コーチの清岡です。
ピッチャーが投げてバッターが打つ。
この間の駆け引きというのは野球の大きな肝の部分です。
ピッチャーはバッターに打たれないように色々な変化球を編み出し、
バッターはその変化球をなるべくしっかりと打ち返すための
バッティング技術を磨き上げてきました。
もちろんこのイタチごっこは野球が無くならない限り
いつもでも続いていく技術開発競争ということになるでしょう。
今、ピッチャーが投げる直球(ストレート)は2(ツー)シームが主流になりつつあります。
特にアメリカのメジャーリーグでは2シームは10年ほど前から広まって定着してきており、
現在ではそれまで主流だった4(フォー)シームをすっかり逆転し、
ストレート=2シームと言われそうなレベルにまで立場を強めてきています。
2シームと4シームはボールの握り方は直球を投げる時と同様ですが、
縫い目の方向が変わってきます。
バッターから見てボールが一回転する間に縫い目が
2回見えるように投げるのが2シームで、4回見えるように投げるのが4シームです。
ただそれだけの違いなのですが、
実際にバッターが感じる変化はとても大きいものになります。
日本の野球で通常指導されるのは4シームのストレートで、
これはどちらかといえば直線的にバッターに向かってきます。
それと比べ2シームは落差が大きく、
しかもボールが左右に不規則に曲がる可能性もあります。
2シームは回転方向に対する縫い目が少なく、
位置も偏っている分、空気抵抗の影響を大きく受けるために変化が大きくなります。
一回転ごとの違いは小さなものですが、
これがバッターに届く時には目に分かる変化になります。
もちろんバッターからすれば2シームの方が打ちにくい球です。
ですからプロの間では急速に2シームが広まっているわけです。
ただし2シームを最初から多用してしまうと、
投手にも分からない不規則な変化があるために
細かいコントロールを身につけることが出来ません。
やはり小中学生を指導する際にはまずしっかりと
4シームできれいな回転の投球を身につけるのは重要なことです。