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明日、5月31日からの5日間は
七十二候の第候≪麦秋至(むぎのときいたる)≫です。
これは二十四節気の≪小満≫の末候に当たります。
「麦」の「秋」を「とき」と読むなんて、言葉のセンスが素適ですよね~
ご近所でも、収穫した麦が、カーポートに逆さに吊るして干してあるのを見かけました
いつものように広辞苑第6版から見ていきましょう
七十二候については広辞苑にはそのものが載っているわけではないので、
言葉や漢字から探っていきます。
(下線筆者)
むぎ【麦】
イネ科に属するオオムギ・コムギ・ハダカムギ・ライムギ・エンバクなどの総称、また、その穀実。古来、食用・飼料として重要。茎も麦藁むぎわらとして、工芸材料・肥料などに用いる。「麦」「麦の穂」は〈[季]夏〉、「麦の芽」は〈[季]冬〉。
ばく‐しゅう【麦秋】
①麦を取り入れる季節。初夏の頃。むぎあき。むぎのあき。〈[季]夏〉
②陰暦4月の異称。
麦は古来大切な食糧だったため、「麦」の付く熟語や慣用句は沢山ありました。
その中で近藤が「きれいだな」「面白いな」と思ったものを挙げますと、
ばく‐う【麦雨】
麦の熟するころに降る雨。
ちょうど今頃の雨の事でしょう
それから、
ばく‐ろう【麦浪】
麦の穂が風になびくさまを浪にたとえていう語。
光景が目に浮かぶようですね。
麦があるなら、米もあるかなと思って、「米浪」を探しましたが、見当たりませんでした。
その代り、もう一つ、今にも香ってきそうな美しい言葉を見つけました↓
ふじ‐なみ【藤波・藤浪】
①藤の花が、波の動くようにゆれるさま。藤の花。〈[季]春〉。(中略)
②藤原氏の系統をいう称。
今年は6月まで浜松で花博が行われていますが、
4月下旬から藤棚が本当にきれいだったようです(行けなかった)
大河ドラマ「光る君へ」の登場人物はほぼほぼ「藤原氏」ですが、
彼らが②の意味の「藤波」の人々なのですね
はなしを「麦」に戻しまして、
その他、麦の付く季節の言葉としては、
麦青むむぎあおむ
春になって麦が伸び、畑が緑色になる。〈[季]春〉
むぎ‐ふみ【麦踏み】
麦の伸び過ぎを押さえ、根張りをよくするため、早春、麦の芽を足で踏むこと。〈[季]春〉
心の故郷って感じですね~
面白い言い回しですと、
麦飯で鯉を釣るむぎめしでこいをつる
わずかな元手で大きな利益を得ることのたとえ。むぎいいで鯉を釣る。「えびで鯛を釣る」と同趣意。
あはは、初めて聞きました😅
いいな、釣りあげてみたいもんだ
さて、地方性のある言葉もありましたよ😉
いつだったか、以前にも書きましたが…
むぎ‐の‐いとこ【麦の従兄弟】
(埼玉地方で)母方の従兄弟。↔米の従兄弟
こめ‐の‐いとこ【米の従兄弟】
(埼玉地方で)父方の従兄弟。↔麦の従兄弟
それから、
むぎ‐ほめ【麦褒め・麦賞め】
正月20日、麦とろを食べてから麦畑に出て、麦をほめる唱え言をする風習。中国地方の山間部などに残る。
1月20日ということですから、麦踏みの頃の慣習ってことですねえ。
中国地方出身の近藤ですが、まったく知りませんでした。
瀬戸内だったからかなあ。
麦褒めに関する絵本も見つけました。
内容は
戦争によって断たれたいのちの無念と、いのちが耕す大地のかがやき
という事なので、ちょっと探して読んでみようと思います。
麦褒めの慣習は愛媛県史に載っているそうです。
↑これによりますと、(下線筆者)
(前略)「麦よし」ともいい、麦のできをほめる予祝儀礼である。中国地方の山間の村で、正月二〇日を「麦の節」とか「麦正月」といって、麦飯ととろろ汁を食べ、麦畑に出て「今年の麦は出来がようて、背から腹へ割れるべよう」とか「やれ腹ふとや、しえご割れや」などと唱えた。(後略)
愛媛県の他に、高知県でも麦褒めの風習が残っているそうです。
へぇ~
ヨーロッパの穀倉地帯であるウクライナでの戦争が長引いています
小麦の値段も、きっとまだ上がることでしょう。
日本にいて、小麦の値段が上がることは、まだ仕方ないとしても、
ウクライナのお百姓さんが、気持ちよく畑を耕せるように、早くなってほしいです
それではまた!
今日の浮世絵
広重『四十弐 木曽海道六拾九次之内三渡野』,錦樹堂. 国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/pid/1306261 (参照 2024-05-27)
基本の暦ワードの説明はこちらをどうぞ↓
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楽しい育児クラブで子育てカウンセリングをして10年になります。
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