽しんでいると思います。しかし、私は4人対4人の延長戦で決着を付ける方が良いと思います。シュートアウトが大好きという訳ではありませんが、今はそれが現実です。」とニューヨーク・レンジャーズのスター、Marian Gaborikが言った。

しかし、レンジャーズが勝っていれば、Gaborikはそれでもいいと思っている。ゴールキーパーのHenrik Lundqvistのシュートアウトでの通算成績は39勝27敗ではリーグ一番の勝ち数だ。シュートアウトで100本以上のシュートを受けたゴーリーの中では歴代4位だ。

結局のところ、ファンの気持は他のスポーツや試合のそれと同じだ。つまり、勝てば嬉しいしし、負ければそれほどでもない。

「ジンクスにするつもりはありませんが、全体として、Hankがネットにいてくれれば勝つ機会が増えます。」とGaborikは言う。

全ての選手がシュートアウトは不公平だと言っているわけではない。

「要するに、これもまたこのゲームの一部だということです。このスポーツが始まって以来、ゴールテンダーは一番の人気者です。そういうものなのです。」と、今シーズン、5つのシュートアウト・ゴールを挙げておりNHLで3位タイのミネソタのセンター、Matt Cullenが言った。


【Cournoyerの所感】
本文にある、「不自然な現象」が今日現在のウェスタン・カンファレンスで起こっています。
1月31日時点での順位と成績を見てみましょう。
7位:ロサンゼルス(24勝16敗10OTL:58ポイント)
8位:ミネソタ(24勝19敗7OTL:55ポイント)
9位:コロラド(26勝24敗2OTL:54ポイント)
10位:ダラス(25勝21敗2OTL:52ポイント)
(OTLはOver Time Loss:延長又はシュートアウト負け)

これを勝ち負けだけで見ると
7位:ロサンゼルス(24勝26敗)
8位:ミネソタ(24勝26敗)
9位:コロラド(26勝26敗)
10位:ダラス(25勝23敗)
となります。

7位のロサンゼルスと8位のミネソタはいずれも負け越しているのにOTLが多いために勝率5割のコロラドや勝ち越しているダラスよりも上位になっています。

私もシュートアウト自体は好きです。1998年長野オリンピックの準決勝、カナダ対チェコは引き分けの末、シュートアウトでの決着になりました。その時の緊張感は今でも忘れられません。カナダが外した最後のシュートは見ていることができず、思わず下を向いてしまいました。

そのような興奮を味わえるシュートアウトは今はNHLのゲームには欠かせないものとなっているのでしょう。

今後の課題は上記のような現象をどう捉えるかということではないでしょうか。60分で勝った場合は3ポイント、延長やシュートアウトでの勝ちには2ポイント、OTLは1ポイントにするのも一つの手だと思います。

- end -
January 28, 2012

オール・スター・ゲームをモノにするのにオタワは20年かかった。その内の16年は招致活動に費やされた。

では、ウィニペグはどのくらい待たなければならないだろうか。

生まれ変わったジェッツからもオタワに選手が一人来ている。その選手は背中に名前も番号も付けていない。はっきりしているのは、それがDustin Byfuglienではないということだ。この高くそびえるようなディフェンスマンはオール・スターに選ばれたが負傷のために出場を辞退しなければならなかったからだ。

その選手とは理事のMark Chipman、アトランタ・スラッシャーズの経営が悪化してマニトバに着陸した時、ジェッツを再生させた人である。

シャトー・ロリエでのNHL理事会の後、メディアと話したオーナーは少なかったがChipmanはそのうちの一人だった。彼は「ジェッツにはオール・スター選手が一人います。ただ彼はプレーすることができないだけです。」と、リンク上にジェッツの選手がいないことに失望してはいないと語った。

オール・スター・ウィークエンドのようなイベントを主催することについて、Chipmanはまだ考えるのは早すぎると言った。元のジェッツが1996年にフェニックスへ発って以来、フランチャイズを元に戻したことだけでオーナー・グループにとって十分意義のある出来事だった。

オタワが最初に引っ掛かったのは適切な施設がないことだったが、それはKanataにパラディウム(現在のスコシアバンク・プレイス)がオープンした1996年に解決した。次の障壁は途方もなく人気のある移動遊園地のようなこのイベントを開催するに足る大きな施設で、リーグの要請は200,000平方フィートの広さだった。この問題は昨年、真新しいオタワ・コンベンション・センターが完成して解決された。

ウィニペグとオタワは規模では大きく異なるところのない都市だ。両都市とも必要なホテルの部屋、近代的なスケート・リンクがあり、リンク外での活動に利用できる会議施設も整うだろう。更に、ウィニペグには間もなくダウンタウンの再開発地区、「フォーク」にカナダ人権博物館がオープンし、オタワのパーラメント・ヒルやリドー・カナルと同等の観光名所ができる。

時期が来ればジェッツはオール・スター・ゲームの開催を目指すだろう。そうでなければ、ヘリテージ・クラッシック或いはドラフト会議かもしれない。

「間違いなく私たちはこれらのイベントのどれかを後援することになるでしょう。」とChipmanが言う。

昨年10月初旬のシーズン最初の公式戦は言うまでもなく、9月のオープン戦に対するファンの反応を見れば、誰もその考えに疑問を抱くことはないだろう。

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