Ken Campbell
2012-03-02 14:35:00

モントリオール中心部の通りはチームがこんな状況の今でも素晴らしく活気溢れる空気に満たされることだろう。ビジター・チームが宿泊するChateau Champlainホテルのロビーはファンでごった返すだろう。そして、試合そのものは見るに値するものですらあるのかもしれない。

しかし、土曜(3日)夜のモントリオール・カナディアンズとトロント・メープル・リーフスの対戦には本当に虚しさを感じる。オリジナル6のこの2チームの試合が意味のあるものだった時代を思い出して欲しい。聞いてごらんなさい。40歳以上の人なら誰でもこの二つのオリジナル6のチーム同士の対戦が意味のあるものだった頃のことを覚えているはずだ。

この二つのフランチャイズがこのように劇的に落ちぶれてしまったことは驚くべきことだ。唯一の例外は、スタンレー・カップの決勝で両チームが対戦し、過去40年間にわたる栄光をぶつかり合わせるまでもう一息と迫り、ジリジリさせられた1993年だけだ。実現すれば1967年以来初めてのことになるはずだった。両者の関係は、カナディアンズが光り輝けばリーフスは惨めな思いをし、逆にリーフスが優勝を目指せるほど好調な時期にはカナディアンズが苦しむというものだった。

さて、少なくとも今シーズンのこの2チームには共通点がある。両チームとも息も絶え絶えで、誰の目にも明らかなことは、この悲惨なシーズンの直後にチームの駐車スペースと携帯電話を取り上げられることになる敗残者のコーチと共に今シーズンを最後までプレーしようとしていることだ。そして、両方ともプレーオフを逃すことになるだろう。そう、もう終わりだ、リーフス・ファンの皆さん。リーフスがプレーオフを逃すのはフランチャイズの歴史でたった5度目のことだ。あとの4回は2006-07年、'69-70年、'25-26年、'19-20年だった。

トロントでは、今のRon Wilsonの状況はその日暮らし、或いはその「試合」暮らしと言っても良いかもしれない。リーフスのGM、Brian Burkeは選手が批判されたりすると慌ててその選手の弁護に走るのに、悩めるコーチであり、且つ、大学ホッケー時代の仲間であるWilsonを声高に擁護しないのは何故だろうか。

しかしながら、船は既に出港してしまった。もう手遅れなのだ。リーフスがベンチの後ろに変更を加えるつもりがあったとしても、それがチームに勢いを与えて強さを取り戻し、プレーオフで目的に向かって突き進めたかどうかは疑わしい。念のために言っておくが、このチームは今あまり良くないのだ。コーチはそのために何かをしなくてはならない。しかし、責任はもっと上のレベルにある。それについては後述する。

モントリオールでは、Randy Cunneyworthがベンチの後ろでの仕事を失わないようにできることが二つあったはずだ。その一つは、フランス語が支配的な言語である中、彼が2ヶ国語を話し始めるということであり、もう一つは、彼の横柄なコーチぶりについてScotty Bowman*が電話でアドバイスを与えるということだ。しかし、それらのどちらも起こらなかった。Cunneyworthはまだ1ヶ国語しか話せない。

*Scotty Bowman:1970年代後半にカナディアンズが4連覇を成し遂げた時のコーチ。

また実際にカナディアンズは前よりより悪くなっている。Jacques Martinが解雇された時には13勝11敗7OTLだったが、それ以降の成績は12勝19敗3OTLだ。1ゲームあたりのゴール数でオフェンス面がわずかに良いに過ぎず、ディフェンスは悪くなっている。イースタン・カンファレンスで4つも順位を落とし、また、パワー・プレー成功率はリーグで28位だ。また、ベンチの後ろにCunneyworthが来てから何度もリードを逆転された。これではカナディアンズの経営陣がシーズンの終わりにある決断を下すのは容易なことだ。

この二つの組織ではマネジメントもその責任の一端を担わなくてはならない。Pierre Gauthierは次から次へと首を傾げる様な判断をした。しかし、彼はトレード・デッドラインにカナディアンズにいくつかの将来の可能性を残すことだけはした。

同じことはBurkeには言えない。Wilsonと彼のチームに対する強情なまでの忠誠心は不可思議ですらある。Burkeは非常にそつのないトレードをいくつか行い、リーフスのファームにまずまずではあるが素晴らしいとまでは言えない将来の選手を補充するという良い仕事を済ませた。それについては褒めて良いだろう。

しかし、悲惨なことにBurkeに欠けていたのはフリー・エージェントの取り方だった。実際、彼が行った一連の仕事はひどかった。登録選手の中で、Burkeがサインする責任を負ったのは、Philippe Dupuis、Colby Armstrong、Joey Crabb、Brett Lebda、Mike Zigomanis、Clarke MacArthur、Jonas Gustavsson、Jay Rosehill、Tim Brent、Francois Beauchemin、Tim Connolly、Colton Orr、Mike Komisarek、Jay Harrisonだ。この中で、チームに前向きな貢献をした選手の数は片手で数えることができ、しかもまだ2、3本の指が余っている。

また、Burkeはトレード・デッドラインに4つの第1ラウンド指名権を得ることができたはずだった。しかし、そうする代わりに、標準以下の登録選手に対する信頼を示す決断をし、ファンは反乱寸前になっている。もし、あなたがリーフスのファンなら、自分自身に次の質問をしてみて欲しい:今のままの状況でシーズン・オフに入った方が良いか、それとも、ドラフトで第1ラウンドの30の指名権のうち五つを持ち、期待に胸を膨らます方が良いか。

その点について、カナディアンズにはいいチャンスがある。現在の順位は総合で28位だ。うまくすれば総合1位の指名権を得る可能性もある。さらには、ナッシュビルから得た第2ラウンド指名権もある。

勿論、それは今の助けにはならない。そして、二つの名門チームが土曜日に何の意味もない試合をするまでに落ち込んでしまったという事実を変えることはできない。

- end -
Ken Campbell
2012-02-28 00:09:00

トレード・デッドライン日が次の二つの目的のうちの一つを果たしていた時期があった。それは、高価な契約と保留条件付き無制限のフリー・エージェントを積み残しておく倉庫、或いは、各チームが思い切って一人、二人の選手を探すためのノミの市としての役割だ。

しかし、今年のデッドラインには、ホッケーに相応しいトレードがなされた。Zack Kassian、Marc-Andre GragnaniとCody Hodgson、Alexander Sulzerの交換は正にこの世界らしいトレードだ。Tom GilbertとNick Schultsの交換、そして、Keith AulieとCarter Ashtonのトレードもそうだ。

これは今回のトレードの良かった部分だ。一方、残念だったのは興奮させるようなトレードがなかったことだ。

今後、大きな取引はトレード・デッドライン日ではなくドラフトの日に行われるように変わってゆくだろう。この2、3年、そういう傾向になってきている。中にはその公平性が疑われるトレードもがいくつかあった。しかし、それ以上に、このリーグのGMたちは思い切って支払った対価がそれに値しないことがあるということに間もなく気付くだろう。今年は売り手市場のようだったが、売り手が折り合いのつけようのない交換条件を提示すれば、買い手は離れてしまうのだ。

今年もいくつかのトレードがなされ、期待外れでなかったものも多い。ここにデッドライン日の勝者と敗者を挙げてみよう。

勝者:バンクーバー・カナックス
もし、Cody Hodgsonが実は攻守両面に優れたNHLでも屈指のセンターであることが後から判ったとすれば、彼をトレードに出したことをいつの日か大きく後悔することになるかもしれない。しかし、いずれにせよ、カナックスではそうでなかった。そして、バンクーバーは代わりにZack Kassianというタフな若者を得た。Kassianはそのような選手を必要としていたカナックスの期待に応えることができるだろう。しかし、このトレードのより大きな意義は彼がプレーオフで活躍できる選手でもあるということだ。コロンバス・ブルー・ジャケッツから獲得したSami Pahlssonは第3ラインのセンターとして、これまでと同じように相手を封じ込める役割を果たせるだろう。また、Marc-Andre Gragnaniがカナックスに攻撃力を加える可能性も見逃せない。

敗者:コロンバス・ブルー・ジャケッツ
彼等がRick Nashをトレードしなかったからではなく、この災害全体を如何に無器用に処理したかがその理由だ。GMのScott Howsonが、Nashがトレードを希望したと世界へ公言した時、彼が何を考えていたのかを正確に説明できる人がいるだろうか。そうすることの意味は何だったのだろうか。一連の騒動でNashを悪者にすることで、キャプテンであり且つチームの主力選手と組織との関係をこじらせてしてしまった。それだけでなく、誰が見ても明らかなこのチームの深い機能障害を暴露することになってしまう。Nashがたくさんのご馳走を与えられていることや、チームを出たがっていることを大っぴらにし、この紛糾をさらに数ヶ月長引かせることは、何年にもわたって耐え忍んできたファンに対するさらなる酷い仕打ちだ。

勝者:バッファロー・セイバーズ
今年のセイバーズは大きく期待を裏切り、いくつかの酷いトレードもした。しかし、Paul Gaustadとドラフト第4ラウンド指名権を放出し、代わりに第1ラウンド指名権を得たことは期待以上の成果だった。Cody Hodgsonは、セイバーズで出場時間のNHLトップ6になる可能性があり、トレードされる前から既に文句のつけようのないCalderトロフィー候補になりつつあった。彼がセイバーズでスターの地位を獲得できるかどうかに賭けよう。

敗者:ナッシュビル・プレデターズ
ほとんどの人々がプレデターズを勝者に分類していることは分かっている。しかし、私が言うことは筋が通っていないだろうか。つまり、ナッシュビルは1シーズンに13ゴール以上挙げたことのない選手のために第1ラウンド指名権を譲り渡した。また、今シーズン12点しか得点していない別の選手と第2ラウンド指名権を交換した。これでもプレデターズがトレードの勝者と言えるだろうか。これはRyan SuterとShea Weberに、チームが本気でスタンレー・カップを狙っていることを信じさせるための手段なのだろうか。

勝者:タンパベイ・ライトニング
GMのSteve Yzermanはデッドラインに組織の全ての病を治すような動きをしなかった。しかし、手を打ち始めたことは確かだ。Mike Commodoreをトレードで得たことは大して重要なことではない。しかし、Keith AulieとBrian Leeを獲得したことは、少なくとも目先を変えられる二人の若い財産を得たと言うことはできるだろう。つい先頃、Leeはドラフトで総合9位の指名を受けたばかりだ。AulieはDion Phaneufと交換したトロント・メープル・リーフスとのトレードで、チームを変えることが出来る選手との触れ込みだった。それは、この二人が一流のNHL選手になれることを意味するのだろうか。いや、必ずしもそうとは言えない、しかし、危険を犯した価値はあった。

敗者:トロント・メープル・リーフス
GMのBrian Burkeはリーフスをプレーオフに進出させるための取引をしたいという衝動に抵抗した。それは良かったことだ。しかし、トレード・デッドラインに注目されながらトロントでプレーすることのプレッシャーとそれが選手に不安を与えると愚痴を言ったところで、それは選手に失敗に対するお決まりの言い訳を許すことに他ならない。Burkeは、それが何であれ、青と白の病に終止符を打つことが期待されていた。しかし、彼がやったのは、リーフスの選手がどんなプロ・スポーツの選手よりも大きなプレッシャーの下にいるという意識を選手に植えつけ、病を進行させることだけだった。全くナンセンスだ。

勝者:ウィニペグ・ジェッツ
GMのKevin Cheveldayoffは放棄者リストから、僅か125万ドルの契約をあと1年間残しているGrant Clitsomeを獲得し、素晴らしい日を過ごした。これにより2013年の第2と第3ラウンドのドラフト指名権と交換に満了を迎えるJohnny Oduyaの契約をトレードに出すことができた。ジェッツはOduyaをプレーオフへのもう一押しに使うこともできたはずだが、大局を見失うことはなかった。

敗者:カルガリー・フレームス
カルガリーの人々がシーズン・チケット更新の知らせを受け取ったのと同じ日に、彼等のGMはTim Jackmanとの契約を2年間更新し、また、Olli Jokinenと契約することも発表した。言い方を変えれば、GMのJay Feasterはフランチャイズの将来を作り変えるためにデッドラインを使用することができたはずなのに、そうしないことに決めたのだ。これにはオーナーの影響があることは明らかだ。それにしても、チームが今あまりうまく行っておらず、長くは続かないことにフレームスが気付くのは一体いつだろうか。

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Tom Thompson
2012-02-18 10:41:00

このコラムで私は多くの意見を述べてきた。ホッケー・ファンがよく抱く疑問に答えを出すのは好きだ。しかし、今日はいつもとは異なるアプローチをしてみたい。ある観察に基づく結論ついて、ホッケー・ファンがそれを共有できるかどうかを確かめたいのだ。それは現代のホッケー、そして、ホッケーの歴史という観点から重要なものだ。この観察の結果、私には答えではなく疑問がたくさん湧いてきた。率直に言うと、どう見てもカナダ人のゴーリーがホッケーの表舞台から姿を消しているという明らかな結論に戸惑っているのだ。

私の言うことが信じられないかもしれない。しかし、過去3シーズンのVezinaトロフィー獲得者を思い出して欲しい。カナダ人はいない。過去3シーズンの第1、第2オール・スター・チームはどうだろうか。カナダ人は3シーズン前に第2チームに選ばれたSteve Mason一人だけだ。最近The Hockey Newsが選んだNHLのトップ30人ゴーリーはどうか。非カナダ人が21人でカナダ人は9人だけだった。NHLのチームごとのゴーリーの内訳では、30チームのうち3分の2は非カナダ人が主力ゴーリーとなっている。

ホッケーの梯子を少し下りてみよう。世界ジュニア選手権はどうだろう。過去3回のトーナメントにカナダは強力なチームを送り込んだが、持ち帰ったのは二つの銀メダルと1個の銅メダルだった。スタンレー・カップやオリンピックと同じくらいカナダのホッケー・ファンの心に浸透しているこのイベントで、これはとても受け入れ難いことだ。ホッケーを見る者がカナダのこの「失敗」の背後にあるものとしてゴールテンディングだけを挙げている訳ではないが、そうささやく声は次第に大きくなっている。カナダのホッケー・ファンは自分自身に正直になるべきだ。過去において、優れたゴールテンディングが金メダルをカナダに持ち帰らせる主要因だったことは多々ある。最近のシーズンではその優れたゴールテンディングが消えてしまった。

間もなくNHLに入ってくる有望選手を見てみると状況はさらに深刻だ。2011年のドラフトでは、指名された最初の5人のゴーリーにカナダ人はいなかった。さらに、指名された最初の10人のゴーリーのうちの8人は非カナダ人だった。また、これは企業秘密でも何でもないが、来たるドラフトに向けて現在高く評価されている3人の有望ゴーリーはいずれもヨーロッパ人なのだ

誰が見ても明らかなのは、この現象の理由の一つは、ホッケーの国際化に伴い、条件が均等になったことである。アメリカやヨーロッパの選手は今、カナダ人のゴーリーやゴールテンディング・コーチと接することができる。NHLのゴーリー「伝道師」は圧倒的にカナダ人が多い。彼等のノウ・ハウが今、他の国々へ広がっているのだ。

数年前まで、独りよがりのカナダ人は、Dominik Hasekの時代を例外として、ゴールテンディングに関する賞は圧倒的にカナダ人が獲得していたことを自慢できていた。事実、カナダのホッケー伝統主義者たちは、頑丈さとシュート力と共に、優れたゴールテンディングを長年のカナダの優位点として挙げるだろう。

カナダ・ホッケー省はカナダのゴールテンディングの評判を回復するための正しい方向に進んでいるようだ。毎年、15歳~20歳のカナダのトップ・レベルのゴーリーを含む、エリート・ゴールテンディング・キャンプを開催している。ホッケー界で働く全ての人はごく簡単な事実を知っている。ゴーリーというものは他のゴーリーの言うことをよく聞くということだ。このようなキャンプではホッケー界で最良のゴーリー指導者がスタッフになっている。

この問題について議論した何人かのカナダ人競技役員はケベックでのゴールテンディングの生産ラインが完全に枯渇している点を指摘した。しかしながら、The Hockey Newsが選んだトップ30ゴーリーの中の9人のカナダ人のゴーリーのうち5人はケベック出身者だ。二人はサスカチュワン、そして、オンタリオとブリティッシュコロンビアからは一人ずつだった。もし、ケベックが完全に乾燥してしまっているというのなら、この国の他の地域はどうなってしまうのだろう。

この点について答えてくれる人はいないだろうか。ゴールテンディングが、特にプレーオフでは、どの優勝チームにとっても最も重要な要素であることに変わりはない。偉大な元ゴーリー、Ken Drydenが指摘したように、このポジションの性質上、ゴーリーは試合を支配することができない。しかし、試合の結果を左右することはできる。国際試合では何度もこの言い伝えが、カナダの強さとして、真実であることが証明されてきた。どのようにして、そして、何故、カナダはこの優位性を失ってしまったのだろうか。皆さんの意見を聞いてみたいものだ。

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