体の大きな選手が大きな打球を飛ばしたり、背の高い投手が
スゴイ速球を投げ下ろしているのを見ていると、やはり
「自分にもっと身長があれば……」と思うことはありますよね。
しかし以前にも少し触れたかも知れませんが、単に身長が
高いというだけでは、それが野球選手として有利に働くというわけでもありません。
体が大きいということが弱点になってしまう場合だってあるのです。
例えば投手としては、背が高く手足が長ければ遠心力と
筋力で速くて威力のあるボールを投げることが出来ます。
しかし、しっかりと体が出来ていなければ、重心が高くなり
投球フォームのバランスが取れずに安定したピッチングが
出来なくなってしまいます。
また、打者としても体の大きさに比例してバットのスイングスピードと
体重を乗せたバッティングが可能になり、強くて大きい打球を打てます。
しかし、体が固いと体に近いインコースの球をうまく捌けなったり、
低めの投球に対して目線が遠くなってしまってミートすることが
難しくなってしまったりすることがあり得るのです。
もちろん守備でも打球の処理が大ざっぱになってしまい、
アウトに出来るものもセーフにしてしまうかも知れません。
こうした背が高いとか体が大きいということを不利にしないために
大切なのは、やはり『足腰の強さと柔軟性』ではないかと私は感じています。
足腰の強さと柔軟性があれば何が出来るかというと、
「低い体勢を維持する」ということが一番にくると思います。
低い体勢を維持するのは色々なスポーツでも重要な体の能力です。
野球でも打撃・投球・守備のあらゆる場面で必要になってきます。
学生時代を思い出しても、体の大きいチームメイトほど監督に
「もっと走れ!」とどやされていたような気がしますが、
そういう意味があったのかも知れません。
ただ、野球部ではとにかくたくさん走らされますので
『足腰の丈夫さ』は自然についていくかも知れませんが、
『足腰の柔軟さ』というのは日々のストレッチだけでは足りないかもしれません。
相撲の「股割り」とまではいきませんが、継続して股関節を
柔らかくするトレーニングは自分なりに考える必要があると思います。