小さい頃から野球をやっているからわかることなの
かもしれませんが、自分がボールを捕球する時でも、
他人の所に打球が飛んでいった時でも、「この打球は
イレギュラーするな」となんとなく直感的に分かるようなときがあります。
一言で表すのはちょっと難しいのですが、
打球を見たときのボールの軌道とか、バウンドの仕方とか、
回転の仕方とかそういったことだと思います。
ライナー性の打球でも無回転に近いとナックルの
ような変化をするときもあります。
グラウンドの状態で突然前ぶれもなくイレギュラー
することもあるし、もちろんどの方向にどのくらい跳ねるとか
いうのが分かるわけではないんですが、一瞬の感覚なのでしょう。
でもそういった感覚というのも、「ボールがいつもと違った動きを
している」ということがある程度見極められているから
だということは言えるでしょう。
そしてこの事前にイレギュラーを感じるのと感じないのでは、
実際にイレギュラーが起きたときの打球の処理に大きな違いが出ます。
野手はイレギュラーを予測すると打球に柔らかく
対応しようとするので、捕ってから投げるまでの動きは
遅くなりますが、打球の方向が変わったときに反応しやすくなります。
守備力のある野手というのはこういうイレギュラーを
感じることの出来る動体視力も持っているのだと思います。
プロ野球などを見ていても、ときどき信じられないような
イレギュラーバウンドのボールを簡単そうに処理している場面を
見ることもあると思いますが、その時にはたいてい野手は
イレギュラーを感じ取っていて、捕球からスムーズに送球の体勢に
入るよりも、打球の方向をギリギリで見極められるような体勢に
素早く切り替えていることに気がつくはずです。
これは日頃の練習からそういう切り替えを意識しておくことで
身につけることが出来る技術でもあります。
普段の練習から、簡単そうな打球でもしっかりと軌道を見極め、
ボールの動きに注意しながら打球の処理をすることで、
少しずつイレギュラーを見極める眼を育てることが出来るはずです。