高く上がった打球というのは実は捕球するのにいくつか厄介なワナがあります。
確かに高く上がった打球は空中にある時間が長いので、
打球の下に入ることはそれほど難しいことではないでしょう。
特に外野フライの場合には高く上がった後にどれくらい風に
流されるかなども含めて落下地点を予測するのはそれほど難しくはありません。
でもこれが飛距離の無い内野フライとなるとだいぶ話が違ってきます。
真上に近い角度で上がれば上がるほど、高さのある
フライというのは捕りにくくなるのです。
基本的に人間というのは自分にまっすぐ向かってくる物を
うまく捉えるというのはあまり得意ではありません。
距離感をつかみにくいからです。
高く上がった内野フライは、捕球する野手にとってはほぼ
真上から自分に向かってまっすぐに近い感じで落ちてくるんですから、
とても距離感をつかみづらいのです。
しかも落ちてくるボールは重力のおかげで加速して落ちてきますし、
上空で風の影響を受ければ落ちてくるほどにボールが風に流されてしまいます。
しかも高く上がった内野フライは打ちそこないの打球である場合が多く、
普通の打球にはないバックスピンがかかっている可能性が高いのです。
捕球時にボールが暴れる場合もあります。
高く上がれば上がるほど、内野フライは捕りにくくなるわけです。
ではこの捕りにくい打球を少しでもうまく捕球するコツはあるでしょうか?
私が重要だと思うのは、フットワークを軽くして左右や前後に
動きやすい体勢を保つことと、落下するボールの真下に入らずに
落下地点を体の前側に常に置いておくことです。
落ちてくるボールの真下に入ってしまうと、体の後ろ側にボールが
流されたときに捕球が難しくなってしまいます。
また、真上を見る格好というのは足運びも難しくなり、うまく移動できません。
もちろんあまりボールから離れてしまうと追いつけなくなって
しまうこともあるのでさじ加減が必要ですが、出来る限り背中側に
ボールが落ちてこない体勢をとるのは大切です。